この度、株式会社キャスターの四半期決算報告書が公開されました。同社は顧客企業のバックオフィス業務をオンラインで代行するアシスタントサービス「CASTER BIZ」を中心に事業展開を行っている企業です。
企業情報
企業名: 株式会社キャスター
証券コード: 93310
決算期: 2024年8月期
株式会社キャスターの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社キャスターの決算日は8月31日で、四半期決算は2、5、8、11月に行われます。今回の四半期決算は、2024年5月31日を期末としたものです。
主な事業
株式会社キャスターの主力事業は「WaaS事業」と「その他事業」の2つに分かれています。WaaS事業では、経理や人事などのバックオフィス業務をオンラインで代行するアシスタントサービス「CASTER BIZ」を提供しており、顧客企業から高い支持を得ています。また、その他事業では在宅人材の紹介・派遣などを行っています。同社は「リモートワークを当たり前にする」をミッションに掲げて事業を展開しており、人手不足に悩む企業に対するソリューションの提供に注力しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、売上高が33億1,646万6千円と前年同期比で6.6%の増収となりました。一方で、営業損失は5,667万5千円となり、経常損失は5,062万7千円、四半期純損失は7,302万円となっています。利益面では厳しい結果となっていますが、中長期的な成長に向けて先行投資を行っているためと考えられます。
売上・利益の推移
売上高は前年同期比で増加傾向にあり、WaaS事業が売上の8割以上を占めています。一方で、その他事業では人材採用難の影響などから営業損失が増加しています。今後はこの事業の収益改善が課題となっています。全体としては人手不足問題に対する同社サービスの需要が底堅く、中長期的な成長が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計が23億5,501万8千円となっています。過去1年間で4億8,107万円の増加があり、主に現金及び預金の増加によるものです。一方、負債合計が11億735万7千円と、前期末比で2億7,266万2千円の増加となっています。これは短期借入金の増加などによるものです。純資産は12億4,766万1千円で、前期末比で2億840万7千円の増加となっています。
資産の部
資産の部では現金及び預金が43億2,761万円と大きな割合を占めています。また、売掛金及び契約資産が6億6,509万円となっています。これらの流動資産が同社の財務体質の強さを示しています。
負債の部
負債の部では、短期借入金が3億円、長期借入金が1億円となっています。また、未払費用や契約負債なども一定の水準を維持しています。全体としては財務健全性が確保されていると言えるでしょう。
純資産の部
純資産の部では、資本金が19億61万4千円、資本剰余金が15億8,096万3千円となっています。これは2023年10月の東京証券取引所グロース市場への上場に伴う新株発行によるものです。利益剰余金は△52,391万5千円となっており、今期の四半期純損失の計上により減少しています。
ROAとROE
同社のROA(総資産経常利益率)とROE(自己資本利益率)は、現時点では低水準となっています。これは先行投資による先行費用の発生などが影響していると考えられます。しかし、人手不足問題に対する同社の取り組みが評価され、中長期的には収益改善が見込まれることから、ROA、ROEの向上も期待されます。
キャッシュフロー
キャッシュフローについては、営業活動によるキャッシュ・フローが前年同期比で減少しているものの、4億3,276万1千円の純増となっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローや財務活動によるキャッシュ・フローも一定の動きがあり、全体としては手元流動性が確保されている状況にあります。今後の事業拡大に向けた投資などにも活用できるものと考えられます。
配当の支払額
株式会社キャスターは、現在のところ配当を実施していません。上場後の成長局面にあり、内部留保の充実を優先しているためと考えられます。今後の業績拡大と財務体質の強化を経て、配当の実施が期待されます。
今後の展望
株式会社キャスターは、人手不足に悩む企業に対して、バックオフィス業務の効率化や生産性向上などのソリューションを提供しており、今後も成長が期待できる企業です。直近では、SaaSベンダーやBPOベンダーとのアライアンスなど、新たな取り組みを進めており、サービスの拡充とさらなる事業成長が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社キャスターは、「リモートワークを当たり前にする」というミッションの下、人手不足に悩む企業向けのサービスを展開しており、中長期的な成長が期待される企業です。今期は先行投資に伴う利益面での厳しい結果となったものの、キャッシュ・フローや財務体質の健全性は確保されているため、今後の業績回復が期待できるでしょう。同社の今後の動向にも注目が集まると考えられます。
株式会社キャスターの決算日や配当についてまとめました。
株式会社キャスターは8月31日を決算日としており、四半期決算は2、5、8、11月に行われます。また、現時点では配当は実施していませんが、今後の業績改善に伴い、配当の実施が期待されます。