北陸地域を中心に電力供給を行う北陸電力株式会社の2023年度第3四半期決算が発表されました。売上高は5,937億円で前年同期比2.3%増加、経常利益は851億円と大幅な黒字となりました。省エネ意識の高まりなどで販売電力量は減少したものの、小売・託送料金の改定や電力市場の活用など、経営効率化に取り組んだ結果、収支は大幅に改善されています。今後も再生可能エネルギーの導入や新事業の展開、財務基盤の強化など、持続的な成長を目指していきます。
企業情報
企業名: 北陸電力株式会社
証券コード: E04503
決算期: 2023年3月期
北陸電力株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
北陸電力株式会社の決算期は3月31日です。通常は4月から翌年3月までの1年間となっており、第3四半期決算は12月31日時点の業績を発表しています。
主な事業
北陸電力株式会社は、主に北陸三県(富山県、石川県、福井県)と岐阜県の一部地域に電気を供給する電力会社です。電気の発電、送電、配電、小売りなどの電気事業を中核として、情報通信やエネルギーソリューション、環境調査、建設工事など、電力関連の事業を幅広く展開しています。
今期の業績と利益率は?
2023年度第3四半期の業績は、売上高が5,937億円、経常利益が851億円と大幅な黒字となりました。販売電力量の減少はありましたが、小売・託送料金の改定や電力市場の活用などの効率化策により、収支を大きく改善させています。この結果、経常利益率は14.3%となりました。
売上・利益の推移
過去3年間の業績を見ると、売上高は2022年度が8,176億円、2023年度見通しは8,500億円前後と推移しています。利益面では、2022年度は経常損失となりましたが、2023年度第3四半期は経常利益851億円と大幅な黒字に転換しています。経営効率化の取り組みが奏功し、収支が大きく改善されてきています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の連結貸借対照表では、総資産が1兆8,010億円、負債が1兆4,814億円、純資産が3,196億円となっています。前期末と比較して、負債が716億円減少し、純資産が673億円増加しています。財務基盤の改善が進んでいます。
資産の部
資産合計は前期末から42億円減少しています。これは、棚卸資産の減少などによるものです。
負債の部
負債合計は前期末から716億円減少しています。これは、有利子負債の減少などによるものです。
純資産の部
純資産合計は前期末から673億円増加しています。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などによるものです。
ROAとROE
2023年度第3四半期のROAは1.1%、ROEは6.0%となっています。前年同期はROAがマイナス、ROEが-12.6%と大幅なマイナスでしたが、収支改善に伴い改善が進んでいます。設備投資や財務戦略の見直しなどを進め、収益性の向上と財務体質の強化を図っています。
キャッシュフロー
2023年度第3四半期のキャッシュフローでは、営業活動によるキャッシュ・フローが859億円の収入となる一方で、投資活動によるキャッシュ・フローが464億円の支出となりました。有利子負債の削減などにより、財務活動によるキャッシュ・フローは426億円の支出となっています。財務の健全化が着実に進んでいます。
配当の支払額
2023年度第3四半期の配当については、取締役会で中間配当の見送りが決議されました。財務基盤の回復に注力するため、内部留保の確保に重点を置いているためです。今後の業績動向を見ながら、適切な株主還元策を検討していく方針です。
今後の展望
北陸電力は、カーボンニュートラルの実現や新事業の展開、財務基盤の強化などを目指す「北陸電力グループ新中期経営計画」に取り組んでいます。2027年度には連結経常利益450億円以上、連結自己資本比率20%以上を目標としています。再生可能エネルギーの導入拡大、省エネ・エネルギーソリューション事業の強化、事業の選択と集中などにより、持続的な成長を実現していきます。
編集部のまとめ
北陸電力株式会社の2023年度第3四半期決算は、販売電力量の減少にもかかわらず、効率的な経営と収支改善策の効果により大幅な黒字となりました。財務基盤の強化も進んでおり、今後の成長に向けた基盤が固まりつつあります。長期のカーボンニュートラル実現と新事業の創出にも意欲的で、中長期的な企業価値向上が期待されます。
北陸電力株式会社の決算日や配当についてまとめました。
北陸電力株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期決算は12月31日時点の業績を発表しています。2023年度第3四半期は大幅な増益となりましたが、配当については内部留保の確保のため、中間配当は見送られました。今後の業績次第で、適切な株主還元策が検討されることでしょう。