KOA株式会社は半導体関連部品の大手メーカーです。この度、同社の第3四半期決算報告書が公表されました。売上高は49,217百万円となり、前年同期と比べ14.1%の減収となりました。経常利益は3,741百万円と前年同期に比べ減益となりました。しかし、企業の業績は全体として健全に推移しており、今後のさらなる成長が期待されています。
企業情報
企業名: KOA株式会社
証券コード: 6902
決算期: 3月
KOA株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
KOA株式会社の決算日は3月31日です。決算期は毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間となっています。第3四半期(2023年10月1日~12月31日)の決算報告書が今回公表されたものです。
主な事業
KOA株式会社は、電子部品や電子機器の製造・販売を主な事業としています。特に、電子部品の中核製品は、各種抵抗器や高周波部品が中心で、自動車、産業機器、情報通信機器などの分野に幅広く販売されています。近年では、環境対応車向けの部品も増加傾向にあります。
今期の業績と利益率は?
KOA株式会社の当第3四半期の業績は、売上高が49,217百万円と前年同期比8,092百万円の減少、経常利益は3,741百万円と5,135百万円の減少となりました。これは、半導体不足の影響による自動車関連の減少などが主な要因です。利益率は、経常利益率が7.6%となっています。
売上・利益の推移
KOA株式会社の売上高は、前期が75,072百万円と高水準でしたが、当期は49,217百万円と減少傾向にあります。一方で、経常利益は前期10,538百万円、当期3,741百万円と減少しています。これは、売上減少に加え、人件費や減価償却費などの固定費が増加したことが主な要因です。
四半期連結貸借対照表について
KOA株式会社の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は124,483百万円となっており、前期末に比べ11,715百万円増加しています。これは有形固定資産の増加によるものです。一方、負債合計は48,504百万円と9,458百万円増加しており、長期借入金の増加が主な要因となっています。
資産の部
資産の部では、流動資産が63,940百万円、固定資産が60,543百万円となっています。流動資産の増加は主に現金及び預金の増加によるものです。一方、固定資産の増加は有形固定資産の増加が大きな要因となっています。
負債の部
負債の部では、流動負債が13,377百万円、固定負債が35,126百万円となっています。流動負債の減少は主に支払手形及び買掛金の減少によるものです。一方、固定負債の増加は長期借入金の増加が主な要因となっています。
純資産の部
純資産の部では、純資産合計が75,979百万円となっています。前期末と比べ2,256百万円増加しており、自己資本比率も61.0%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
KOA株式会社のROA(総資産利益率)は前期6.5%、当期2.9%と低下しています。これは、前述の通り売上高と経常利益が減少したことが要因です。一方、ROE(自己資本利益率)は前期10.0%、当期3.1%と低下しています。これは、自己資本が増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益が減少したことが影響しています。
キャッシュフロー
KOA株式会社の第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは公表されていませんが、前年同期は営業活動によるキャッシュ・フローが6,784百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが5,776百万円の支出となっていました。財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払いなどにより1,701百万円の支出となっています。
配当の支払額
KOA株式会社の配当金は、中間配当が1株25円、期末配当も1株25円と、前期と同水準での配当を実施しています。年間では1株50円の配当を予定しています。この水準の配当は株主への還元として評価できるものと考えられます。
今後の展望
KOA株式会社の業績は、世界経済の減速やインフレ、半導体不足などの影響により減収減益となりましたが、中長期的には環境対応車市場やIoT機器向け需要の拡大に期待できます。同社は、「2030ビジョン」の実現に向けて、生産体制の強化やイノベーションの推進などに注力しており、今後の業績回復が期待されます。
編集部のまとめ
KOA株式会社の今回の決算では、世界経済の減速やインフレなどの影響で減収減益となりましたが、長期的には成長が期待できる企業です。環境対応車向け部品の需要拡大や、IoT機器向けなどの新しい分野への取り組みが注目されます。また、健全な財務体質と継続的な株主還元も評価できます。今後の業績回復と持続的な成長が期待されています。
KOA株式会社の決算日や配当についてまとめました。
KOA株式会社の決算日は3月31日で、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間が決算期となっています。配当金は中間配当と期末配当で年間1株50円の水準を維持しており、株主への還元にも力を入れています。同社は中長期的に高成長が期待できる企業で、今後の業績に注目が集まっています。