アトムリビンテック株式会社の2023年3月期第3四半期決算について、企業の業績や経営動向がよくわかった内容をお届けします。売上高7,744百万円、経常利益313百万円と堅調に推移しています。内装金物などの住宅関連商品を幅広く手がける同社は、市場環境の変化に対応しつつ、柔軟な商品開発力と販路拡大に努めています。今後も創業以来培ってきた技術力と顧客基盤を活かし、さらなる成長を目指していくと期待されます。
企業情報
企業名: アトムリビンテック株式会社
証券コード: 34260
決算期: 6月
アトムリビンテック株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
アトムリビンテック株式会社の決算日は6月30日です。上場企業として、3月31日を第3四半期の期末としている4月~6月の決算を行っています。
主な事業
アトムリビンテック株式会社は、折戸・引戸金物、開戸金物、引出・収納金物、取手・引手、附帯金物などの住宅用内装金物を製造・販売しています。創業以来培ってきた技術力と豊富な商品ラインナップを武器に、住宅メーカーやリフォーム業者などに幅広く商品を提供しています。国内市場での地位を確立しつつ、海外市場への展開にも積極的に取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
2023年3月期第3四半期の業績は、売上高7,744百万円、営業利益285百万円、経常利益313百万円、四半期純利益217百万円となっています。売上高は前年同期比1.8%減少しましたが、収益性は改善しており、経常利益率は4.0%となっています。経費の適切な管理と、独自の製品開発力を活かした収益力の向上が業績に寄与したと言えるでしょう。
売上・利益の推移
アトムリビンテックの直近3年間の業績推移を見ると、売上高は10,415百万円(2022年6月期)、7,744百万円(2023年3月期第3四半期)となっています。利益面では、経常利益は346百万円(2022年6月期)、313百万円(2023年3月期第3四半期)と推移しています。足元では新型コロナの影響が和らぐ中、販売の回復が見られるものの、資材価格高騰などの影響もあり、経営環境は依然として厳しい状況にあります。
四半期連結貸借対照表について
2023年3月末時点の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は13,404百万円となっています。前事業年度末比524百万円の増加となっています。主な要因としては、現金及び預金が161百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が57百万円、電子記録債権が97百万円、有価証券(譲渡性預金)が400百万円、商品が137百万円増加したことが挙げられます。
資産の部
資産合計の13,404百万円のうち、流動資産は8,436百万円、固定資産は4,968百万円となっています。流動資産は主に現金及び預金、売上債権、商品で構成されており、固定資産は主に有形固定資産、投資有価証券となっています。資産全体としては、前事業年度末から堅調に増加しています。
負債の部
負債合計は3,274百万円で、前事業年度末比441百万円の増加となっています。主な増加要因は、支払手形及び買掛金が45百万円、電子記録債務が231百万円、未払法人税等が89百万円増加したことによるものです。金利上昇などによる資金調達コストの影響は限定的と考えられます。
純資産の部
純資産は10,130百万円で、前事業年度末比83百万円の増加となっています。主な要因は、四半期純利益217百万円の計上により利益剰余金が増加したものの、配当金支払139百万円により相殺されたためです。自己資本比率は75.6%と高水準を維持しています。
ROAとROE
アトムリビンテック株式会社のROA(総資産利益率)は2.6%、ROE(自己資本利益率)は2.2%となっています。前年同期と比べROAは低下傾向にありますが、依然として一定水準を確保しています。ROEも2%台後半の水準を維持しており、財務の健全性と収益性のバランスが取れている状況にあると言えるでしょう。今後は売上拡大と収益性の向上により、さらなる指標の改善が期待されます。
キャッシュフロー
アトムリビンテックの直近の四半期連結キャッシュ・フロー計算書によると、営業活動によるキャッシュ・フローは223百万円の収入となっています。主な内訳は、税引前四半期純利益313百万円や売上債権の増加、法人税等の支払などです。投資活動によるキャッシュ・フローは460百万円の支出で、有価証券の取得が主な内容となっています。財務活動によるキャッシュ・フローは139百万円の支出で、配当金支払が主な支出要因です。全体としては、現金及び現金同等物が161百万円減少し、3月末時点の残高は1,342百万円となっています。
配当の支払額
アトムリビンテックは、株主への利益還元を重視しており、毎期配当を実施しています。2023年3月期第3四半期では、1株当たり17.50円(うち特別配当2.50円を含む)の中間配当を実施しました。前期(2022年6月期)は、1株当たり34.00円(うち特別配当1.00円を含む)の配当を支払っています。安定した収益基盤に支えられ、株主還元に積極的な企業姿勢が窺えます。
今後の展望
アトムリビンテックは、「伝統を活かし、変革に挑む」をスローガンに、中長期的な成長に向けた取り組みを推進しています。国内外での販路拡大やオンラインを活用した新たな顧客接点の強化、収益性の高い自社ブランド商品の拡充などに注力しています。木質建材や省エネ関連など、住宅関連市場の変化に合わせた新商品開発力の強化も重要な課題と位置づけています。今後も、企業体質の強化と持続的な成長を目指していくと期待されます。
編集部のまとめ
アトムリビンテック株式会社は、住宅用内装金物の製造・販売を主力事業としている企業です。創業以来の伝統と培ってきた技術力を活かし、市場ニーズに合わせた新商品の投入や販路拡大に努めています。2023年3月期第3四半期の業績は、売上高は前年同期比1.8%減となりましたが、収益性の改善により経常利益率は4.0%と堅調に推移しています。自己資本比率も75.6%と高水準を維持しており、財務基盤は健全です。今後も変化する市場環境に柔軟に対応し、持続的な成長と株主還元に取り組んでいくことが期待されます。
アトムリビンテック株式会社の決算日や配当についてまとめました。
アトムリビンテック株式会社の決算日は6月30日で、3月31日を第3四半期の期末としています。2023年3月期第3四半期の業績は、売上高7,744百万円、経常利益313百万円と堅調に推移しました。配当については、1株当たり17.50円(うち特別配当2.50円)の中間配当を実施しています。創業120周年を機にした特別配当も行われており、株主還元にも積極的な姿勢が窺えます。