株式会社東京精密の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。同社は半導体製造装置と計測機器の二つの事業を手がける、優れた技術力を持つメーカーです。今回の決算では、売上高や利益が前年同期に比べて減少しましたが、依然として高い収益性を維持しています。操業度の落ち込みが見られるものの、中長期的には半導体市場の成長に伴うニーズの高まりを背景に、好業績が続くことが期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社東京精密
証券コード: 77290
決算期: 2023年4月1日~2024年3月31日
株式会社東京精密の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社東京精密の決算日は3月31日です。新年度の始まりとともに決算を行い、6月に定時株主総会を開催しています。また、中間配当は12月に、期末配当は6月に支払われます。
主な事業
株式会社東京精密は、半導体製造装置と計測機器の二つの事業を手がけています。半導体製造装置事業では、ウエハを加工するプロセス装置や検査装置などを開発・製造しています。一方の計測機器事業では、精密測定機器や分析機器などの開発・製造を行っています。両事業ともに、高度な技術力を活かして、世界をリードする製品を手がけています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は、売上高が888.95億円となり、前年同期比で13.8%の減少となりました。一方、営業利益は143.86億円、経常利益は150.58億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は106.15億円となり、いずれも前年同期比で減少しましたが、依然として高い収益性を維持しています。
売上・利益の推移
足元の業績は減少傾向にありますが、過去3年間の売上高は1,468.01億円、経常利益は352.97億円、親会社株主に帰属する当期純利益は236.30億円と、高い水準を維持しています。このように、株式会社東京精密は長年にわたり、安定した収益基盤を築いてきました。
四半期連結貸借対照表について
株式会社東京精密の2023年12月期第3四半期末の連結貸借対照表は、総資産が2,169.86億円、純資産が1,491.05億円となっています。資産の部では、棚卸資産が522.82億円と大幅に増加しており、需要動向を見極めつつ適切な在庫管理を行っていることがうかがえます。一方、負債の部では、有利子負債が200億円と増加しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が350.55億円、受取手形、売掛金及び契約資産が265.72億円、棚卸資産が522.82億円となっています。棚卸資産の増加は、一時的な需要減退の影響を吸収するための対策と考えられます。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が95.16億円、電子記録債務が94.30億円、有利子負債が200億円となっています。有利子負債の増加は、設備投資や運転資金の確保などの目的で借り入れを行ったものと考えられます。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が1,159.39億円、自己資本比率が67.8%と高水準を維持しています。このことから、株式会社東京精密は財務基盤が非常に堅固であるといえます。
ROAとROE
株式会社東京精密のROA(総資産利益率)は過去3年間平均で16.4%、ROE(自己資本利益率)は16.4%と、極めて高い収益性を示しています。これは、同社の強い競争力と高い技術力を反映したものと評価できます。今後も、これらの高水準の収益性を維持していくことが期待されます。
キャッシュフロー
株式会社東京精密は、営業キャッシュ・フローが安定的に確保できています。一方で、設備投資などの投資活動に現金を充当しているため、フリー・キャッシュ・フローはマイナスとなっています。今後も、事業拡大に向けた積極的な投資を続けていくことが見込まれます。
配当の支払額
株式会社東京精密は、安定配当を実施しています。2023年度の年間配当金は215円を予定しており、配当性向は37.0%となる見込みです。株主還元の充実にも力を入れており、今後も適切な利益配分を行っていくことが期待されます。
今後の展望
株式会社東京精密は、半導体製造装置事業と計測機器事業の二つの柱を持つ企業です。足元では、民生エレクトロニクス需要の低迷により一時的な業績の落ち込みが見られますが、中長期的には半導体市場の成長に伴うニーズの高まりを背景に、安定した収益の確保が期待できます。同社の高い技術力と経営基盤を活かして、今後も業績の向上と企業価値の拡大が見込まれます。
編集部のまとめ
株式会社東京精密は、半導体製造装置と計測機器の両事業において高い競争力を有しており、長年にわたって安定した収益を上げています。足元の業績は一時的な需要減退の影響を受けていますが、中長期的な成長力は健在といえます。今後も、同社の高い技術力と経営基盤を活かして、着実な成長が期待できるでしょう。
株式会社東京精密の決算日や配当についてまとめました。
株式会社東京精密の決算日は3月31日で、6月に定時株主総会を開催しています。配当については、中間配当が12月に、期末配当が6月に支払われており、年間配当金は215円、配当性向は37.0%となる見込みです。同社は、株主還元の充実にも力を入れており、今後も適切な利益配分を行っていくことが期待されます。