伏木海陸運送株式会社の決算報告を見てみましょう。2024年3月期の第3四半期決算では、売上高97億円、営業利益6億円と前年同期に比べ減収減益となっています。しかし、個人消費回復に伴う旅行業の売上増加や、不動産事業の好調さなども見られました。財務状況も順調で、総資産230億円、自己資本比率47.6%と健全性が維持されています。今後は、港湾事業の回復と新事業分野の伸びに期待がかかりますね。
企業情報
企業名: 伏木海陸運送株式会社
証券コード: 93610
決算期: 2024年6月期
伏木海陸運送株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
伏木海陸運送株式会社の決算日は6月30日で、4四半期決算を行っています。第3四半期決算の今回の四半期報告書は、2024年3月31日時点の業績を反映したものとなります。
主な事業
伏木海陸運送株式会社は、港運事業を中心に、不動産事業、繊維製品製造事業、旅行業など、多角的な事業を展開しています。富山県高岡市に本社を置き、日本海側の重要港湾・伏木港における物流拠点としての役割を果たしています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、売上高97億円、営業利益6億円、親会社株主に帰属する四半期純利益3億円となりました。売上高は前年同期から0.3%の減収、営業利益は40.5%の減益と苦戦が続きました。利益率も前年同期の10.7%から6.4%に低下しています。
売上・利益の推移
直近3年間の業績推移を見ると、売上高は2022年6月期の130億円から、2023年6月期は117億円と減少傾向にあります。一方で、利益面では2022年6月期の10億円から、2023年6月期は6億円と減益基調にあります。2024年6月期第3四半期では、売上高、営業利益ともに前年同期から減少しており、厳しい経営環境が続いていることがわかります。
四半期連結貸借対照表について
2024年3月末時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は230億円と前期末比681million円増加しています。その内訳は、流動資産が118million円減少しましたが、固定資産が799million円増加したためです。
資産の部
流動資産は、現金及び預金22億円、受取手形・売掛金20億円などで構成されています。固定資産は、有形固定資産134億円、投資有資証券26億円が主な内訳となっています。
負債の部
負債合計は109億円で、そのうち流動負債が40億円、固定負債が68億円となっています。借入金が41億円あり、財務の健全性が維持されています。
純資産の部
純資産は121億円と、前期末比4.5億円増加しました。自己資本比率は47.6%と健全な水準を保っています。利益剰余金の積み上げにより、財務体質が強化されています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は、2022年6月期の4.7%から2023年6月期は2.8%に低下しています。これは営業利益率の悪化が影響しています。
一方、ROE(自己資本利益率)は、2022年6月期の5.5%から2023年6月期は5.3%と、ほぼ横ばいで推移しています。自己資本比率が高く、財務の健全性が高いことが支えとなっています。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュフローは公表されていませんが、前年同期は営業CF10億円、投資CF-7億円、財務CF-5億円と推移していました。営業活動により得られたキャッシュを、有形固定資産の取得や借入金の返済に充当しているようです。
配当の支払額
伏木海陸運送は、連結配当性向を30%程度を目安に配当を実施しています。2023年6月期は1株当たり60円の年間配当を行いました。2024年6月期の中間配当は1株当たり20円で、通期の配当予想は1株当たり60円を見込んでいます。
今後の展望
今後の経営課題は、港運事業の収益力回復と、不動産・旅行などの新事業分野の育成です。
ロシア向け輸出の落ち込みなどにより、港運事業が苦戦していますが、景気回復に伴う取扱貨物の増加に期待がかかっています。
一方で、不動産分野や旅行業の好調が業績を下支えしており、これらの新事業の更なる伸長が期待されます。
編集部のまとめ
伏木海陸運送は、港湾事業を中心に多角的な事業を展開する老舗企業です。直近の業績は減収減益となりましたが、財務体質は健全に維持されています。今後は、主力の港湾事業の回復と、新事業分野の伸長に期待がかかっています。安定配当も継続されており、業績の回復に期待がかかる企業といえるでしょう。
伏木海陸運送株式会社の決算日や配当についてまとめました。
伏木海陸運送の決算日は6月30日で、年4回の四半期決算を行っています。直近では2024年3月期第3四半期の決算を発表しました。配当については、連結配当性向30%程度を目安に、年間60円の配当を実施する予定です。企業としては、主力の港運事業回復と、不動産や旅行など新分野の伸長に期待がかかる企業といえます。