株式会社オービックの2023年12月期第3四半期の決算報告が発表されました。売上高は835億85百万円と前年同期比12.2%の増収となり、経常利益は612億31百万円で15.0%の増益と、好調な業績を維持しています。自社開発・直接販売にこだわるオービックの主力製品「OBIC7シリーズ」は、大手・中堅企業から高い支持を得ており、景気の不透明感の中でも安定的な事業展開を続けています。
企業情報
企業名: 株式会社オービック
証券コード: 46840
決算期: 3月期
株式会社オービックの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社オービックの決算日は3月31日で、決算発表は4月上旬に行われます。また、四半期決算報告書の提出は、第1四半期が8月、第2四半期が11月、第3四半期が2月、通期が6月となっています。
主な事業
株式会社オービックは、統合業務ソフトウェア「OBIC7シリーズ」を中心としたシステムインテグレーション事業とシステムサポート事業、およびオフィスオートメーション事業を展開しています。主力の「OBIC7シリーズ」は会計を中心とした統合的なERP(企業資源計画)システムで、幅広い業種の大手・中堅企業に導入されています。また、自社運営のクラウドサービス提供など、ITのフルラインナップを取り揃えています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は、売上高が835億85百万円、営業利益が534億98百万円、経常利益が612億31百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が435億48百万円と、いずれも前年同期を大幅に上回る好調な結果となりました。営業利益率は64.0%、経常利益率は73.2%と高水準の収益性を維持しています。
売上・利益の推移
オービックの売上高は、2022年3月期から2023年12月期の3年間で700億円から835億円へと19.6%も増加しています。また、経常利益は532億円から612億円へと15.0%増加と、中期的にも安定した業績成長を続けています。これは、自社開発製品である「OBIC7シリーズ」の堅調な売れ行きによるものです。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点のオービックの総資産は4,108億94百万円と、前期末比で441億85百万円増加しています。これは主に、投資有価証券が336億67百万円増加したことによるものです。一方、負債合計は前期末比で29億19百万円増加の417億63百万円となりました。純資産は前期末比412億66百万円増加の3,691億30百万円で、自己資本比率は89.8%と高水準の財務体質を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が1,658億95百万円、投資有価証券が1,708億94百万円となっており、手元資金と投資資産が厚めに積み上げられています。また、有形固定資産が558億63百万円と、自社運営のデータセンターなどの設備投資も進められています。
負債の部
負債の部では、流動負債が197億34百万円、固定負債が220億28百万円となっています。主な内訳は、未払法人税等が64億78百万円、繰延税金負債が135億99百万円となっています。
純資産の部
純資産の部では、株主資本が3,263億76百万円、その他の包括利益累計額が427億54百万円となっています。利益剰余金は3,150億88百万円と着実に積み上がっています。
ROAとROE
オービックのROA(総資産利益率)は前期の14.6%から当期で15.6%に改善しています。また、ROE(自己資本利益率)は前期の15.7%から当期の16.0%と、ともに高水準の収益性を維持しています。これは、主力のERP「OBIC7シリーズ」の堅調な売上と高い利益率が寄与しているためです。
キャッシュフロー
当第3四半期では、営業活動によるキャッシュ・フローは374億54百万円の増加と、高い収益性を背景に資金が積み上がっています。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは39億35百万円の減少となっており、設備投資やM&Aなどに一定の資金を充当しています。財務活動によるキャッシュ・フローは239億44百万円の減少で、主に配当金の支払いによるものです。全体として現金および現金同等物は1,658億95百万円と潤沢な手元流動性を確保しています。
配当の支払額
2023年6月期の年間配当金は270円、2023年12月期第2四半期の中間配当金は130円となっており、株主還元も積極的に行われています。今後も収益力の高さを背景に、適切な利益配分を続けていくことが期待されます。
今後の展望
オービックは、「効率的でコストパフォーマンスの高い情報システム」の提供を目指し、顧客ニーズに合わせたシステム提案ビジネスを強化していく方針です。主力の「OBIC7シリーズ」の販売拡大に加え、自社運営のクラウドサービスの拡充など、ITのフルラインナップで顧客の生産性向上と業務効率化をサポートしていきます。先行投資も継続し、持続的な成長につなげていく考えです。
編集部のまとめ
株式会社オービックは、自社開発製品の高い収益性と顧客満足度の高さで、堅調な業績を続けています。売上高、経常利益、純利益のいずれも2桁増加と好調で、ROAやROEも高水準を維持しています。手元資金も潤沢で、今後の事業展開に向けた投資余力も十分にあると言えるでしょう。今後も「OBIC7シリーズ」を中心とした製品力と、クラウド化への対応などで、持続的な成長が期待されます。
株式会社オービックの決算日や配当についてまとめました。
株式会社オービックの決算日は3月31日で、決算発表は4月上旬に行われます。また、四半期決算報告書の提出は第1四半期が8月、第2四半期が11月、第3四半期が2月、通期が6月となっています。配当については、2023年6月期の年間配当金は270円、2023年12月期第2四半期の中間配当金は130円と、株主還元も積極的に行っています。