ニュースの要約
- 世界的に高い評価を受ける技術哲学・スペキュラティブデザイン研究者のベンジャミン・ブラットン氏が主宰するシンクタンク「Antikythera」が、日本で初めてシンポジウム「Antikythera Tokyo」を開催
- 人工知能やロボット工学、人工生命の急速な進化に対し、それを記述する概念や哲学の構築が追いついていない現状に着目し、「”Artificial” 生命、知能、惑星の人工化」をテーマに議論する
- 「惑星規模のコンピュテーション」をテーマに、哲学、アート、建築などの分野横断的な実践者・研究者が集うセッションを開催
概要
世界的に高い評価を受ける技術哲学/スペキュラティブ・デザインの研究者であるベンジャミン・ブラットン氏が主宰するシンクタンク「Antikythera」による、シンポジウム「Antikythera Tokyo」が、一般社団法人デサイロとの共催により日本で初めて開催されます。
「世界最古のコンピューター」が発見されたアンティキティラ島にちなんで名付けられた「Antikythera」は、惑星規模のコンピュテーション(Planetary Computation)を哲学的・技術的・地政学的な力として再定位することを目指したシンクタンクです。
現代は、人工知能やロボット工学、人工生命の進展により、「デザインされた生物的なるもの」とは何かを問う研究が注目を集めています。これらの分野が互いに混ざり合い、対話を重ねることで、「人工とは何か?」という根源的な問いが浮かび上がっています。
今回のイベントでは、ブラットン氏と、Google バイスプレジデント兼フェローのブレイス・アグエラ・ヤルカス氏による基調講演を経て、人工生命、人工知能、ロボット工学、建築、デザイン、哲学、人文学などの分野横断の実践者/研究者が集うトークセッションが行われます。
第1部では「Synthetic Intelligence(合成された知能)」をテーマに、人工生命、人工知能、ロボット工学の研究が交わることで立ち現れてきた知能や生命観について議論します。
第2部の「Planetary Sapience(惑星規模の知性)」では、哲学者、アーティスト、建築家らが、惑星的思考を前提としたときの、生命や知能、都市や人間の生存可能性について考えを深めていきます。
会場となるのは、東京・お台場の日本科学未来館。直径6メートルの球体ディスプレイにみずみずしい地球の姿を映し出す「ジオ・コスモス」を眺めながら、実験的な対話を通じて描かれる未来像を体感していただけます。
編集部の感想
編集部のまとめ
Antikythera Tokyo:「惑星規模のコンピュテーション」を前提とした時代の”新しい哲学”を構築する、日本初開催についてまとめました
技術の急速な進化に対して、それを適切に捉え、説明する概念や哲学の構築が追いついていないという現状に注目したこのイベント。
人工知能やロボット工学、人工生命といった分野が融合し、新たな可能性を秘めた一方で、そうした技術進化の本質的な意味や影響を理解することが喫緊の課題となっています。
「Antikythera Tokyo」では、哲学、アート、建築といった分野の第一線の研究者が一堂に会し、「人工」の本質について議論を深めていきます。特に注目なのが、「惑星規模のコンピュテーション」という視点です。地球規模の課題に対して、この視点がどのような示唆を与えてくれるのか、大変興味深いと感じます。
近年の技術進化は、私たちの価値観や生活の在り方を根底から覆しつつあります。そうした中で、この取り組みが、技術と人間、そして地球の在り方について、新たな視座を提示してくれることを期待しましょう。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000109034.html