東映株式会社の第3四半期決算報告がまとめられましたので、その内容を分かりやすくご紹介します。
東映株式会社は、映画・テレビドラマの製作・配給や、シネコン運営、観光施設の運営など、様々なメディア事業を手がける老舗企業です。
企業情報
企業名: 東映株式会社
証券コード: E04585
決算期: 2024年3月期
東映株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
東映株式会社の決算日は3月31日、第3四半期の決算は12月31日となります。
主な事業
東映株式会社の主な事業は、映像関連事業、興行関連事業、催事関連事業、観光不動産事業、建築内装事業の5つのセグメントに分かれています。
映像関連事業では、映画・テレビドラマの製作・配給やアニメ作品の展開、コンテンツの販売などを手がけています。
興行関連事業では、自社運営の映画館の運営を行い、催事関連事業では、様々なイベントの企画・運営を手がけています。
観光不動産事業では、東映太秦映画村などの観光施設の運営や不動産の賃貸を行い、建築内装事業ではシネコンなどの施設工事を手掛けています。
今期の業績と利益率は?
東映株式会社の当第3四半期連結累計期間の売上高は1,283億86百万円、経常利益は273億67百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は107億82百万円となりました。
売上高は前年同期比0.2%増、経常利益は15.9%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は24.2%減となっています。
経常利益率は21.3%、純利益率は8.4%と、引き続き高水準の収益性を維持しています。
売上・利益の推移
東映株式会社の過去3年間の業績推移を見ると、売上高は174,358百万円→128,160百万円→128,386百万円、経常利益は40,172百万円→32,546百万円→27,367百万円、親会社株主に帰属する当期(四半期)純利益は15,025百万円→14,220百万円→10,782百万円と推移しています。
新型コロナの影響による落ち込みから徐々に回復してきているものの、依然として不透明な経営環境が続いています。
四半期連結貸借対照表について
資産の部
東映株式会社の当第3四半期連結会計期間末における資産合計は3,932億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ133億43百万円増加しました。
これは主に、現金及び預金が62億45百万円、仕掛品が33億35百万円、投資有価証券が63億49百万円増加したことによるものです。
負債の部
負債合計は900億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ67億9百万円減少しました。
主な減少要因は、支払手形及び買掛金が15億73百万円、未払法人税等が53億1百万円減少したことによるものです。
純資産の部
純資産合計は3,032億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ200億52百万円増加しました。
これは主に、利益剰余金が91億6百万円、その他有価証券評価差額金が36億67百万円増加したことによるものです。
ROAとROE
東映株式会社のROA(総資産経常利益率)は7.2%、ROE(自己資本当期純利益率)は4.5%となっています。
ROAは前期の11.1%から若干低下しているものの、高水準の収益性を維持しています。
一方でROEは前期の5.3%から低下しており、自己資本の効率的な運用が重要な課題となっています。
キャッシュフロー
東映株式会社の当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は開示されていませんが、営業活動によるキャッシュ・フローは堅調に推移しているものと推察されます。
設備投資などの投資活動によるキャッシュ・フローにも注目が必要ですが、全体としては良好な財務体質を維持しているといえるでしょう。
配当の支払額
東映株式会社は、第2四半期末及び期末に年2回の配当を行っています。
当期は1株当たり100円の特別配当を含め、1株当たり130円の配当を実施する予定です。
この水準の配当性向は24.8%となっており、株主還元に積極的に取り組んでいます。
今後の展望
東映株式会社は、新型コロナ禍の影響が徐々に和らぐなか、映像関連事業を中心に好業績を上げてきました。
今後は、コンテンツの強化や効率的な活用、コスト管理の徹底などにより、収益力の向上を目指すとしています。
また、観光事業やシネコン事業の回復にも期待が寄せられています。
編集部のまとめ
東映株式会社は、映像関連事業を中心とした総合エンターテインメント企業として、安定した収益基盤を築いています。
当期の業績はコロナ禍の影響を受けながらも、依然として高水準の収益性を維持しており、今後の回復に期待が持てます。
また、株主還元にも積極的に取り組んでおり、株主の皆様にとってもメリットの高い銘柄といえるでしょう。
東映株式会社の決算日や配当についてまとめました。
東映株式会社の決算日は3月31日、第3四半期決算は12月31日となっています。
また、同社は年2回(2月中旬、6月下旬)の配当を実施しており、当期は1株当たり130円の配当を予定しています。
今後も安定した業績とともに、堅実な株主還元が期待できる企業です。