今期の決算報告ではトラスコ中山株式会社の業績が好調に推移していることがわかりました。売上高は前年同期比で9.0%増加し、経常利益は27.5%、純利益は31.3%それぞれ増加しており、持続的な成長が見られます。
特に企業のサプライチェーン最適化を支援する「ニアワセ+ユーチョク」サービスが好評を得ており、環境配慮型の物流サービスとして大手企業から高い評価を受けています。
今後も同社の幅広い商品ラインナップとデジタル技術を活かしたサービスの提供により、企業の生産性向上と環境負荷軽減に貢献していくことが期待されます。
企業情報
企業名: トラスコ中山株式会社
証券コード: E02701
決算期: 12月
トラスコ中山株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
トラスコ中山株式会社の決算日は12月31日です。
決算の報告は翌年の5月10日に関東財務局長に提出されています。
主な事業
トラスコ中山株式会社は「がんばれ!! 日本のモノづくり」の企業メッセージのもと、製造業やネット通販企業向けに工具・生産管理用品・環境安全用品などの卸売事業を行っています。
全国に28か所の物流センターと29か所の在庫保有支店を設け、即納体制を構築するとともに、デジタル技術を活用した物流サービスの提供にも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第1四半期の業績は、売上高719億21百万円、営業利益49億97百万円、経常利益50億65百万円、純利益35億12百万円と、前年同期に比べて大幅な増収増益となりました。
特に経常利益と純利益は前年同期比で27.5%」「31.3%の増加と高い伸びを示しています。
販売価格の適正化や在庫管理の効率化などにより、売上総利益率も20.6%と改善されています。
売上・利益の推移
同社の直近3年間の業績推移を見ると、売上高」「経常利益」「純利益は年々増加傾向にあります。
特に経常利益は18,669百万円、純利益は12,268百万円と高水準を維持しており、安定した収益力を示しています。
この背景には、同社の商品ラインナップの拡充やデジタル技術を活用したサービスの拡大が寄与していると考えられます。
四半期連結貸借対照表について
当第1四半期末の連結貸借対照表を見ると、資産合計は2,491億85百万円と前期末から43億7百万円増加しました。
流動資産では売掛金30億3百万円増加、商品13億45百万円増加しています。
固定資産では建設仮勘定が44億40百万円増加しています。
一方、負債合計は861億58百万円と前期末から19億96百万円増加し、純資産は1,630億27百万円と23億11百万円の増加となっています。
資産の部
資産の部では、流動資産」が1,325億62百万円と前期末比4億54百万円増加しました。
主な増加要因は、売掛金が30億3百万円増加したことや、商品が13億45百万円増加したことなどです。
固定資産では、建設仮勘定が44億40百万円増加しましたが、建物が5億59百万円減少するなど、全体では4億47百万円増加の1,162億23百万円となっています。
負債の部
負債の部では、流動負債が517億46百万円と前期末比20億11百万円の増加、固定負債が344億11百万円と前期末比15百万円の増加となりました。
流動負債の主な増加は買掛金が36億74百万円増加したことです。一方、未払法人税等が28億25百万円減少しています。
純資産の部
純資産の部では、1,630億27百万円と前期末から23億11百万円増加しました。
増加の主な要因は、利益剰余金が35億12百万円増加したことです。
自己資本比率は65.4%と高水準を維持しており、財務体質の健全性が高いことがわかります。
ROAとROE
同社のROA(総資産利益率)は7.7%、ROE(自己資本利益率)は11.0%となっています。
これらの指標は前期に比べてそれぞれ0.8ポイント、0.9ポイント上昇しており、企業の収益性と資本効率が高まってきていることがわかります。
この背景には、売上高の増加や営業利益率の改善、効率的な資産運用などが寄与していると考えられます。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フローの状況は開示されていませんが、前期の状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは20,192百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローは12,437百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは4,803百万円の支出となっています。
営業活動からの収入が投資や財務活動の支出をカバーできる水準にあり、健全な財務構造を維持できていることが確認できます。
配当の支払額
トラスコ中山株式会社は、1株当たり年間配当金を23.50円としており、当第1四半期では1,549百万円の配当を実施しました。
この配当水準は、連結当期純利益の15%程度に相当しており、株主還元に努めていることがわかります。
今後も同水準の安定配当を維持していくことが期待されます。
今後の展望
トラスコ中山株式会社は、「業界『最速』『最短』『最良』の納品を実現できる企業」を目指して、さらなる成長を目指しています。
特に、デジタル技術を活用した物流サービス「ニアワセ+ユーチョク」の拡大や、即納体制の強化など、お客様の利便性向上と環境負荷の軽減に取り組んでいくことが重要になると考えられます。
また、新規事業の開拓や海外展開の強化などにも注力し、中長期的な企業価値向上につなげていくことが期待されます。
編集部のまとめ
今期のトラスコ中山株式会社の決算は、売上高」「利益」ともに前年同期比で大幅に増加しており、企業の収益力が着実に改善されていることがわかりました。
特に、経常利益が27.5%増、純利益が31.3%増と高い伸びを示したことは注目に値します。
同社は、商品ラインナップの拡充やサービスの強化に取り組み、お客様の課題解決に寄与しながら、持続的な成長を遂げてきました。
今後も、デジタル技術の活用による物流の効率化や海外展開の強化など、新たな取り組みを通じて、さらなる成長が期待できる企業だと評価できます。
トラスコ中山株式会社の決算日や配当についてまとめました。
トラスコ中山株式会社の決算日は12月31日で、決算報告は翌年の5月10日に提出されています。
また、1株当たりの年間配当金は23.50円で、当第1四半期では1,549百万円の配当を実施しました。
これらの決算スケジュールや配当動向から、同社は株主還元にも力を入れており、安定した経営基盤を築いていることがわかります。