株式会社ニチリンの決算報告をご紹介します。ニチリンは国内大手の自動車部品メーカーで、主に自動車用ホースの製造・販売を行っています。今回の四半期決算では、売上高が前年同期比6.9%増加の18,270百万円、営業利益が10.0%増加の2,564百万円と好調な業績を収めることができました。
企業情報
企業名: 株式会社ニチリン
証券コード: 51840
決算期: 12月期
株式会社ニチリンの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ニチリンの決算日は12月31日です。四半期決算の1回目は3月31日に行い、有価証券報告書の提出期限は3月期末より2ヶ月以内の5月14日となっています。
主な事業
株式会社ニチリンは、主に自動車用ホースの製造・販売を行う国内大手の自動車部品メーカーです。自動車用ホースは、エンジンやブレーキ、冷却システムなどの部品に使用される重要な部品で、ニチリンはこの分野で高い技術力と品質を誇っています。近年では環境対応車向けの新製品開発にも注力しており、ハイブリッド車やEV車用のホースなども手掛けています。
今期の業績と利益率は?
今期の第1四半期連結累計期間の業績は、売上高が18,270百万円、営業利益が2,564百万円と前年同期に比べ大幅に増加しました。売上高は6.9%、営業利益は10.0%の増加となっており、営業利益率も14.0%と高水準を維持しています。これは、海外での販売が好調だったことに加え、円安の影響による輸出の増加などが寄与しているものと考えられます。
売上・利益の推移
ニチリンの直近の売上高・利益の推移を見ると、売上高は2023年度第1四半期が17,083百万円から2024年度第1四半期は18,270百万円へと大幅に増加しています。一方で、営業利益は2,330百万円から2,564百万円へ、経常利益は2,473百万円から3,220百万円へと大幅な増益となりました。このように、ニチリンは安定した収益基盤を築いており、着実に業績を伸ばしていると評価できます。
四半期連結貸借対照表について
ニチリンの四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計が80,677百万円と前期末から2,741百万円増加しています。これは主に、現金及び預金の増加や有形固定資産の増加によるものです。一方、負債合計は19,450百万円と前期末から138百万円減少しており、純資産は61,226百万円と前期末から2,879百万円増加しています。この結果、自己資本比率は66.4%となり、財務体質は引き続き健全に推移しています。
資産の部
ニチリンの資産は50,139百万円の流動資産と30,538百万円の固定資産で構成されています。流動資産では現金及び預金の増加や棚卸資産の増加が主な変動要因です。固定資産では有形固定資産の増加が主な要因となっています。
負債の部
負債合計は19,450百万円で、主な内訳は買掛金、電子記録債務、長期借入金などとなっています。前期末と比べて251百万円減少しており、着実に財務体質の改善が進んでいます。
純資産の部
純資産は61,226百万円となっており、前期末から2,879百万円増加しています。これは主に、利益剰余金の増加や為替換算調整勘定の増加によるものです。自己資本比率は66.4%と高水準を維持しており、財務基盤は安定しています。
ROAとROE
ニチリンのROA(総資産利益率)は前年同期の3.3%から4.0%へ上昇しています。これは売上高と利益が増加したことにより、資産の効率的な活用ができたためと考えられます。一方、ROE(自己資本利益率)は前年同期の3.5%から5.2%へと大幅に上昇しました。これは純利益が増加し、自己資本も着実に積み上がっていることが要因です。ニチリンは収益力の向上と財務体質の強化を両立させており、企業価値の向上に取り組んでいると評価できます。
キャッシュフロー
ニチリンの四半期連結キャッシュ・フロー計算書を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期の2,058百万円から2,396百万円へ増加しています。これは税金等調整前四半期純利益の増加や、たな卸資産の増加などによるものです。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは前年同期の△1,339百万円から△1,492百万円と支出が増加しています。これは有形固定資産の取得による支出の増加が主な要因です。結果として、当第1四半期の現金及び現金同等物の期末残高は21,366百万円となっています。ニチリンは安定した営業キャッシュ・フローの創出に成功しており、設備投資にも積極的に取り組んでいる様子がうかがえます。
配当の支払額
ニチリンの配当については、2024年3月期第1四半期の1株当たり配当金は98円となっています。これは前年同期の52円から大幅に増加しており、株主還元の強化に積極的に取り組んでいることがわかります。今後も安定した業績と配当の継続が期待できるでしょう。
今後の展望
ニチリンは自動車業界における環境対応車への対応強化に注力しており、ハイブリッド車やEV車向けの新製品開発を進めています。また、海外市場での事業拡大にも力を入れており、特に北米や中国、アジア地域での販売増加が期待されます。一方で、原材料価格の高騰や金融政策の変更による影響など、先行きは不透明な状況にあります。しかし、ニチリンは技術力と提案力を武器に、市場ニーズに的確に対応していくことで、引き続き安定した業績を維持できると考えられます。
編集部のまとめ
株式会社ニチリンの2024年3月期第1四半期決算では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益が前年同期を大幅に上回る好調な結果となりました。また、財務体質も引き続き健全に推移しており、ROAやROEも改善しています。今後も海外市場での事業拡大や環境対応車への対応強化を進めながら、安定した収益基盤を維持することが期待されます。ニチリンは自動車部品メーカーとして、今後も着実な業績拡大が見込めそうです。
株式会社ニチリンの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ニチリンの決算期は12月期で、四半期決算は3月31日、有価証券報告書の提出期限は5月14日となっています。配当については、2024年3月期第1四半期の1株当たり配当金は98円と、前年同期の52円から大幅に増加しており、株主還元の強化に取り組んでいることがわかります。今後も安定した業績と配当の継続が期待できそうです。