株式会社 構造計画研究所の2023年7月期から2024年6月期第3四半期決算報告書が公開されました。この企業は「構造解析」を専門に手がける老舗のコンサルティング企業です。近年、クラウド型の製品サービスの伸長も注目されます。
企業情報
企業名: 株式会社 構造計画研究所
証券コード: 47480
決算期: 2024年6月期
株式会社 構造計画研究所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社 構造計画研究所の決算期は6月末です。多くの顧客が決算期を迎える3月末から6月末にかけて、成果品の引き渡しが集中するため、第4四半期の売上と利益の計上が大きくなる傾向にあります。
主な事業
株式会社 構造計画研究所は、建築・土木分野のエンジニアリングコンサルティングと、グループ会社のプロダクツサービスを主要な事業として展開しています。エンジニアリングコンサルティングでは、建物の構造設計や免震・制震設計、橋梁の設計など、幅広いエンジニアリングサービスを提供しています。また、クラウド型の入退室管理システム「RemoteLOCK」などのプロダクツサービスも強化を図っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間の 売上高は124億円、営業利益は9億円と、前年同期比で大幅に増加しました。売上総利益率は47.7%と高水準を維持しており、同社の高い技術力と品質管理力が業績を支えています。エンジニアリングコンサルティング事業の好調な進捗に加え、クラウドサービスが好調に推移したことが、増収増益につながりました。
売上・利益の推移
同社は、毎年3月末から6月末にかけての第4四半期に成果品の引き渡しが集中するため、上期は利益を伴わない原価回収基準の売上割合が高く、下期に完成基準の売上が集中する傾向にあります。当第3四半期までの業績は好調に推移しており、期初の通期業績予想の達成に向けて、第4四半期も高い品質への意識のもと、着実な案件遂行が期待されています。
四半期連結貸借対照表について
同社は四半期連結財務諸表を作成していませんが、四半期貸借対照表から財務状況を確認することができます。
資産の部
当第3四半期会計期間末の 資産合計は201億円と、前事業年度末から約18億円増加しました。流動資産は前事業年度末比で16.7%増加し、81億円となっています。これは主に受取手形・売掛金及び契約資産が12億円、前払費用が1億円増加したことによるものです。また、固定資産は前事業年度末比で5.7%増加し、120億円となりました。
負債の部
負債合計は107億円と、前事業年度末から約17億円増加しました。流動負債は6.6%増加の61億円、固定負債は41.8%増加の47億円となっています。短期借入金が11億円、長期借入金が12億円それぞれ増加しました。
純資産の部
純資産合計は93億円と、前事業年度末から0.5%増加しました。利益剰余金は46百万円減少しましたが、自己株式が96百万円減少したことが主な要因です。
ROAとROE
同社の ROA(総資産利益率)は4.0%、ROE(自己資本利益率)は7.7%となっています。ROAは前年同期から0.8ポイント上昇し、ROEも1.2ポイント上昇しているなど、資産効率と収益性が改善傾向にあります。これは、売上高の増加と利益率の向上によるものと考えられます。
キャッシュフロー
同社の四半期キャッシュ・フロー計算書は開示されていませんが、前事業年度の有価証券報告書によると、営業活動によるキャッシュ・フローは17億円のプラスを確保しています。投資活動によるキャッシュ・フローは7億円のマイナスで、設備投資など成長投資に充てられているようです。財務活動によるキャッシュ・フローは5億円のプラスで、借入金の調達などが行われています。
配当の支払額
同社は、株主への利益還元を重視しており、年間配当金は140円を計画しています。第3四半期までの配当金総額は約764百万円で、第4四半期にも同程度の配当が見込まれます。同社は、株主還元と内部留保のバランスを取りながら、持続的な成長に向けた投資にも取り組む方針です。
今後の展望
同社は、「21世紀の日本を代表する『知識集約型企業』をありたい姿」として掲げており、ソート(Thought)「Innovating for a Wise Future」の実現に向けて経営を推進しています。既存事業の再成長や新たな体制構築に向けた地固めを加速し、2056年の創業100周年に向けた持続的成長を目指しています。建築・土木分野での総合エンジニアリング力と、クラウド型製品サービスの強化を通じて、中長期的な企業価値向上に取り組んでいくことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社 構造計画研究所は、建築・土木分野でのエンジニアリング力と、クラウド型製品サービスの強化により、高い収益性を維持しています。直近の決算では、売上高、営業利益ともに大幅に増加し、収益性の向上も見られました。今後も既存事業の再成長と新しい体制づくりに注力し、2056年の創業100周年を見据えた持続的な企業価値向上を目指していくことが期待されます。
株式会社 構造計画研究所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社 構造計画研究所の決算期は6月末で、第4四半期の売上と利益計上が大きくなる傾向にあります。年間配当金は140円を計画しており、株主への利益還元を重視しています。今後も建築・土木分野のエンジニアリング力と、クラウドサービスの強化で、中長期的な企業価値の向上が期待されます。