燦ホールディングス株式会社の2023年度第3四半期決算報告書が公開されました。葬儀業界大手の燦ホールディングスは、コロナ禍の影響から徐々に回復し、売上高は前年同期比2.6%増加しました。一方で、新規出店に向けた先行投資が重荷となり、営業利益は13.4%減益となりました。しかしながら、全体としては堅調な推移を示しています。今後の展開にも注目が集まります。
企業情報
企業名: 燦ホールディングス株式会社
証券コード: E04895
決算期: 3月31日
燦ホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
燦ホールディングス株式会社の決算期は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日時点での決算となります。
主な事業
燦ホールディングスは、葬儀事業を中核に据えた企業グループです。直営の葬儀会館の運営や、葬儀用品の販売、葬儀に付随するサービスの提供など、ライフエンディング領域における幅広い事業を展開しています。また、介護サービス事業やWebプラットフォーム事業など、関連事業にも進出しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の営業収益は161億18百万円と、前年同期比2.6%の増収となりました。一方で、営業利益は25億69百万円と、前年同期比13.4%の減益となりました。これは、新規出店に伴う人件費や広告宣伝費の増加などの先行投資が影響したためです。しかし、経常利益率は16.0%と高水準を維持しています。
売上・利益の推移
過去3年間の業績推移をみると、売上高は増加傾向にあります。2022年3月期は216億63百万円、当第3四半期では161億18百万円と着実に伸びています。一方で、営業利益は2022年3月期が38億43百万円だったのに対し、当第3四半期は25億75百万円と一旦減少しています。これは先行投資による一時的な影響と考えられます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の四半期連結貸借対照表では、総資産が360億9百万円となっています。前期末から2億19百万円減少しています。これは、現金及び預金の減少などが主な要因です。
資産の部
資産の部では、流動資産が108億80百万円と前期末比1億58百万円減少しています。一方、固定資産が251億29百万円と、前期末比60百万円減少しました。これは、基幹システム構築に伴う無形固定資産の増加がある一方で、減価償却の進行により有形固定資産が減少したためです。
負債の部
負債の部では、流動負債が26億30百万円と前期末比9億29百万円減少しました。主な要因は、未払法人税等の減少です。固定負債は10億8百万円と前期末比45百万円減少しています。
純資産の部
純資産の部は、323億71百万円と前期末比7億55百万円増加しました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上と配当の支払いによるものです。自己資本比率は89.9%と高水準を維持しています。
ROAとROE
燦ホールディングスのROA(総資産利益率)は7.2%、ROE(自己資本利益率)は6.5%となっています。前期と比べてROAは0.6ポイント、ROEは0.7ポイントそれぞれ減少しています。これは前述の通り、積極的な設備投資による先行費用の増加が影響しているためと考えられます。ただし、依然として高水準の収益性を維持しています。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローをみると、営業活動によるキャッシュ・フローが28億28百万円の収入となっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローが9億68百万円の支出となり、主に有形固定資産の取得に伴うものです。また、財務活動によるキャッシュ・フローは17億54百万円の支出となっており、主に配当金の支払いと自己株式の取得によるものです。
配当の支払額
燦ホールディングスは、株主への利益還元を重視しており、安定配当を行っています。当第3四半期では年間配当金46円(うち中間配当23円)を計上しています。これは前期実績と同水準で、業績に応じた適切な配当水準を維持しているといえます。
今後の展望
燦ホールディングスは2032年の創業100周年に向けて、「葬儀事業の拡大」と「ライフエンディングサポート事業の拡大」を掲げています。中期経営計画では3年間で31会館の新規出店を目指しており、M&Aによる成長も加速させていく方針です。さらに、2023年12月には首都圏大手の葬儀会社を子会社化するなど、積極的な事業展開が期待されます。
編集部のまとめ
燦ホールディングスの2023年度第3四半期決算は、売上高は増加したものの、先行投資による利益減となる内容でした。しかし、中長期的な成長に向けた施策を着実に進めており、今後の業績回復が期待できます。葬儀業界大手の動向に注目が集まる中、燦ホールディングスの更なる飛躍に期待が高まっています。
燦ホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
燦ホールディングスは3月31日決算の会社で、第3四半期決算は2023年12月31日時点のものです。配当については、年間46円(うち中間配当23円)の安定配当を行っており、業績に応じた適切な水準を維持しています。今後の事業拡大と業績向上に期待が寄せられています。