この度の株式会社ヤマダホールディングスの決算報告は、家電業界の中でも大手の同社が順調に業績を伸ばし続けていることがうかがえます。物価高や実質賃金低下による消費者の生活防衛意識の高まりなど厳しい環境下でも、店舗開発やEコマースの強化、SPA商品の開発など、同社の積極的な経営戦略が結実した結果と言えるでしょう。今後も同社のさらなる成長が期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社ヤマダホールディングス
証券コード: 98310
決算期: 2024年3月期
株式会社ヤマダホールディングスの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ヤマダホールディングスの決算期は3月期で、四半期決算は6月、9月、12月、3月の年4回行われています。今回の報告は2023年12月31日を期末とする第3四半期の決算となります。
主な事業
株式会社ヤマダホールディングスは、家電量販店「ヤマダ電機」を中心とした家電販売事業を中核としながら、住宅事業、金融事業、環境事業などを擁する大手総合小売業です。家電製品の販売はもちろん、自社開発のスマートハウスの販売やリフォーム、住宅ローン、廃家電の回収・リサイクルなど、「くらしまるごと」をキーワードにグループ一体となったサービスを展開しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が1兆1,710億61百万円と前年同期比0.5%減少しましたが、営業利益は387億51百万円と1.5%の減少にとどまりました。売上総利益率も1.4%上昇するなど、物価高や生活防衛意識の高まりの中でも、同社の経営基盤の強さが発揮されていることがわかります。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と営業利益の推移を見ると、売上高は1兆1,700億円前後で推移、営業利益は370億円前後を維持しており、安定した業績を上げ続けています。利益率も高く、同社の収益力の高さがうかがえます。今後も「くらしまるごと」戦略に基づいた事業展開を通じ、さらなる業績拡大が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は1兆3,744億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,032億31百万円増加しました。これは、戦略的な季節商品の仕入れに伴う商品及び製品の増加によるものです。
資産の部
流動資産は7,212億60百万円と大きく増加しており、主な要因は季節商品の仕入によって商品及び製品が増加したことです。一方、固定資産は6,531億52百万円とやや減少しています。
負債の部
負債合計は7,504億69百万円と、前期末に比べ910億64百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加や短期借入金の増加によるものです。
純資産の部
純資産は6,239億42百万円となり、前期末に比べ121億66百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上によるものです。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は3.1%、ROE(自己資本利益率)は4.3%と、安定した水準を維持しています。同社は商品力の強化や営業力の向上、経営の合理化など、様々な施策を展開することで高収益体質を実現しています。今後も効率的な経営を続けていくことで、更なる収益性の向上が期待できます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は現時点では開示されていませんが、これまでの推移を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが安定的に確保されており、財務体質の健全性が高いことがわかります。今後も設備投資や新規事業展開に必要なキャッシュを生み出し続けることが期待されます。
配当の支払額
当期の配当金は1株当たり12円と、前期に比べ減少しています。ただし、連結配当性向は45.2%と適切な水準を維持しており、株主の皆様への利益還元に努めています。今後も業績に応じた配当を行っていく方針のようです。
今後の展望
同社は「YAMADA HD 2025 中期経営計画」の2年目を迎え、店舗開発の積極的推進、Eコマースの強化推進、SPA商品の積極的開発」などに注力しています。また、「くらしまるごと」戦略のもと、家電からスマートハウス、金融サービスまで幅広い事業を展開することで、顧客ニーズに応え続ける姿勢が評価されています。今後も同社グループの更なる成長が期待できるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社ヤマダホールディングスは、家電量販店を中核とした総合小売業として、「くらしまるごと」をコンセプトに事業を展開しています。当期は物価高やコロナ禍の影響があったものの、積極的な店舗開発やECの強化、オリジナル商品の拡充など、同社の経営戦略が功を奏し、安定した業績を維持しています。今後も中期経営計画に沿って事業を推進し、収益力の向上と株主還元を図っていくものと期待されます。
株式会社ヤマダホールディングスの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ヤマダホールディングスの決算日は3月31日で、四半期決算は6月、9月、12月、3月の年4回行われています。当期の配当金は1株当たり12円で、連結配当性向は45.2%を維持するなど、株主還元にも取り組んでいます。今後もこうした安定した経営と成長を続けていくことが期待されます。