今回はイビデン株式会社の最新の決算報告をご紹介します。イビデン株式会社は、電子事業やセラミック事業など、幅広い分野で事業展開している製造業の老舗企業です。この企業の直近の業績をチェックして、同社の今後の展望を探っていきたいと思います。
企業情報
企業名: イビデン株式会社
証券コード: 4062
決算期: 2023年3月期
イビデン株式会社の決算日・決算時期(スケジュール）は？
イビデン株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期決算の今回の報告書は2023年12月31日時点のものになります。毎年4月から翌年3月までの1年間を事業年度としており、通期決算は年に1回、四半期決算は年に4回行っています。
主な事業
イビデン株式会社は、電子部品の製造・販売を中心とした電子事業と、自動車排気系部品や触媒担体保持材といったセラミック製品の製造・販売を行うセラミック事業の2つの主要事業を展開しています。また、建設工事や合成樹脂加工事業などのその他の事業も手掛けています。幅広い事業ポートフォリオを持つ製造業のリーディングカンパニーです。
今期の業績と利益率は？
今回の第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が2,801億67百万円と前年同期比11.5%の減少となりました。一方、営業利益は369億47百万円と39.6%の減少が見られました。経常利益も404億7百万円と37.8%の減少となりました。利益面では厳しい状況でしたが、売上高に対する営業利益率は13.2%と高水準を維持できています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、2022年3月期は過去最高の売上高と経常利益を達成しましたが、直近の2023年3月期第3四半期累計では売上高と利益が減少に転じています。半導体や自動車市場の需要減少の影響を受けているものの、前年度並みの高い利益率を維持している点が注目されます。
四半期連結貸借対照表について
資産の部
2023年12月末の総資産は9,064億64百万円と、前期末に比べ5.7%の増加となりました。これは主に建設仮勘定が651億8百万円増加したことによります。一方で現金及び預金が250億7百万円減少しています。
負債の部
負債合計は4,382億90百万円と前期末から1.5%増加しました。設備関係電子記録債務が201億79百万円増加した一方で、未払法人税等が127億47百万円減少しています。
純資産の部
純資産は4,681億74百万円と、前期末から10.0%増加しました。利益剰余金が217億99百万円、その他有価証券評価差額金が157億82百万円増加したことが主な要因です。
ROAとROE
資本効率を表す指標のROA(総資産経常利益率)は4.5%、ROE(自己資本利益率)は5.9%となりました。前年同期と比べROAは1.6ポイント、ROEは1.8ポイント低下しています。収益性は一時的に悪化しているものの、依然として高い水準を維持している様子がうかがえます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが374億15百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが599億72百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが56億92百万円の支出となりました。全体としては現金及び預金が250億7百万円減少しています。
配当の支払額
2023年度の中間配当は1株当たり20円、年間配当は年40円を予定しています。前年同期比では増額配当となる見通しです。安定的な配当政策を継続しています。
今後の展望
イビデン株式会社は、2023年度から新たな5ヵ年の中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」をスタートさせています。生産性向上やDXの推進など、事業基盤の強化に取り組んでいきます。サーバー向けパッケージ製品や自動車排気系部品など、成長分野での需要取り込みに期待が高まっています。厳しい事業環境が続くものの、同社の技術力とグローバルな事業展開を活かして、更なる飛躍が期待できそうです。
編集部のまとめ
イビデン株式会社は電子部品や自動車部品などの製造を主力とする老舗の製造業です。今期は経済環境の悪化で収益性が一時的に低下しましたが、高い利益率を維持しており、中期的には業績回復が期待できます。新中期経営計画でさらなる成長を目指す同社の今後の動向に注目が集まっています。
イビデン株式会社の決算日や配当についてまとめました。
イビデン株式会社の決算日は3月31日で、四半期決算は年4回行われています。配当は年間40円を予定しており、安定した配当政策を続けています。同社は電子部品やセラミック製品の製造を中心とした事業で、今後の成長に期待が高まっています。
