住友ファーマ株式会社の最新の決算報告書が公開されました!同社は医療用医薬品の製造・販売を手がける大手製薬企業です。経営戦略や業績の推移をレビューしていきましょう。
企業情報
企業名: 住友ファーマ株式会社
証券コード: 45060
決算期: 2023年3月期
住友ファーマ株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
住友ファーマ株式会社の決算日は3月31日です。決算発表は通常5月頃に行われています。四半期決算は6月、9月、12月に行われます。
主な事業
住友ファーマ株式会社は、医療用医薬品の研究開発、製造、販売を主な事業としています。精神神経領域、がん領域、その他の領域で幅広い製品ラインナップを持っており、国内外で事業を展開しています。特に、進行性前立腺がん治療剤「オルゴビクス」、子宮筋腫・子宮内膜症治療剤「マイフェンブリー」、過活動膀胱治療剤「ジェムテサ」などの新製品が好調な売上を記録しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上収益は2,350億円と前年同期比で48.9%の大幅な減収となりました。しかし、コア営業損益は964億円の損失と赤字に転落しています。これは、非定型抗精神病薬「ラツーダ」の米国での独占販売期間終了の影響が大きかったためです。
売上・利益の推移
同社の売上収益は2022年3月期に5,555億円を記録しましたが、2023年3月期第3四半期累計では2,350億円と大幅に減少しています。一方、営業利益は前年同期の△178億円から更に悪化し、当第3四半期累計では△1,177億円となっています。このように、売上の大幅な減少と営業赤字の拡大が続いています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の資産合計は1兆600億円、負債合計は7,164億円、純資産は3,436億円となっています。前期末から資産が748億円減少し、負債が116億円減少、純資産が632億円減少しています。
資産の部
主な資産は無形資産の3,323億円とその他の金融資産の1,610億円です。前期末から無形資産が30億円増加し、その他の金融資産が270億円増加しています。
負債の部
主な負債は社債及び借入金の4,118億円で、前期末から118億円増加しています。その他の負債も減少傾向にあります。
純資産の部
純資産は前期末から632億円減少し、3,436億円となりました。利益剰余金が減少したことが主な要因です。親会社所有者帰属持分比率は32.4%となっています。
ROAとROE
ROAは前期の3.6%から大幅に悪化し、当第3四半期ではマイナス10.9%となっています。同様にROEも前期の△11.8%から更に悪化し、△33.1%と低迷しています。これは大幅な減収と営業赤字の拡大が原因です。収益性の改善が急務の課題となっています。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローは2,307億円の支出となり、前年同期比で大幅に悪化しました。一方で、投資活動によるキャッシュフローは383億円の収入となり、前年同期から大幅に増加しています。財務活動によるキャッシュフローは721億円の収入となり、前年同期から大きく改善しています。全体としては1,070億円の減少となり、手元流動性が大幅に減少しています。
配当の支払額
当期の配当金は1株当たり7円で、前期の28円から大幅に減少しています。配当総額は27億円となっています。業績の悪化を受けて、配当も大幅に縮小せざるを得なくなっています。
今後の展望
同社は、強化領域である精神神経領域やがん領域の新製品の販売拡大に全力で取り組むとともに、事業構造改革を進めて収益力の改善を図っていきます。また、バイオ医薬品等の新領域への挑戦により、中長期の成長につなげていく方針です。経営陣の強力なリーダーシップの下、収益力の回復と持続的な成長の実現に期待が高まります。
編集部のまとめ
住友ファーマ株式会社は、最近の業績不振に悩まされています。主力製品の販売減少や固定費の高止まりなどが大きな影響を与えています。一方で、新製品の売上は好調で、今後の成長への期待も持てます。経営陣の強力なリーダーシップの下、収益力の回復と事業構造改革に取り組んでいく必要があるでしょう。株主へのメッセージとしても、業績改善と配当の復活が望まれます。
住友ファーマ株式会社の決算日や配当についてまとめました。
同社の決算日は毎年3月31日で、決算発表は5月頃に行われます。当期の配当は1株につき7円と前期の28円から大幅に減少しています。業績の回復と収益力の改善に期待が寄せられます。