株式会社鶴弥の2023年度第3四半期決算報告が公開されました。この粘土瓦メーカーは、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和に向かうなか、販売価格の改定や生産性向上に取り組み、増収増益を実現しました。売上高は前年同期比8.8%減の48.95億円となりましたが、原価率の改善により、営業利益は1.94億円と大幅な増益となりました。今後も新商品の開発や販路拡大に注力し、更なる成長を目指していきます。
企業情報
企業名: 株式会社鶴弥
証券コード: 53860
決算期: 2024年3月期
株式会社鶴弥の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社鶴弥の決算期は3月期で、第3四半期決算は2023年12月31日時点の業績を報告しています。年間の決算は毎年3月に発表されます。
主な事業
株式会社鶴弥は、粘土瓦の製造・販売が主力事業です。主に愛知県を中心に粘土瓦の生産・供給を行っており、主要顧客は地域の工務店や建設・リフォーム会社などです。最近では金属屋根材などの取り扱いも拡大し、住宅外装資材メーカーとしての事業領域を広げています。
今期の業績と利益率は?
今期第3四半期累計の業績は、売上高48.95億円、営業利益1.94億円となりました。前年同期と比べ売上は減少しましたが、原材料費上昇などのコスト増加を販売価格に適切に反映できたことで、売上総利益率は27.1%と大幅に改善されました。コスト管理にも努め、営業利益率も好調に推移しています。
売上・利益の推移
過去3年の業績を見ると、2023年3月期は売上高71.43億円、当期純利益5.64億円と、粘土瓦需要の回復を背景に増収増益を達成しました。一方、今期第3四半期は、新設住宅着工戸数の減少により売上高が減少しましたが、適正価格の実現と生産性向上により、営業利益は大幅に改善されています。
四半期連結貸借対照表について
株式会社鶴弥は個別決算を行っているため、四半期連結貸借対照表は作成していません。従って、以下は個別の四半期貸借対照表の状況になります。
資産の部
2023年12月末時点の総資産は157.75億円で、前事業年度末より3.4億円増加しました。現金及び預金が4.04億円増加したほか、売掛金が減少したことで、流動資産全体で3.05億円増加しています。一方、有形固定資産は減少したものの、投資その他の資産が増加したことで、固定資産も増加しています。
負債の部
負債合計は38.77億円と、前事業年度末から0.36億円増加しました。支払手形や電子記録債務などの増加により、流動負債が増加しています。固定負債は微増にとどまりました。
純資産の部
純資産合計は118.98億円と、前事業年度末より3.01億円増加しました。利益剰余金が増加したことが主な要因です。自己資本比率は75.4%と高い水準を維持しています。
ROAとROE
ROAは前期1.1%から今期第3四半期1.9%へと改善し、ROEも前期6.3%から今期16.5%へと大幅に上昇しています。これは、販売価格の適正化や生産性向上により、営業利益が大幅に改善したことが主な要因です。このペースで推移すれば、通期では過去最高の業績を更新できると期待されます。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは5.91億円の収入となりました。売上債権の減少や税引前利益の計上などが主な要因です。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは1.48億円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは0.38億円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物は前事業年度末より4.04億円増加し、15.76億円となっています。
配当の支払額
2023年6月期の年間配当金は4円、第2四半期末と期末に2円ずつ支払われました。当第3四半期では第3四半期末に3円の中間配当が行われており、年間では7円の配当を見込んでいます。株主還元に積極的に取り組んでいる企業といえます。
今後の展望
今後も新設住宅着工戸数の減少が続くと予想されますが、粘土瓦の高付加価値化や新商品の開発、販路拡大などに注力し、安定的な収益基盤の構築を目指していきます。また、生産性の向上やコスト管理の強化にも注力し、収益力の一層の改善にも取り組んでいく方針です。更なる成長と企業価値の向上を目指していきます。
編集部のまとめ
株式会社鶴弥は、コロナ禍での需要減少や材料価格高騰などの厳しい経営環境下においても、価格改定や生産性向上などに取り組み、第3四半期には増収増益を達成しました。今後も新商品開発や新市場開拓などに注力し、持続的な成長を目指していく方針のようです。今後の業績推移に注目が集まります。
株式会社鶴弥の決算日や配当についてまとめました。
株式会社鶴弥の決算日は3月31日で、通期決算は毎年6月に発表されます。また、年間配当金は7円を見込んでおり、株主還元にも力を入れています。今後の業績と配当への注目が高まりそうです。