ニュースの要約
- IT業界で働いていた45歳の石渡達也氏が、脳出血で失語症となった
- 言語聴覚士が不足しているなか、AIを活用したリハビリアプリの開発に取り組む
- AIとリハビリの共存を議論し、慎重な意見も出たが、人間を支える役割が期待されている
概要
株式会社イー・ウーマンが運営する「ダイバーシティ円卓会議」では、2025年5月に「AI×リハビリ」をテーマに議論を行いました。
その中心人物となったのは、ITマーケターとして活躍していた45歳の石渡達也氏です。石渡氏は脳出血で倒れ、失語症に陥りました。
失語症の当事者として、石渡氏は言語リハビリの課題に直面し、人手不足に悩む言語聴覚士の支援を目的としたアプリ「スピーチリンク」の開発に挑戦しています。
この4週間にわたる議論では、「話せなくなる」ことを想像したことがない人が7割にも上ることがわかりました。失語症の当事者は、「社会との断絶」を最も大きな不安として抱えています。
一方で、言語聴覚士の不足は深刻で、失語症当事者数に比べて圧倒的に少ないのが現状です。
そこで登場したのがAIを活用したリハビリアプリです。初めは懸念の声もありましたが、「AIは人間の力を拡張し、寄り添い、支える」ことができると、石渡氏は提案しています。
この示唆に富んだ議論を通して、「AIとリハビリが共存する時代」への可能性が見えてきました。
編集部の感想
編集部のまとめ
言語リハビリ AIとの共存:ITマーケター石渡達也氏が考える課題と解決策についてまとめました
脳出血で失語症になった石渡達也氏の経験を通して、私たちは「言語リハビリ」の課題に向き合うことができました。
まず驚かされたのは、失語症当事者数が50万人以上に上るのに対し、リハビリを支援する言語聴覚士は3万人程度しかいないという現状です。これでは、十分な支援が行き届いていないのが実情だと分かります。
そこで石渡氏が取り組むのが、AIを活用したリハビリアプリの開発です。初めは「AIは差別の構造を学ぶ」といった懸念の声もありましたが、石渡氏は「AIは人間を支える」と提案しています。
4週間にわたる議論を通して、まさに「AIとリハビリが共存する時代」への可能性が見えてきました。失語症当事者への支援の拡充や、AIと人間が協力してリハビリを行うモデルなど、様々な提案が浮かび上がってきたといえるでしょう。
今回の事例は、社会的な課題に対して、テクノロジーと人間が協力して解決策を見出していくという、新しい時代の在り方を示唆しているのではないでしょうか。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000006921.html