株式会社ワットマンの第3四半期決算報告書を見ると、主要3セグメントであるリユース事業、新品EC事業、その他の事業が順調に業績を伸ばしていることがわかりました。特にリユース事業では売上高が10.7%増加し、利益率も13.4%改善しており、需要の高まりを背景に堅調に推移しています。新品EC事業でも売上高が10.1%増加し、利益率も27.1%改善するなど、グループ全体で収益性が改善傾向にあります。
企業情報
企業名: 株式会社ワットマン
証券コード: 99270
決算期: 2024年3月31日
株式会社ワットマンの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ワットマンの決算は年4回行われ、第3四半期が2023年12月31日までとなっています。決算発表はおよそ2ヶ月後の2024年2月14日に行われる予定です。
主な事業
株式会社ワットマンの主な事業はリユース事業と新品EC事業です。リユース事業では中古品の買取・販売を行っており、国内2都県およびタイ王国にも展開しています。新品EC事業では自社ECサイトでホビー関連商品を中心に販売しています。近年はこれらのコア事業に加え、スピンオフ事業や海外事業の強化にも注力しており、グループ全体としての事業ポートフォリオが拡充されてきています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は売上高が58億円と前年同期比で8.1%の増収となりました。利益面では営業利益が4億47百万円と前年同期比で27.6%の増益を記録しました。主力のリユース事業と新品EC事業がともに伸長したことで粗利率が46.5%と改善傾向にあり、収益性の向上が図られています。
売上・利益の推移
ワットマングループの売上高は過去3年間で7,420億円→7,800億円と推移しており、堅調に拡大してきています。また、利益面では経常利益が355億円と3年前から22.4%増加するなど、高収益体質の構築が進んでいます。主力セグメントの収益性向上とともに、新規事業の立ち上がりにも期待がかかっています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は46億5百万円で、前期末から9,100万円減少しています。これは現金及び預金が減少した一方で、商品棚卸資産が1億73百万円増加したことが主な要因です。一方、負債合計は15億44百万円と前期末から2億65百万円の減少となり、純資産は30億60百万円で前期末から1億74百万円の増加となりました。
資産の部
当第3四半期末の流動資産は31億85百万円で、前期末から1億34百万円減少しています。これは商品棚卸資産が増加した一方で、現金及び預金、売掛金が減少したためです。固定資産は14億20百万円で、前期末から43百万円増加しています。
負債の部
当第3四半期末の流動負債は11億7百万円で、前期末から2億15百万円減少しました。これは主に買掛金、契約負債、未払法人税等が減少したことによるものです。固定負債は4億37百万円で、前期末から49百万円減少しています。
純資産の部
当第3四半期末の純資産は30億60百万円で、前期末から1億74百万円増加しています。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益が2億89百万円計上されたことによるものです。自己資本比率は66.1%となっており、健全な財務体質を維持しています。
ROAとROE
ワットマングループのROAは年率7.7%、ROEは年率10.9%となっています。ROAは資産効率の改善を示しており、ROEは株主資本の有効活用がなされているといえます。この2つの指標の向上が続いているため、企業の収益性と成長性が高まっていると評価できるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュフローは、営業活動により2億69百万円の現金が減少しましたが、投資活動によって4千2百万円の現金が増加しました。一方で、財務活動では1億52百万円の現金が減少しています。全体としては現金及び現金同等物が2億69百万円減少しました。事業活動に必要な投資を行いつつ、健全な財務体質を維持できている状況といえます。
配当の支払額
ワットマンは年2回の配当を実施しています。当第3四半期には1株当たり60円の配当を行いました。連結配当性向は45.4%となっています。株主の皆様への利益還元を重視しつつ、内部留保の充実にも取り組んでいる方針だと考えられます。
今後の展望
ワットマングループは、中期的な企業価値向上に向けて、前期から「基盤構築フェーズ」として既存事業の基盤強化に取り組んでおり、当期も順調に推移しています。また、新規事業開発にも注力しており、特に高成長が期待されるホビーサーチ事業の強化が今期の大きな目標となっています。引き続きオーガニック成長とインオーガニック成長の両面から、企業価値の向上を図っていくことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社ワットマンの第3四半期決算は、リユース事業、新品EC事業ともに好調な業績となりました。収益性の改善や財務体質の強化などが進み、中長期的な成長軌道に乗っていると言えるでしょう。今後も「基盤強化」と「新規事業開発」の両面から企業価値向上に取り組むことが期待されます。
株式会社ワットマンの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ワットマンの決算は年4回行われ、第3四半期の決算日は2023年12月31日までとなっています。次の決算発表は2024年2月14日の予定です。また、同社は年2回の配当を実施しており、当第3四半期には1株当たり60円の配当を行いました。連結配当性向は45.4%と、株主還元にも力を入れている様子がうかがえます。