株式会社フジの2024年3月期第1四半期決算がリリースされました。同社は、スーパーマーケットを中心としたリテール事業を展開する大手企業で、この度の決算では、2024年3月に行われた企業統合の影響もあり、売上高は前年同期比0.4%増加しました。しかしながら、販売費及び一般管理費の上昇により、各利益指標は減益となりました。
企業情報
企業名: 株式会社フジ
証券コード: E03118
決算期: 2024年2月期
株式会社フジの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社フジの決算日は2月末です。第1四半期の業績は2024年7月11日に公表されました。
主な事業
株式会社フジは、スーパーマーケット事業を中心に、ディスカウントストア事業やノンストア小売事業など、さまざまな小売業態を展開しています。2024年3月には、子会社のマックスバリュ西日本や株式会社フジ・リテイリングを吸収合併し、「新生株式会社フジ」としてスタートしました。
今期の業績と利益率は?
当第1四半期の業績は、営業収益が1,961億65百万円と前年同期比0.4%増加しました。しかし、販売費及び一般管理費が前年同期比6.0%増加したため、営業利益は14億35百万円と38.6%の減益となりました。また、合併の影響により親会社株主に帰属する四半期純利益は1億7百万円と大幅な減益となりました。
売上・利益の推移
直近の第57期通期の業績では、売上高が7,711億23百万円、経常利益が173億74百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が74億36百万円と、好調な実績を残しています。しかし、当第1四半期は物価高による消費者の生活防衛意識の高まりなどの影響を受け、各利益指標は前年同期を下回りました。
四半期連結貸借対照表について
当第1四半期末の総資産は4,219億7百万円となり、前期末から57億94百万円減少しました。一方、負債合計は2,062億53百万円と前期末から53億51百万円減少しています。純資産は2,156億53百万円となり、自己資本比率は51.1%と、高い水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が85億93百万円減少した一方で、商品が10億7百万円増加しました。また、株式会社フジが子会社を吸収合併したことにより、有形固定資産や無形固定資産などの資産項目に大きな変動はありませんでした。
負債の部
負債の部では、短期借入金が16億38百万円、長期借入金が47億60百万円減少しました。一方で、賞与引当金が14億6百万円増加しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が11億95百万円減少した一方で、その他有価証券評価差額金が6億28百万円増加しました。この結果、前期末から4億43百万円減少し、2,156億53百万円となりました。
ROAとROE
株式会社フジのROA(総資産経常利益率)は4.1%、ROE(自己資本当期純利益率)は3.5%となっています。前期と比較して低下傾向にあるものの、依然として業界平均を上回る水準を維持しています。これは、経営の効率性が高く、収益力の強さを示しています。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュフローの状況は開示されていませんが、直近の第57期通期では、営業活動によるキャッシュフローが172億円のプラス、投資活動によるキャッシュフローが103億円のマイナス、財務活動によるキャッシュフローが55億円のマイナスとなっており、安定したキャッシュフローを確保できています。
配当の支払額
株式会社フジは、株主への利益還元を重視しており、第57期の年間配当金は1株当たり30円でした。当第1四半期では、1株当たり15円の中間配当を実施しています。今後も、財務状況や業績動向を勘案しながら、安定的な配当の維持に努めていく方針です。
今後の展望
株式会社フジは、2024年3月の企業統合を機に、「地元に、新しいつながりを。」をスローガンに掲げ、新たな成長を目指しています。2024年度から2026年度の中期経営計画では、「営業収益1兆円」を目標に掲げ、ESG経営の推進、既存事業の改革、事業インフラの統合などに取り組んでいきます。今後も、地域に密着した事業展開と競争力強化を通じて、持続的な成長を実現していくことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社フジの2024年3月期第1四半期決算では、売上高は前年同期比0.4%増加したものの、各利益項目は減益となりました。これは、物価高による消費者の生活防衛意識の高まりなどの影響を受けたためですが、中期的には企業統合によるシナジー効果の発現や、ESG経営の推進など、同社の成長戦略に期待が高まっています。今後も、同社の業績や株主還元の動向に注目していく必要がありそうです。
株式会社フジの決算日や配当についてまとめました。
株式会社フジの決算日は2月末で、第1四半期の業績は7月11日に公表されました。また、同社は株主への利益還元を重視しており、年間配当金は1株当たり30円と業界でも高水準です。今後も安定的な配当の維持に努めていく方針です。