株式会社カイノスの四半期決算報告書を見てみましょう。生化学検査試薬や免疫血清検査試薬を手がける同社は、堅調な業績を維持しています。新型コロナの影響で一部検査キットの需要が落ち着いたものの、売上高は3,790百万円と前年同期比1.6%増と好調な推移を見せています。
企業情報
企業名: 株式会社カイノス
証券コード: 45560
決算期: 3月期
株式会社カイノスの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社カイノスの決算日は3月31日です。決算発表は、6月と2月の年2回行われます。6月に本決算、2月に第3四半期決算の報告を行っています。
主な事業
同社は、臨床検査薬の製造・販売を主な事業としています。生化学検査試薬や免疫血清検査試薬などを製造し、病院や検査センターなどに提供しています。また、自社で開発した新製品の上市にも注力しており、2023年12月には敗血症診断に役立つプロカルシトニンキットの製造販売承認を取得しました。今後も付加価値の高い製品の開発と販売に力を入れていきます。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の売上高は3,790百万円と前年同期比1.6%増加しました。利益面では、営業利益が794百万円と13.5%増、経常利益が811百万円と12.3%増と堅調な伸びを示しています。利益率も高水準を維持しており、経営の効率化が進んでいることがわかります。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、コロナ禍の影響もありましたが、売上高は4,923百万円から3,790百万円と着実に伸びています。利益面では、経常利益が853百万円から811百万円とほぼ横ばいで推移しており、堅調な業績が続いています。新製品投入や販売強化により、今後も売上と利益の成長が期待できそうです。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計が8,387百万円となっています。このうち、流動資産が5,543百万円、固定資産が2,844百万円となっています。また、負債合計は2,204百万円で、自己資本比率は73.7%と健全な財務体質を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金・預金が3,026百万円と手元流動性が高く、受取手形及び売掛金が1,641百万円、棚卸資産が859百万円となっています。固定資産では、土地が1,786百万円を占めています。全体として、安定した資産構成となっています。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が585百万円、短期借入金が540百万円となっています。有利子負債は790百万円と総資産の9.4%程度に抑えられており、健全な財務状況を維持しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が4,588百万円と堅調に積み上げられており、自己資本比率は73.7%と高水準を維持しています。株主還元も積極的に行っており、1株当たり25円の配当を実施しています。
ROAとROE
同社のROA(総資産経常利益率)は9.7%と高水準を維持しており、効率的な資産運用が行われています。また、ROE(自己資本当期純利益率)は9.4%となっていて、株主資本の効率的な活用が図られています。この水準は同業他社と比べても高く、収益力と資本効率の高さが同社の強みといえます。
キャッシュフロー
キャッシュフローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは894百万円の収入超過となっています。設備投資などの投資活動によるキャッシュ・フローは63百万円の支出超過、配当金の支払いなどの財務活動によるキャッシュ・フローは117百万円の支出超過となりました。全体としては現金及び現金同等物の残高が3,026百万円と厚めの水準を維持しています。
配当の支払額
株式会社カイノスは、株主への利益還元を重視しており、1株当たり年間配当金は25円を継続して実施しています。この水準は、配当性向が35.5%となっており、業績に連動した安定的な配当政策を採用しています。今後も、株主還元を意識しながら、事業の成長と企業価値の向上に努めていくと考えられます。
今後の展望
同社は、生化学検査試薬や免疫検査試薬などの基幹事業を中心に、新製品の開発や販売強化に取り組んでいます。特に、2023年12月に上市したプロカルシトニンキットは、敗血症の早期診断に役立つ有望な製品であり、今後の業績への寄与が期待されています。また、設備投資による生産性の向上や、デジタル化の推進など、経営効率化にも注力しています。これらの取り組みにより、持続的な成長と企業価値の向上を目指していくと考えられます。
編集部のまとめ
株式会社カイノスは、臨床検査薬分野のリーディングカンパニーとして堅調な業績を維持しています。新製品の上市や生産性の向上など、着実な成長戦略を展開しており、今後の更なる業績拡大が期待できます。株主還元にも積極的で、健全な財務体質を維持しているのも魅力的です。同社の株式は、中長期的な保有に値する銘柄だと考えられます。
株式会社カイノスの決算日や配当についてまとめました。
株式会社カイノスの決算日は3月31日で、年2回の決算発表(6月と2月)を行っています。1株当たりの年間配当金は25円と安定した水準を維持しており、配当性向も35.5%と株主還元に力を入れています。今後も業績の成長とともに、株主還元の拡大が期待できる企業といえます。