最近公開された株式会社物語コーポレーションの決算報告書から、同社の業績や今後の展望について御紹介します。物語コーポレーションは、『焼肉きんぐ』や『丸源ラーメン』などの人気外食チェーンを運営する企業です。この決算報告では、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、順調に業績が回復している様子がうかがえます。
企業情報
企業名: 株式会社物語コーポレーション
証券コード: 3528
決算期: 2024年6月期
株式会社物語コーポレーションの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社物語コーポレーションの決算日は6月30日で、第3四半期の決算は2024年3月31日に行われました。同社は年2回の本決算(中間決算・期末決算)に加え、第1~第3四半期の四半期決算も行っています。
主な事業
株式会社物語コーポレーションは、焼肉やラーメン、お好み焼き、寿司・しゃぶしゃぶなどの外食産業を中心に事業を展開しています。国内外に多数の店舗を構え、ブランド力の強化やサービスの向上に取り組んでいます。特に焼肉の『焼肉きんぐ』や、ラーメンの『丸源ラーメン』が同社の主力事業となっています。
今期の業績と利益率は?
2024年3月期第3四半期の業績は、売上高が806億円と前年同期に比べ17.8%の大幅増加となり、経常利益は70億円と25.3%の増益となりました。売上高の伸びと経費の効率的な管理により、営業利益率は8.5%と高水準を維持しています。
売上・利益の推移
2020年以降の3年間の売上高・利益の推移をみると、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、徐々に回復傾向にあることが分かります。2022年6月期には売上高が922億円と過去最高を記録し、経常利益も72億円と高水準を維持しています。今期の決算も引き続き好調で、売上高と利益ともに増加基調が続いています。
四半期連結貸借対照表について
2024年3月末時点の四半期連結貸借対照表をみると、資産合計が603億円となっています。負債合計は322億円で、純資産は281億円と順調に積み上がっています。自己資本比率は45.8%と健全な水準を維持しており、財務基盤が強化されていることがわかります。
資産の部
当第3四半期末の資産合計は603億円で、前期末比103億円の増加となっています。この主な要因は、現金及び預金が44億円増加したほか、有形固定資産が34億円増加したことによるものです。店舗の積極的な出店に伴う設備投資が進んでいることがうかがえます。
負債の部
負債合計は322億円で、前期末比72億円の増加となりました。これは主に長期借入金が52億円、買掛金が13億円それぞれ増加したことによるものです。店舗の新規出店や設備投資に伴い、有利子負債が増加しています。
純資産の部
純資産合計は281億円で、前期末比31億円の増加となりました。これは主に利益剰余金が31億円増加したことによるものです。順調な業績により内部留保が積み上がり、財務体質の強化が進んでいます。
ROAとROE
物語コーポレーションのROA(総資産利益率)は11.6%、ROE(自己資本利益率)は15.4%と、ともに高水準を維持しています。これは同社の店舗展開や運営の効率性が高いことを示しており、収益力の高さが特徴といえます。今後も積極的な店舗出店と収益性の改善により、ROAとROEの向上が期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期累計期間のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは75億円の収入となっています。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは45億円の支出で、店舗の新設や改装などの設備投資に充てられています。財務活動によるキャッシュ・フローは5億円の支出となっており、全体として現金及び現金同等物は44億円増加しています。財務の健全性が維持されつつ、積極的な設備投資も行われていることがうかがえます。
配当の支払額
株式会社物語コーポレーションは、株主への利益還元を重視しており、2023年9月期及び2024年3月期の年間配当金は1株当たり30円を予定しています。業績の好調さを背景に、安定的な配当を実現しています。株主の皆様にとって魅力的な銘柄といえるでしょう。
今後の展望
物語コーポレーションは、中期経営計画「ビジョン2025」の実現に向けて、店舗ネットワークの拡大や既存店の活性化、サービス品質の向上などに取り組んでいます。今後も国内外での出店加速や、店舗運営の効率化やデジタル化などを推進し、さらなる成長を目指します。人材育成や働き方改革、ダイバーシティの推進など、企業価値向上にも注力しています。
編集部のまとめ
株式会社物語コーポレーションは、人気の外食ブランドを展開し、コロナ禍からの業績回復を遂げつつあります。安定的な収益基盤と健全な財務体質を有しており、今後の更なる成長が期待できる企業といえるでしょう。株主還元の面でも魅力があり、投資家の関心も高まるとみられます。外食産業のリーディングカンパニーとして、さらなる飛躍に期待が寄せられています。
株式会社物語コーポレーションの決算日や配当についてまとめました。
株式会社物語コーポレーションは、6月30日が決算日で、年2回の本決算(中間・期末)に加え、四半期決算も行っています。また、2023年9月期及び2024年3月期の年間配当金は1株当たり30円を予定しており、安定的な配当政策を実施しています。今後も持続的な成長と株主還元に期待が寄せられる企業といえるでしょう。