YKT株式会社の2024年第1四半期決算は、中国経済の減速の影響で生産が停滞し、設備投資計画も先送りとなったため、売上高が大幅に減少しましたが、経営陣は冷静に受け止め、今後の事業展開に向けて対策を講じています。
決算内容を詳しく見ていきましょう。
企業情報
企業名: YKT株式会社
証券コード: E02932
決算期: 12月
YKT株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
YKT株式会社の決算日は12月31日です。
通常の決算スケジュールとしては、3月下旬に有価証券報告書の提出、5月中旬に第1四半期決算短信の発表、8月中旬に第2四半期決算短信の発表、11月中旬に第3四半期決算短信の発表、翌年3月下旬に有価証券報告書の提出という流れになります。
主な事業
YKT株式会社は、電子機器及び工作機械の製造・販売を主な事業としており、特に電子部品実装機や工具研削盤などの生産性向上に資する製品を多数手がけています。
また、光電子装置の製造・販売にも注力しており、光通信機器などの製品を提供しています。
これらの事業を通じて、主に電機・機械・自動車などの製造業顧客に製品やサービスを提供しています。
今期の業績と利益率は?
2024年第1四半期の業績は、売上高1,476百万円(前年同期比60.8%減)、営業損失138百万円(前年同期は営業利益249百万円)と大幅な減収減益となりました。
これは主に、中国経済の減速により、同社の主要販売先である電機・機械・自動車等の製造業において生産の停滞が見られ、設備投資計画も先送りとなったことが要因です。
一方で、損益面では売上総利益率は26.9%と前年同期の20.4%から上昇しており、コストコントロールに注力した結果です。
売上・利益の推移
YKT株式会社の過去3年間の売上高と経常利益の推移を見ると、2023年12月期は14,781百万円の売上高と455百万円の経常利益と、前年の大幅な減収減益から回復の兆しが見られました。
しかし、2024年第1四半期では中国経済の減速の影響を受け、売上高1,476百万円、経常損失138百万円となりました。
依然として、主力の電子機器及び工作機械事業が苦戦していることがわかります。
四半期連結貸借対照表について
2024年3月31日時点の総資産は141,598百万円と前期末比17,235百万円増加しました。
これは主に、現金及び預金が6,142百万円と大幅に増加したことや、商品が1,671百万円と増加したことなどが要因です。
一方、負債合計は62,259百万円と前期末比18,860百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金が1,265百万円、前受金が1,460百万円と増加したことが要因です。
純資産は79,339百万円と前期末比1,629百万円減少しましたが、自己資本比率は55.7%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
YKT株式会社のROA(総資産利益率)は、2023年12月期に3.7%となりました。一方、ROE(自己資本利益率)は5.7%と、ROAを上回る水準となっています。
これは、同社が借入金などの有利子負債を活用することで、投下資本に対する利益水準を高めているためです。
しかし、2024年第1四半期では経常損失計上により、ROAやROEは大きく悪化しているものと考えられます。
キャッシュフロー
2024年第1四半期のキャッシュフローを見ると、営業活動により13,715百万円の資金を得ているものの、投資活動により1,204百万円の資金を使用し、財務活動により3,063百万円の資金を得ています。
この結果、現金及び現金同等物は6,142百万円と、前期末に比べ1,371百万円増加しています。
同社は、生産性向上や新製品開発などの設備投資を継続しつつ、借入金による資金調達も活用していることがわかります。
配当の支払額
YKT株式会社は、2024年3月に1株当たり10円の期末配当を実施しました。
この配当金は、創業100周年記念配当5円を含むものとなっています。
同社は通常の配当に加えて、節目の年には株主還元を行うことで、株主への感謝の意を示しています。
今後の展望
YKT株式会社は、中国経済の減速による影響を受けている状況ですが、半導体設備投資の増加や個人消費の回復、円安による輸出関連企業の業績向上など、景気は緩やかな回復基調と捉えています。
今後は、主力の電子機器及び工作機械事業の再建に注力し、光電子装置事業でも新製品の投入など、積極的な事業展開を図っていく方針です。
同社は長期的な視点に立ち、経営基盤の強化と事業の再成長に向けて努力を続けていきます。
編集部のまとめ
YKT株式会社の2024年第1四半期決算は、中国経済減速の影響を大きく受け、減収減益となりました。
ただ、同社はコストコントロールに注力し、利益率は改善しています。また、現金預金が大幅に増加し、財務基盤は健全です。
今後の業績回復に向けて、主力事業の再建と新製品の投入など、様々な施策に期待が寄せられています。
YKT株式会社の決算日や配当についてまとめました。
YKT株式会社の決算日は12月31日です。通常の決算スケジュールに沿って、3月に有価証券報告書、5月に第1四半期決算短信などを発表しています。
配当については、2024年3月に1株当たり10円の期末配当を行いました。このうち5円は創業100周年記念配当となっています。
同社は、株主還元に積極的に取り組んでおり、今後の業績回復に期待が高まっています。