フリー株式会社のこの四半期決算は、売上高が前年同期比33.4%増と大幅な成長を遂げています。プラットフォーム事業のARRが29.0%増加し、有料課金ユーザー企業数も17.1%増加するなど、同社のサービスが順調に成長している様子がうかがえます。一方で、経常損失や親会社株主に帰属する四半期純損失も拡大しており、収益性の改善が課題となっているようです。今後の成長戦略と収益性向上に注目が集まっています。
企業情報
企業名: フリー株式会社
証券コード: 44780
決算期: 2024年6月期
フリー株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
フリー株式会社の決算は6月決算で、四半期ごとに四半期報告書を提出しています。今回の決算は2024年6月期第3四半期(2023年7月1日~2024年3月31日)の決算となります。
主な事業
フリー株式会社は、スモールビジネス向けのクラウドERPサービスを中心に事業を展開しています。代表的なサービスに、クラウド会計ソフトの「freee会計」や、クラウド人事労務ソフトの「freee人事労務」があります。これらのサービスを通じて、スモールビジネスの経営課題解決を支援しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比33.4%増の18,423百万円と大幅に増加しています。一方で、調整後営業損失は6,307百万円、経常損失は7,173百万円となり、収益性は改善できていないようです。このため、親会社株主に帰属する四半期純損失も8,636百万円と大幅な赤字となっています。
売上・利益の推移
売上高は5期連続で増加しており、プラットフォーム事業のARRも29.0%増の25,776百万円と大幅に伸びています。一方で、営業利益、経常利益、当期純利益は赤字が続いています。収益性の改善が課題となっているようです。
四半期連結貸借対照表について
フリー株式会社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は39,180百万円、負債合計は21,119百万円、純資産合計は18,061百万円となっています。総資産は前期末比3,606百万円減少し、自己資本比率は45.4%となっています。
資産の部
流動資産は37,720百万円で、そのうち現金及び預金が31,250百万円と大半を占めています。固定資産は1,460百万円となっています。
負債の部
流動負債は19,482百万円で、そのうち短期借入金が3,570百万円となっています。固定負債は1,636百万円となっています。
純資産の部
純資産合計は18,061百万円で、前期末から8,997百万円減少しています。これは主に親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が減少したことによります。
ROAとROE
ROAは-18.3%、ROEは-47.9%となっており、ともに低水準です。これは営業損失や当期純損失が続いているためです。収益性の改善とともに、投資効率の向上が課題といえます。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは-5,370百万円と大きな支出超となっています。これは主に税金等調整前四半期純損失の計上によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは-476百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは530百万円となっています。現金及び現金同等物は期首比5,155百万円減少し、当第3四半期末残高は31,250百万円となっています。
配当の支払額
当社は、成長投資に経営資源を集中させるため、現在は配当を実施していません。今後の業績回復と財務体質の強化を経て、株主還元の検討を行う予定としています。
今後の展望
今後もスモールビジネス向けのクラウドERPサービスの機能強化と顧客基盤の拡大に注力していく方針です。また、さらなる収益性の向上に向けて、コスト管理の強化にも取り組む予定です。研究開発投資を継続しつつ、収益性と投資効率のバランスを改善していくことが重要な課題となっています。
編集部のまとめ
フリー株式会社の決算は、売上高は大幅に伸びているものの、収益性の改善が課題となっています。プラットフォーム事業の成長は順調ですが、コスト増加により経常損失や当期純損失が拡大している状況です。今後の成長戦略と収益性向上に注目が集まっています。
フリー株式会社の決算日や配当についてまとめました。
フリー株式会社の決算は6月決算で、四半期ごとに四半期報告書を提出しています。現在は成長投資に経営資源を集中させるため、配当は実施していませんが、今後の業績回復と財務体質の強化を経て、株主還元の検討を行う予定としています。