株式会社千葉銀行の2023年度第3四半期決算報告書が公開されましたね。預金や貸出金が着実に増加し、経常利益も前年同期比で増加するなど良好な業績が続いています。少し気になる部分もありますが、全体としては千葉銀行は強固な経営基盤を維持できているようです。
企業情報
企業名: 株式会社千葉銀行
証券コード: 83310
決算期: 2023年度第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)
株式会社千葉銀行の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社千葉銀行の決算日は3月31日で、第3四半期の決算は12月31日までを締め切りとしています。上場企業の多くが3月決算なので、千葉銀行の決算スケジュールも一般的な流れに沿ったものとなっています。
主な事業
株式会社千葉銀行は銀行業を中心にさまざまな金融サービスを提供している企業です。預金・貸出金や外国為替、証券業務などを主要なビジネスとしており、さらに不動産や信託業務、リース業なども行っています。千葉県を中心に関東圏を中心に店舗展開しており、個人のお客様や法人企業への金融サービス提供に注力しています。
今期の業績と利益率は?
2023年度第3四半期の業績は、経常収益が前年同期比24.1%増の2,318億円、経常利益が同26.9%増の725億円と増収増益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益も同16.6%増の501億円と好調な結果となっています。利益率としては、経常利益率は31.2%と高水準を維持しています。
売上・利益の推移
過去数年の業績をみると、2021年度は収益力が高く、経常利益は739億円と過去最高を記録しました。2022年度はコロナの影響もあって若干の減収減益となりましたが、今期は再び増収増益に転じ、業績は改善傾向にあります。資金運用収支や役務取引等収支が前年同期比で増加しており、収益基盤の強化が進んでいるようです。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の総資産は約20兆4,925億円と前年度末比で約7,046億円増加しています。資産の主要項目を見ると、貸出金が約12兆6,570億円と前年度末比で約5,499億円の増加、預金が約15兆5,103億円と前年度末比で約1,022億円の増加となっています。
資産の部
資産の部では、貸出金が大きく増加しているほか、有価証券も同155億円増加しています。また、現金預け金も増加基調にあり、全体として資産規模が大きく拡大しています。このように顧客への貸出や運用資産の積み増しが進んでいる状況がうかがえます。
負債の部
負債の部では、預金が1兆5,510億円と前年度末比で増加しています。一方で、譲渡性預金は435億円に減少しており、預金の質的な改善も進んでいるといえます。また、借用金も増加しており、資金調達面でも安定した調達ができている様子がうかがえます。
純資産の部
純資産の部は、115,468百万円と前年度末比で増加しています。利益剰余金が増加していることに加え、その他有価証券評価差額金も42,970百万円増加するなど、財務基盤の強化が進んでいます。
ROAとROE
ROA(総資産経常利益率)は前年同期の1.16%から1.39%へと改善しており、効率的な資産運用が行われている様子がうかがえます。一方でROE(自己資本当期純利益率)は前年同期の6.48%から現在の5.58%に低下しています。これは自己資本の積み上げが進んだことによるものと考えられます。自己資本の充実化と収益性のバランスが重要課題であると言えるでしょう。
キャッシュフロー
第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローをみると、営業活動によるキャッシュ・フローは約9,000億円の収入となっています。これは主に預金の増加と貸出金の増加によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは有価証券の取得などにより約1,200億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは約300億円の支出となっており、主に配当金の支払によるものです。全体として営業活動によるキャッシュ・フローが大きく、良好な資金繰り状況が続いています。
配当の支払額
2023年度の中間配当は1株当たり15円が支払われ、年間配当予想は30円となっています。2022年度の年間配当が26円だったことから、増配基調が続いていると言えるでしょう。安定的な配当政策を維持しつつ、内部留保の積み上げにも力を入れていることが分かります。
今後の展望
株式会社千葉銀行は、地域密着型金融の強化と事業の多角化に取り組んでおり、預金・貸出金の増強やフィー収入の拡大などに成果が出ています。今後は地域のお客様への高度な金融サービスの提供に注力し、更なる収益力の向上と株主還元の充実に努める方針です。経営基盤の強化と持続的な成長の実現に向けて、今後の動向に注目が集まるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社千葉銀行の2023年度第3四半期決算は、増収増益と好調な業績となりました。経常利益率が31.2%と高水準を維持しているほか、預金・貸出金が増加傾向にあり、財務基盤も強化されています。ROAの改善や配当の増加など、株主還元の向上にも取り組んでいます。今後は地域密着型金融の強化やフィー収入の拡大に期待がかかっており、持続的な成長に向けた動きが注目されます。
株式会社千葉銀行の決算日や配当についてまとめました。
株式会社千葉銀行の決算日は3月31日で、第3四半期の決算は12月31日までを対象としています。2023年度の年間配当予想は1株当たり30円と、前期から増配となっています。安定的な配当政策が続く一方で、内部留保の積み上げも行われており、株主還元と経営基盤の強化のバランスが取れている様子がうかがえます。