財務数値が前期を上回って大幅増益となった綜研化学株式会社(49720)の決算内容を分かりやすくご紹介します。主力のケミカルズ事業が好調に推移し、営業利益が前年同期比112.4%増加するなど、企業業績は順調に拡大しています。今後の成長性にも期待が高まっているようです。
企業情報
企業名: 綜研化学株式会社
証券コード: 49720
決算期: 3月期
綜研化学株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
綜研化学株式会社は、3月31日を決算日とする企業です。通常の決算スケジュールに則り、4月上旬に期末決算、11月上旬に第2四半期決算、2月上旬に第3四半期決算を行っています。
主な事業
綜研化学は、粘着剤や微粉体、特殊機能材などのケミカル製品の製造・販売を主な事業としています。特に、液晶ディスプレイ向けの粘着剤が主力製品となっています。一方で、装置システム事業においても、設備関連の受注が堅調に推移しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が310億11百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益は31億33百万円(前年同期比112.4%増)と大幅な増収増益となりました。主力のケミカルズ事業が好調だったことが大きな要因です。営業利益率は10.1%と2割以上改善するなど、収益性も高まってきています。
売上・利益の推移
過去3年の業績推移をみると、売上高は290億円前後で推移しています。一方で、営業利益は大幅に改善し、前期の14.8億円から当期は31.3億円まで増加しました。利益率の向上が顕著です。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は501億37百万円と、前期末から28億62百万円増加しました。流動資産は293億62百万円、固定資産は207億75百万円となっています。
資産の部
流動資産では、受取手形・売掛金が増加したことなどから、前期末比20億73百万円増加しました。一方、固定資産は有形固定資産の増加などから、前期末比7億88百万円増加しています。
負債の部
負債合計は174億9百万円で、前期末から1億11百万円増加しました。短期借入金が減少したものの、契約負債などのその他流動負債が増加したことが主な要因です。
純資産の部
純資産は327億27百万円と、前期末から27億50百万円増加しました。利益剰余金、為替換算調整勘定の増加が主因です。この結果、自己資本比率は前期末の63.4%から65.3%まで上昇しました。
ROAとROE
ROAは前期3.7%から当期4.7%に改善し、ROEは前期6.0%から当期7.2%に上昇しています。収益性の向上と資本効率の改善が進んでおり、企業価値の向上につながっていると言えるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フローが25億円のプラスとなっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは13億円のマイナスとなりました。設備投資を行いつつ、営業活動の収益力が高まっていると言えるでしょう。
配当の支払額
当期の年間配当金は85円と、前期の75円から増額となっています。配当性向は30%前後で推移しており、株主還元にも積極的に取り組んでいます。
今後の展望
経営陣は、中国シフトが進む液晶ディスプレイ関連需要への対応強化、自動車や情報・電子デバイスなど成長分野での新規ニーズ開拓に注力していく方針です。また、環境変化にも強い事業構造の構築を進めていく考えです。中期的な成長力の維持・向上が期待できそうです。
編集部のまとめ
綜研化学は、主力のケミカルズ事業が好調に推移し、増収増益を達成しました。収益性の改善やキャッシュ創出力の向上など、企業体質の強化が進んでいる印象です。今後も中国市場やグリーン領域での成長が期待されており、中長期的な企業価値の向上が期待できそうです。
綜研化学株式会社の決算日や配当についてまとめました。
綜研化学は3月31日を決算日としており、通常の決算スケジュールに沿って年4回の決算を行っています。配当金は1株当たり85円と前期から増額され、配当性向も30%前後と株主還元にも注力していることがわかりました。今後の事業展開や株主還元策にも注目が集まりそうです。