日本電気硝子株式会社の2024年1月~3月期の決算報告がありました。この企業は「ガラス事業」が主力で、ディスプレイや半導体などの電子・情報分野や自動車部品など機能材料分野で事業を展開しています。今期の業績は前年同期比12.9%増の売上高となり、利益面でも大幅な改善が見られました。
企業情報
企業名: 日本電気硝子株式会社
証券コード: 52140
決算期: 2024年3月期
日本電気硝子株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本電気硝子株式会社の決算日は12月31日で、各年度の3月に決算発表を行っています。今回の四半期報告書は、2024年1月1日から3月31日までの業績を報告したものです。
主な事業
日本電気硝子株式会社は、ガラス製品を中心に事業を展開しています。ディスプレイ向けガラス基板、半導体封止用ガラス、自動車部品向け高機能樹脂、建築用ガラスなど、幅広い分野でガラスの特性を活かした製品を提供しています。電子・情報分野と機能材料分野が主要な事業領域となっています。
今期の業績と利益率は?
当第1四半期の業績は、売上高が766億56百万円と前年同期比12.9%増となりました。利益面でも、営業利益が7億65百万円と黒字に転換し、経常利益は46億27百万円と大幅に改善しました。これは、ディスプレイ事業の回復やスマートフォン向け半導体用ガラスなどの需要が好調だったことが主な要因です。
売上・利益の推移
直近の2023年度通期では、売上高は2,799億74百万円、経常利益は-94億80百万円の損失計上となりました。前年度までは経常黒字を維持していましたが、2023年度は原材料価格高騰と需要減退の影響を受け大幅な減益となりました。しかし、今期第1四半期には収益が急回復しており、通期での業績回復が期待される状況です。
四半期連結貸借対照表について
当第1四半期末の総資産は7,298億45百万円と、前期末比259億28百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金の増加、売上債権の増加などです。負債合計は2,216億3百万円と78億16百万円増加しましたが、純資産は5,082億42百万円と181億11百万円増加し、自己資本比率は69.2%を維持しています。
資産の部
流動資産は2,772億43百万円と前期末比241億39百万円増加しました。現金及び預金、受取手形・売掛金の増加などが主な要因です。固定資産は4,526億1百万円と前期末比179億89百万円増加しており、有形・無形固定資産の投資が進んでいます。
負債の部
流動負債は1,349億70百万円と前期末比259億27百万円増加しました。短期借入金の増加や未払法人税等の増加などが主な要因です。固定負債は866億33百万円と前期末比181億10百万円減少しています。
純資産の部
株主資本は4,505億79百万円と前期末比61億72百万円増加しました。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加しています。その他の包括利益累計額も116億23百万円増加しています。
ROAとROE
当第1四半期のROAは9.2%、ROEは15.0%となりました。前期のROAが-3.3%、ROEが-5.3%だったことから大幅な改善が見られます。この背景には、売上回復と収益性の改善があります。今後も業績の向上とともに、資産効率の改善が期待されます。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュフローの状況については、四半期連結キャッシュフロー計算書が開示されていません。しかし、四半期貸借対照表の数値から、現金及び預金が231億2百万円増加したことがわかります。この背景には、売上の回復と固定資産や有価証券の売却などによる収入の増加があると考えられます。
配当の支払額
2024年3月期の期末配当金は、1株当たり60円を予定しています。前期の年間配当金も同額の120円でしたので、安定的な配当政策が続いています。配当性向は、業績の回復とともに20%台にまで高まる見込みです。
今後の展望
日本電気硝子は、半導体向けガラスや自動車用の高機能樹脂などの需要が続く一方で、ディスプレイ向けガラスの市況回復にも期待しています。中長期的には、新しい材料開発やプロセス技術の向上を通じて、ガラスの可能性を引き出し、 社会のニーズに応える製品を提供していくことが重要な課題だと考えられます。
編集部のまとめ
日本電気硝子は、ガラスを主力とした事業展開から安定した業績を上げている企業です。今期は原材料高騰の影響もありましたが、半導体やディスプレイ向けの需要回復によって業績を大幅に改善することができました。今後も注目の企業といえるでしょう。
日本電気硝子株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本電気硝子は12月31日決算で、翌年3月に決算を発表しています。配当金は1株当たり年間60円と安定的な水準を維持しており、業績に応じて配当性向も高まってきています。今後の材料開発や新製品投入にも期待が高まっています。