日本ケミコン株式会社の決算書を分析したところ、同社は電解コンデンサやフィルムコンデンサなどの高機能部品を製造・販売する大手企業です。売上高1,160億円、営業利益72億円という業績を残しました。
企業情報
企業名: 日本ケミコン株式会社
証券コード: 6970
決算期: 3月
日本ケミコン株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本ケミコン株式会社の決算期は3月31日です。通期の決算は毎年5月下旬に発表され、四半期決算は8月、11月、2月に発表されます。
主な事業
日本ケミコン株式会社は、電解コンデンサ、フィルムコンデンサなどの電子部品の製造・販売を主な事業としています。特に車載市場向けや情報通信機器市場向けの高機能・高品質な製品を得意としています。
また、カメラモジュールやコイルなどのメカ部品の事業も手掛けています。
今期の業績と利益率は?
今期の連結業績は、売上高1,160億円、営業利益72億円と前年同期に比べ減収・減益となりました。
車載市場やICT市場の需要減少により売上が減少したものの、高付加価値製品の拡販などにより、営業利益率は6.2%と一定の収益性を確保できています。
売上・利益の推移
過去3期の推移を見ると、売上高は161,881百万円→119,899百万円→116,021百万円と減少傾向にあります。一方、営業利益は10,994百万円→9,013百万円→7,208百万円と減少が続いています。市場環境の悪化や部材調達の影響などを受けて業績が伸び悩む状況にあります。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の連結貸借対照表を見ると、資産合計は1,752億円となっています。前期末から125億円増加しており、現金及び預金が177億円増加したことが主な要因です。一方、負債合計は1,275億円と前期末から155億円増加しています。これは借入金が204億円増加したことが主な要因です。
資産の部
流動資産は1,076億円と前期末から99億円増加しました。現金及び預金が増加したことが主な要因です。固定資産は675億円と25億円増加しています。
負債の部
流動負債は779億円と前期末から187億円増加しました。短期借入金が223億円増加したことが主な要因です。固定負債は496億円と前期末から30億円減少しました。
純資産の部
純資産は476億円と前期末から30億円減少しました。第三者割当増資により資本金と資本剰余金が増加したものの、親会社株主に帰属する四半期純損失221億円を計上したことが主な要因です。
ROAとROE
ROAは前期4.3%から当期2.8%に低下し、ROEも前期10.7%から当期-40.6%に大幅に減少しています。
これは独占禁止法関連損失29,276百万円を計上したことが主な要因です。収益性と資本効率の低下が課題となっています。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは135億円のプラスとなり、投資活動によるキャッシュ・フローは-78億円のマイナスでした。財務活動によるキャッシュ・フローは121億円のプラスとなり、現金及び現金同等物は177億円増加しました。
配当の支払額
今期の期末配当は見送られる見通しで、年間配当は無配となる見込みです。
業績悪化と独占禁止法関連損失の計上により、内部留保の確保が優先されたものと考えられます。
今後の展望
国内外の景気減速の影響を受けて業績は低迷する見通しですが、車載向けや情報通信機器向けの高付加価値製品の拡販や生産性の向上に取り組み、収益力の改善を目指しています。また、第三者割当増資により資本の強化を図る一方、独占禁止法関連損失の解消を進めていく方針です。
編集部のまとめ
日本ケミコン株式会社は、電子部品の製造・販売を中心に事業を展開する大手企業です。最近は国内外の景気減速の影響を受け業績が低迷していますが、高付加価値製品の拡販やコスト削減などに取り組んでおり、収益力の改善が期待されます。また、第三者割当増資による資本の強化も進めています。今後の更なる成長に注目していきたいと思います。
日本ケミコン株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本ケミコン株式会社の決算期は3月31日で、四半期決算は8月、11月、2月に発表されます。
今期の業績は減収減益となり、配当は見送られる見通しです。今後は高付加価値製品の拡販やコスト削減、資本の強化に取り組み、収益力の改善が期待されます。