DNホールディングス株式会社の最新の決算報告書が公開されました。総合建設コンサルタント事業を展開するこの企業は、4月1日に子会社化した企業のノウハウとシナジーを発揮して、さらなる業績拡大が期待されます。本記事では、DNホールディングス株式会社の決算内容を詳しく解説していきたいと思います。
企業情報
企業名: DNホールディングス株式会社
証券コード: 73770
決算期: 6月
DNホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
DNホールディングス株式会社の決算日は6月30日です。決算は年1回の年度末決算になっており、決算期末日が6月30日、決算報告書の提出は翌年5月15日となっています。
主な事業
DNホールディングス株式会社は総合建設コンサルタント事業を行っています。具体的には、建設コンサルタントによる調査、計画、設計、監理等の各種業務と、地質調査業務を手がけています。橋梁設計や地質・地盤の調査・解析、道路・まちづくりに関する業務、防災・減災に関する業務、PPPや再生可能エネルギー分野のコンサルタント業務など、幅広い分野で事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が241億円となり前年同期比で2%減少しましたが、営業利益は5億20百万円、経常利益は5億43百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億35百万円と大幅な減益となりました。利益率も前年同期と比べて大きく低下しています。
売上・利益の推移
直近の業績推移をみると、2022年6月期の売上高が326億円、営業利益は14億円でしたが、2023年6月期は売上高が246億円、営業利益は5億20百万円となり、大幅な減収減益となりました。この背景には、上半期における建設コンサルタント事業の売上高減少や、能登半島地震の影響で一部業務の中断・工期延長があったことなどが要因として考えられます。
四半期連結貸借対照表について
DNホールディングス株式会社の直近の四半期連結貸借対照表をみると、資産合計が293億円と、前連結会計年度末から83億円増加しています。前連結会計年度末と比べて主な変動は、現金及び預金の減少16億円、受取手形及び売掛金の増加19億円、契約資産の増加79億円などが挙げられます。
資産の部
資産の部では、流動資産が222億円と大半を占めています。現金及び預金が26億円、受取手形及び売掛金が33億円、契約資産が158億円などとなっています。固定資産は70億円で、有形固定資産が17億円、投資有資証券が6億円などが主な内訳です。
負債の部
負債の部では、流動負債が153億円、固定負債が19億円となっています。流動負債の主な内訳は、業務未払金が24億円、短期借入金が83億円、契約負債が12億円などです。固定負債は長期借入金7億円が主な内容となっています。
純資産の部
純資産の部は120億円で、前連結会計年度末から1億円増加しています。利益剰余金は77億円、自己資本比率は40.9%となっています。
ROAとROE
DNホールディングス株式会社のROA(総資産利益率)は1.8%、ROE(自己資本利益率)は4.5%となっています。前年同期と比べると大幅に低下しており、収益性の悪化が見られます。これは、売上高減少や人件費の増加などによるコスト増が影響したものと考えられます。今後は、新しい子会社の連携強化などによる収益力の回復が期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナス3億円と、前年同期の18億円のプラスから大幅に悪化しています。これは、売上債権の増加や法人税等の支払いなどが主な要因です。投資活動によるキャッシュ・フローは3億円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローは13億円のプラスとなっています。全体としては、現金及び現金同等物は16億円減少しました。
配当の支払額
DNホールディングス株式会社の配当金は、1株当たり70円(うち記念配当10円)となっています。前期の配当金は80円でしたので、今期は減配となる見通しです。この背景には、業績の悪化を受けて、今期の配当抑制を図ったものと考えられます。株主への還元を重視する同社の姿勢から、今後の業績回復に期待が寄せられています。
今後の展望
DNホールディングス株式会社は、2023年7月に子会社の合併を行い、事業領域と顧客基盤の拡大、生産性の向上を図っています。また、国内の公共事業を取り巻く環境が堅調に推移している中で、災害復旧支援など、同社の総合的なコンサルティング力を生かした受注拡大が期待されます。さらに、サステナビリティ経営の推進やデジタル化の推進にも取り組んでおり、中期的な成長が期待できる企業といえます。
編集部のまとめ
DNホールディングス株式会社は建設コンサルタント業界の有力企業です。今期は一時的な業績悪化がみられたものの、災害復旧支援やデジタル化などの課題に取り組み、中期的な成長戦略を描いています。子会社の統合によるシナジー創出や、公共事業の堅調な受注環境に後押しされ、今後の業績回復が望めると考えられます。同社株式は、中長期的な投資対象として検討に値する企業だと評価できるでしょう。
DNホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
DNホールディングス株式会社の決算日は6月30日、決算報告書の提出は翌年の5月15日となっています。また、配当金は1株当たり70円(うち記念配当10円)で、前期に比べ減配となりました。今後は子会社の統合効果やデジタル化の推進で中期的な業績回復が期待できる企業といえるでしょう。