株式会社EduLabの2024年3月期第2四半期の決算報告が公開されました。教育テクノロジー分野で注目を集めるこの企業は、サービスの選択と集中や固定費の削減など経営改革に取り組み、着実に業績も改善しています。今回の決算では、売上高の減少はありましたが、経常損失を前年同期から大幅に縮小させるなど、収益性の向上が見られました。今後も新たな事業展開を通じて企業価値の向上を目指していくことでしょう。
企業情報
企業名: 株式会社EduLab
証券コード: 44270
決算期: 9月30日
株式会社EduLabの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社EduLabの決算日は9月30日で、四半期報告書の提出期限は会計期間終了後45日以内となっています。今回公表された四半期報告書は、2024年3月31日を第2四半期末とするものです。
主な事業
株式会社EduLabは、教育テクノロジー分野で事業を展開しています。テスト等ライセンス事業、教育プラットフォーム事業、テストセンター事業、AI事業、テスト運営・受託事業の5つのセグメントで構成されており、英語能力テストのライセンス提供やオンラインテストの運営、AI技術を活用したサービス提供など、幅広い事業を手がけています。特にテストセンター事業は同社の主力事業の1つとなっています。
今期の業績と利益率は?
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が3,319,585千円(前年同期比12.5%減)、営業損失が261,451千円、経常損失が225,209千円となりました。前年同期と比べて減収となりましたが、不採算事業の撤退や固定費の削減などにより、経常損失は前年同期から大幅に改善しています。利益率は未だ低い水準にありますが、収益性の向上に着実に取り組んでいるといえます。
売上・利益の推移
過去3年間の業績を見ると、2023年9月期は売上高7,061,045千円、経常損失616,056千円と赤字決算となりましたが、当第2四半期では売上高、経常損失ともに前年同期から改善しています。営業利益や当期純利益についても、収益性の向上に向けた取り組みの成果が徐々に現れ始めているといえるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
四半期連結貸借対照表では、総資産4,223,919千円、負債合計2,538,631千円、純資産1,685,288千円となっています。前期末と比べて総資産は減少していますが、有形固定資産や無形固定資産が増加傾向にあり、収益基盤の強化に取り組んでいることがうかがえます。また、自己資本比率は38.0%と健全な水準を維持しています。
資産の部
流動資産は3,193,555千円で前期末から2,100,287千円減少しています。現金及び預金が減少したものの、売掛金及び契約資産が増加しています。固定資産は1,028,103千円で、前期末から302,517千円増加しました。有形固定資産やのれんなどが増加しています。
負債の部
流動負債は2,202,811千円で、前期末から1,456,978千円減少しました。短期借入金や1年内返済予定の長期借入金が減少しています。固定負債は335,819千円で、前期末から141,117千円減少しました。
純資産の部
純資産合計は1,685,288千円で、前期末から199,563千円減少しました。利益剰余金が292,029千円減少したことが主な要因です。自己資本比率は38.0%となっています。
ROAとROE
ROAは前期-10.3%から改善傾向にあるものの、まだマイナスの水準にあります。一方、ROEは前期-16.5%から-12.9%に改善しています。収益性の向上に向けた取り組みが徐々に成果を上げつつあるものの、依然として低い水準にあるといえるでしょう。今後さらなる収益性の改善が期待されます。
キャッシュフロー
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は1,470,141千円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは674,484千円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは1,015,012千円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローは1,581,811千円の支出となっています。借入金の返済などで手元流動性は減少しているものの、依然として十分な現金を確保できています。
配当の支払額
株式会社EduLabは現在、配当を行っていません。成長投資に経営資源を振り向けるため、内部留保の充実を優先しているものと考えられます。今後の業績改善や財務体質の強化を見極めながら、配当政策についても検討していくことが期待されます。
今後の展望
株式会社EduLabは、不採算事業からの撤退や固定費の削減など経営改革に取り組んでおり、収益性の向上に努めています。さらに、2024年3月には子会社のテストセンター事業を分割し、別会社に承継させる計画を発表しています。この動きは、事業の選択と集中を進めるための戦略と捉えることができます。今後も、教育テクノロジー分野での事業展開を通じた企業価値の向上が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社EduLabは、不採算事業からの撤退や固定費の削減など経営改革に取り組み、収益性の向上に努めています。当第2四半期では、経常損失が前年同期から大幅に縮小するなど、着実に成果が出始めています。また、テストセンター事業を分割し別会社に承継させる計画を発表するなど、事業の選択と集中を進めており、今後の業績改善に期待がかかります。今後も教育テクノロジー分野での取り組みを通じて、企業価値の向上を目指していくことでしょう。
株式会社EduLabの決算日や配当についてまとめました。
株式会社EduLabは、決算日が9月30日で、四半期報告書の提出期限は会計期間終了後45日以内となっています。また、同社は現在、配当を行っていません。成長投資に経営資源を振り向けるため、内部留保の充実を優先しているものと考えられます。今後の業績改善や財務体質の強化を見極めながら、配当政策についても検討していくことが期待されます。