株式会社スプリックスの2023年10月1日から2024年3月31日までの第2四半期決算報告を分析しました。売上高は16,057百万円と前年同期比5.5%増加し、営業利益は990百万円と44.7%の大幅増益となりました。学習塾事業の順調な推移や新規事業の育成が業績に寄与しています。
企業情報
企業名: 株式会社スプリックス
証券コード: E34053
決算期: 9月30日
株式会社スプリックスの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社スプリックスの決算日は9月30日です。決算短信の提出期限は11月中旬、定時株主総会は12月中旬に開催されます。
主な事業
株式会社スプリックスは、個別指導方式の学習塾「森塾」と集団指導方式の学習塾「湘南ゼミナール」の運営を中核事業としています。2024年3月末時点で221教室、40,389人の生徒を擁する国内有数の学習塾グループです。また、「河合塾マナビス」などの教育関連サービスや、AIタブレット学習「SPRIX LEARNING」などの新規事業にも注力しています。
今期の業績と利益率は?
当第2四半期連結累計期間の売上高は16,057百万円、営業利益は990百万円と大幅な増収増益を達成しました。特に、中核事業の「森塾」が好調でセグメント利益は2,236百万円と39.4%の大幅増益となりました。収益性も高く、EBITDA(営業利益+減価償却費等)は1,596百万円と25.8%の増加となりました。
売上・利益の推移
過去3年の売上高推移は以下の通りです。2022年9月期は30,363百万円、当第2四半期連結累計期間は16,057百万円と順調に増加しています。利益面でも、2022年9月期の経常利益は1,319百万円、当第2四半期連結累計期間は1,017百万円と高水準を維持しています。教育サービス需要の高まりを背景に、両事業が堅調に推移していると評価できます。
四半期連結貸借対照表について
当第2四半期末の総資産は20,698百万円と前期末比554百万円増加しました。主な要因は投資有価証券の増加や売掛金の増加です。負債は10,714百万円と276百万円増加し、純資産は9,984百万円と277百万円増加しました。自己資本比率は48.0%と高水準を維持しています。
資産の部
流動資産は9,932百万円と微増しました。一方、固定資産は10,765百万円と増加しています。有形固定資産や投資有価証券が増加したことが主因です。
負債の部
流動負債は8,872百万円と増加しましたが、固定負債は1,841百万円と減少しています。未払金の増加などが主な要因です。
純資産の部
株主資本は9,938百万円と増加しました。利益剰余金の積み上げなどにより、自己資本比率は48.0%を維持しています。
ROAとROE
株式会社スプリックスのROA(総資産経常利益率)は5.0%、ROE(自己資本当期純利益率)は5.9%となっています。教育業界平均と比べて高水準の収益性を誇っており、経営の安定性が高いと評価できます。今後も新規事業の育成や既存事業の収益力向上などにより、さらなる収益性の向上が期待されます。
キャッシュフロー
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは1,765百万円の収入となりました。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは1,326百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは317百万円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の四半期末残高は6,128百万円となっています。
配当の支払額
株式会社スプリックスは、2024年3月31日を基準日として1株当たり19円の配当を実施する予定です。前期の年間配当金は38円で、今期も高水準の配当を維持できる見込みです。株主重視の経営姿勢が窺えます。
今後の展望
株式会社スプリックスは、教育サービスの需要拡大に伴う成長フェーズにあると考えられます。既存事業の収益力強化に加え、新規事業の育成にも注力しています。特に、AIを活用した学習支援サービス「SPRIX LEARNING」などは今後の収益源として期待されます。中長期的には、教育の高度化・デジタル化に合わせたサービス拡充により、さらなる飛躍が見込めるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社スプリックスは、国内有数の学習塾グループとして順調に業績を拡大しています。中核事業の「森塾」と「湘南ゼミナール」が好調で、売上高、営業利益ともに前年同期を大幅に上回りました。また、新規事業の育成にも積極的に取り組んでおり、今後の成長が期待されます。健全な財務体質を維持しつつ、高水準の配当も実施しており、株主重視の経営姿勢が評価できます。
株式会社スプリックスの決算日や配当についてまとめました。
株式会社スプリックスの決算日は9月30日で、2024年5月には第2四半期決算を発表しました。また、同社は2024年6月に1株当たり19円の配当を支払う予定で、株主還元にも力を入れています。中核事業の順調な推移と新規事業の強化により、今後の更なる成長が期待されます。