サムコ株式会社の2024年4月期第3四半期決算をお届けします。半導体等電子部品製造装置の開発・製造・販売を手がける同社は、通期の計画通りの業績を上げていることがわかりました。5G需要の高まりを背景に堅調な受注環境に支えられ、さらなる成長を遂げていくことが期待されます。
企業情報
企業名: サムコ株式会社
証券コード: 63870
決算期: 2024年7月
サムコ株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
サムコ株式会社の決算期は7月31日です。通期決算は10月下旬頃に発表され、四半期決算は四半期ごとに2-3ヶ月遅れて発表される形になっています。
主な事業
サムコ株式会社は、半導体や化合物半導体の製造に使用されるCVD装置、エッチング装置、洗浄装置などの電子部品製造装置の開発・製造・販売を主な事業としています。製品の開発から設計、生産、メンテナンスに至るまでの一貫したサービスを提供しており、幅広い業界や用途に製品を展開しています。
今期の業績と利益率は?
2024年4月期第3四半期の業績は、売上高が57億5,927万円と前年同期比3.3%増、経常利益が13億8,499万円と2.6%増となりました。増収増益基調を維持しており、売上総利益率は49.5%と、高水準の収益性を維持しています。需要の高まりを取り込み、堅調な業績を上げています。
売上・利益の推移
最近3年度の売上高と経常利益の推移をみると、売上高は76億円から78億円台で推移しています。一方で、経常利益は17億円から19億円台と着実に増益を重ねてきました。半導体市場の拡大を背景に、製品の受注が順調に推移していることが業績の好調さの要因です。
四半期連結貸借対照表について
2024年4月末の四半期連結貸借対照表を見ると、全体として健全な財務体質を維持していることがわかります。
資産の部
資産合計は158億6,644万円で、前事業年度末から10億7,140万円の増加となりました。流動資産は111億2,791万円と大幅に増加し、手元資金の厚みが増しています。一方で、固定資産は47億3,853万円と堅調に推移しています。
負債の部
負債合計は41億1,449万円で、前事業年度末から4億6,371万円の増加となりました。流動負債が31億4,982万円と増加し、固定負債が9億6,466万円と微減しています。金融機関からの借入も適正な水準を維持しています。
純資産の部
純資産合計は117億5,194万円と大幅に増加しました。自己資本比率は74.1%と、引き続き高い財務健全性を維持しています。
ROAとROE
サムコ株式会社のROAは9.3%、ROEは8.8%となっています。両指標ともに金融株以外の製造業の平均(6-7%程度)を上回る水準を維持しており、収益性と効率性の高さが特徴的です。半導体市場の好況を背景に、積極的な設備投資と製品開発を行い、高収益体質を実現しています。
キャッシュフロー
営業キャッシュ・フローは15億3,429万円と大幅な黒字を確保しています。設備投資などの投資キャッシュ・フローはマイナス6億7,971万円となり、フリー・キャッシュ・フローは8億5,457万円と健全な水準を維持しています。強固な収益基盤を活かし、設備投資や新製品開発にも積極的に取り組んでいます。
配当の支払額
2023年10月の定時株主総会で、1株当たり45円の期末配当が決議されました。これにより、年間配当金は1株当たり70円となり、前期に比べ10円増配となりました。配当性向は41.2%と株主還元を重視しつつ、内部留保の蓄積にも注力しています。
今後の展望
今後の事業環境としては、5Gやデータセンター需要の拡大など、半導体市場の成長が期待されます。同社は化合物半導体関連製品の競争力を維持しつつ、シリコン半導体分野でも高付加価値製品の開発に注力していく方針です。設備投資と製品開発に積極的に取り組み、持続的な成長を目指します。
編集部のまとめ
サムコ株式会社は、半導体や化合物半導体製造装置のトップメーカーとして高い収益力を誇っています。5G需要の高まりや自国内生産重視の動きなど、事業環境は良好で、今後も業績拡大が期待できそうです。技術開発力とコスト競争力に強みを持ち、着実に企業価値を高めていくことが期待されます。
サムコ株式会社の決算日や配当についてまとめました。
サムコ株式会社の決算期は7月31日で、四半期決算の発表は2-3ヶ月遅れて行われています。1株当たりの年間配当金は70円で、前期比10円の増配となりました。高収益体質を維持しつつ、積極的な設備投資と製品開発にも取り組んでおり、株主還元にも尽力しています。