株式会社ツインバードの2024年3月期第1四半期決算が発表されました。売上高は2,196百万円と前年同期比7.2%の減収となりましたが、個人消費の回復が遅れる中でもしっかりと収益を確保できたと評価できます。利益面では、経常損失166百万円と赤字となりましたが、原材料価格高騰や円安による影響を受けたものの、引き続き収益改善に取り組んでいます。足元の業績は厳しい状況にありますが、今後の成長に向けた投資を続けている同社に注目が集まります。
企業情報
企業名: 株式会社ツインバード
証券コード: 68970
決算期: 2月
株式会社ツインバードの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ツインバードは2月を決算期としており、第1四半期は3月1日から5月31日までとなっています。決算発表は、第1四半期は7月中旬、本決算は5月下旬となっています。
主な事業
株式会社ツインバードは、家電製品事業とFPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)事業を主力としています。家電製品事業では、全自動コーヒーメーカーやパン焼き器、冷蔵庫などの家庭用電化製品の開発・製造・販売を行っています。FPSC事業では、省エネ性能に優れた冷凍機単体の供給を行っています。両事業を通じて幅広い顧客層に対して商品を提供しています。
今期の業績と利益率は?
2024年3月期第1四半期の業績は、売上高2,196百万円、経常損失166百万円となりました。売上高は前年同期比7.2%の減収となったものの、利益面では大きな赤字を計上しています。これは、原材料価格高騰や円安の影響により、売上総利益率が3.7ポイント低下したことが主な要因です。今後の収益改善に向けて、コストダウンや効率化に取り組む必要があります。
売上・利益の推移
ツインバードの直近の売上高は、2024年2月期が10,303百万円と、2023年3月期に比べ2.7%の増収となりました。一方、利益面では2024年2月期の経常利益が166百万円と大幅な増益を達成しています。コロナ禍の影響からも回復基調にあり、今後の成長が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
ツインバードの2024年5月31日現在の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産が10,689百万円となっています。前期末から524百万円減少しているのは、売上債権の回収が進んだことが主な要因です。
資産の部
流動資産は5,674百万円と前期末から655百万円減少しており、現金及び預金が871百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1,942百万円となっています。固定資産は5,014百万円と前期末から131百万円増加しています。
負債の部
負債合計は2,624百万円と前期末から399百万円減少しています。短期借入金が700百万円、1年内返済予定の長期借入金が230百万円となっています。
純資産の部
純資産合計は8,065百万円と前期末から124百万円減少しています。利益剰余金が2,666百万円と減少しましたが、為替相場の円安進行により繰延ヘッジ損益が236百万円増加しています。自己資本比率は75.5%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
ツインバードのROAは前期実績の1.5%から今期1.6%に改善しています。一方でROEは前期9.3%から当期△1.4%まで悪化しています。これは、主に経常損失の計上によるものです。今後は、収益力の改善とともに、資本政策の最適化などにより、ROEの向上を図る必要があります。
キャッシュフロー
ツインバードの2024年3月期第1四半期のキャッシュ・フローについては、四半期キャッシュ・フロー計算書の作成を省略しているため詳細は不明です。ただし、営業活動によるキャッシュ・フローは増加したと推察されます。これは、売上債権の回収が進んだことによるものと考えられます。今後のキャッシュ・フローの動向に注目していく必要があります。
配当の支払額
ツインバードは、2024年5月24日開催の定時株主総会において、1株当たり10円の期末配当を実施することを決議しました。前期実績の13円から減配となりましたが、企業価値の向上に向けた内部留保の確保にも取り組んでいます。株主還元とのバランスを考えながら、適切な配当政策を展開していきます。
今後の展望
ツインバードは、環境負荷の低減や「匠プレミアム」ブランドの育成など、ESG経営にも注力しています。また、海外市場への事業展開を進めるとともに、省エネ性能に優れたFPSCの販売拡大にも取り組んでいきます。さらに、自動化や生産性向上などによるコストダウンも図っていく予定です。これらの施策を通じて、中長期的な企業価値の向上を目指します。
編集部のまとめ
ツインバードの2024年3月期第1四半期決算は減収減益となりましたが、経常損失の計上などコロナ禍の影響が続いている中でも、健全な財務体質を維持しています。今後は、原材料価格高騰や為替変動などの外部要因への対応に加え、ESG経営の推進やコストダウン、海外市場の開拓などに注力し、収益力の改善と持続的な成長を目指していくことが期待されます。
株式会社ツインバードの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ツインバードは2月末を決算期としており、第1四半期は3月1日から5月31日までとなっています。2024年3月期の期末配当は1株当たり10円と、前期から減配となりましたが、内部留保の確保にも取り組んでいます。今後の事業拡大と株主還元のバランスに期待が寄せられています。