株式会社エムケイシステムの最新の決算報告を分析しました。この企業は人事労務領域のITサービスを提供する会社で、社労夢事業とCuBe事業を展開しています。ランサムウェアの被害などにより四半期の業績は悪化しましたが、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)需要は引き続き高く、今後の業績回復が期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社エムケイシステム
証券コード: 39100
決算期: 2023年3月期
株式会社エムケイシステムの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社エムケイシステムの決算日は3月31日です。四半期の決算報告書は2024年2月6日に提出されています。
主な事業
株式会社エムケイシステムは、社会保険労務士事務所、労働保険事務組合及び一般法人向けに、社会保険、労働保険、給与計算等の手続きをサポートするSaaSやクラウドサービスを提供しています。主力製品は「社労夢(Shalom)」シリーズで、マイナンバー管理システムの「マイナボックス」やWEB年末調整システム「eNEN」なども手掛けています。企業のDX化ニーズにも対応しており、人事労務領域のITサービスとして注目を集めています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が1,788百万円と前年同期比14.1%減となり、親会社株主に帰属する四半期純損失が700百万円と大幅な減益となりました。これはランサムウェアの被害による影響が大きく、システム障害への対応費用が発生したためです。営業利益率は△27.6%と大幅なマイナスとなりました。
売上・利益の推移
直近の3期間の売上高は2,867百万円、2,081百万円、1,788百万円と減少傾向にあります。一方で経常利益は227百万円、124百万円、△417百万円と、今期は大幅な赤字に転落しました。ランサムウェア被害の影響が大きく、先行投資コストの増加などが響いています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は2,456百万円で、前期末比4.0%の減少となっています。主な要因は、ソフトウエアの減少などによる固定資産の減少です。一方、負債合計は1,674百万円と62.1%増加しており、長期借入金の増加が主な要因です。
資産の部
流動資産は1,274百万円で前期末比3.4%増加しました。現金及び預金は654百万円、売掛金は459百万円となっています。固定資産は1,182百万円と10.9%減少しており、ソフトウエアが減少しています。
負債の部
流動負債は863百万円で前期末比3.8%増加しました。短期借入金が300百万円、1年内返済予定の長期借入金が295百万円となっています。固定負債は810百万円と303.4%増加しており、長期借入金が大幅に増加しています。
純資産の部
純資産は782百万円で前期末比48.8%減少しました。利益剰余金が354百万円に減少しているのが主な要因です。自己資本比率は31.6%まで低下しています。
ROAとROE
当第3四半期連結累計期間のROA(総資産経常利益率)は△17.0%、ROE(自己資本利益率)は△61.1%となっています。前年同期と比べると大幅に低下しており、ランサムウェア被害による業績悪化が響いています。今後の業績回復が期待されます。
キャッシュフロー
四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、詳細なキャッシュフローの状況は開示されていませんが、現金及び預金残高は654百万円と健全な水準を維持しています。営業活動によるキャッシュ・フローはランサムウェア被害の影響などから悪化しているものと推察されます。
配当の支払額
当社は、2023年6月22日開催の定時株主総会において、1株当たり8円の配当を実施しています。前期に比べ配当額に変更はありません。
今後の展望
ランサムウェア被害の影響から、当期の業績は大幅な減収減益となりましたが、これらの影響は一時的なものと考えられます。企業のDX化ニーズは高く、主力製品の「社労夢(Shalom)」シリーズやクラウドサービスの「GooooN」の需要は引き続き堅調に推移すると期待されます。今後は事業の安定化と収益力の回復に向けた取り組みが重要となります。
編集部のまとめ
株式会社エムケイシステムは、ランサムウェアの被害により当期の業績が大きく落ち込みましたが、人事労務領域のITサービスを手掛ける企業として、企業のDX化ニーズに応える事業モデルを持っています。ソリューションの差別化とセキュリティ強化、事業の安定化に向けた取り組みが今後の成長につながると期待できます。株主還元についても堅持している点も評価できるでしょう。
株式会社エムケイシステムの決算日や配当についてまとめました。
株式会社エムケイシステムの決算日は3月31日で、2023年6月22日開催の定時株主総会において、1株当たり8円の配当を実施しました。企業のDX化ニーズは旺盛で、主力サービスの需要も堅調に推移しているため、今後の業績回復が期待されます。