株式会社髙島屋の最新の決算報告を見ると、非常に良好な業績を上げていることが分かりました。売上高は前年同期比で13.8%の増加、営業利益は56.7%の大幅増加を果たしています。
この好業績の背景には、ファッション関連商品の好調な販売や、インバウンド需要の回復などが寄与しているようです。また、コストの適正管理にも成功し、収益性の改善にもつなげられている模様。
この調子で今後も業績の伸長が期待できそうです。株主還元策としての配当金もしっかりと増額されており、投資家としても安心できる決算報告だと言えるでしょう。
企業情報
企業名: 株式会社髙島屋
証券コード: 82330
決算期: 2月
株式会社髙島屋の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社髙島屋の決算日は2月末日で、決算報告書の提出は翌年7月12日となっています。
決算期は3月1日から2月末日までの1年間となっており、四半期決算は5月31日、8月31日、11月30日、2月末日の年4回行われています。
主な事業
株式会社髙島屋は、国内外に展開する百貨店事業が主力で、その他にも商業開発事業、金融事業、建装事業など、多角的な事業展開を行っています。
国内には15店舗、海外にもシンガポール、ベトナム、タイ、中国に展開する百貨店を保有しており、地域に根差した魅力的な商業施設の運営を行っています。
また、グループ会社の力を結集し、不動産開発や金融サービスなども提供することで、地域に貢献する総合力のある企業グループとなっています。
今期の業績と利益率は?
この度の決算では、売上高120,125百万円、営業利益17,295百万円と、前年同期比でそれぞれ13.8%増、56.7%増と大幅な増収増益となりました。
利益率も向上しており、営業利益率は14.4%と高い水準を維持しています。
これは、ファッション関連商品の好調な販売やインバウンド需要の回復、さらには経費削減にも成功したことが要因と考えられます。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、売上高は466,134百万円から120,125百万円と堅調に推移しています。
利益面でも、経常利益が49,199百万円から17,835百万円と、高い水準を維持できています。
百貨店事業を中心とした幅広い事業展開と経費管理の適正化が功を奏した結果だと言えるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
当第1四半期末の総資産は1,295,760百万円と、前期末から25,284百万円増加しました。
これは主に、売上増加に伴う受取手形、売掛金及び契約資産の増加や、海外子会社における円安の影響によるものです。
一方、負債は803,305百万円と11,632百万円増加、純資産は492,454百万円と13,652百万円増加しました。
資産の部
資産の部では、受取手形、売掛金及び契約資産が19,977百万円増加したほか、使用権資産が3,207百万円増加するなど、売上増加に伴う運転資本の増加が主な要因です。
また、投資有価証券が2,512百万円増加したことで、企業の成長力や財務基盤の強化が窺えます。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が9,213百万円増加したことが主因です。
一方で、有利子負債が1,542百万円減少するなど、財務体質の改善も進んでいます。
純資産の部
純資産の部では、親会社株主に帰属する四半期純利益12,821百万円の計上により利益剰余金が増加したほか、為替換算調整勘定が2,974百万円増加するなど、企業の信用力向上も確認できます。
この結果、自己資本比率は36.0%となり、財務の健全性も維持できている状況です。
ROAとROE
この決算期のROAは1.4%、ROEは3.7%となりました。
前期に比べて両指標ともに改善しているのは、売上や利益の増大に加え、財務体質の強化が奏功した結果だと考えられます。
今後は、さらなる収益力の向上とともに、資本効率の改善にも注力し、企業価値の最大化に取り組んでいくことが期待されます。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが13,323百万円の収入となりました。
一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは11,270百万円の支出となっています。
これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出増加が影響しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは7,325百万円の支出で、配当金の支払いによる減少が主な要因です。
配当の支払額
今回の決算では、1株当たり配当金が20円と、前期から6円増配となりました。
連結配当性向は24.6%となっており、安定的な株主還元を継続できています。
業績が堅調に推移し、経営基盤も強化されてきたことで、配当水準の引き上げが実現できたと言えるでしょう。
今後の展望
今後の事業展開としては、ESG経営の推進、人材の確保・育成・活躍推進、まちづくりの推進の3つの課題に取り組んでいきます。
社会課題の解決と事業成長の両立を図るESG経営の強化、デジタル化による生産性向上と顧客体験の向上、地域に根ざしたまちづくりの推進など、中長期的な成長に向けて積極的な投資を行っていく方針です。
これらの取り組みにより、企業価値の向上と持続可能な成長の実現を目指していきます。
編集部のまとめ
株式会社髙島屋の決算は、売上高・利益ともに大幅な増加を果たした好業績でした。
百貨店事業を中心とした事業ポートフォリオの最適化と、インバウンド需要の取り込みなどが奏功し、収益力を高められた模様です。
また、コストコントロールにも成功しており、利益率の改善にもつなげられています。
さらに、配当の増額などの株主還元策も行われており、投資家にとっても魅力的な決算報告だと言えるでしょう。
今後も、ESG経営やデジタル化などに積極的に取り組み、企業価値の最大化を目指していくことが期待されます。
株式会社髙島屋の決算日や配当についてまとめました。
株式会社髙島屋の決算日は2月末日で、決算報告書の提出は7月12日となっています。
株主への配当金は、今回の決算で1株当たり20円と前期から6円増配となり、連結配当性向は24.6%でした。
この好調な業績を背景に、今後も安定的な株主還元を実施していくことが期待されます。