セレンディップ・ホールディングス株式会社の2023年12月期第3四半期決算を解説します。前期に比べ、売上高は40.8%増加し、経常利益は499.4%増と大幅に伸長しています。モノづくり企業の業績が好調なことや、中堅・中小企業の事業承継ニーズの高まりなどが好影響を与えているようですね。注目すべきポイントをお届けします。
企業情報
企業名: セレンディップ・ホールディングス株式会社
証券コード: 73180
決算期: 3月期
セレンディップ・ホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
セレンディップ・ホールディングス株式会社の決算期は3月期です。第3四半期決算の発表は2024年2月8日に行われました。毎年4月に期首を迎え、翌年3月に期末を迎える企業スケジュールとなっています。
主な事業
セレンディップ・ホールディングス株式会社は、モノづくり事業とプロフェッショナル・ソリューション事業、インベストメント事業の3つを主要な事業領域としています。モノづくり企業の経営改善支援やM&Aを通じた事業承継支援など、中堅・中小企業の経営課題解決に取り組んでいます。最近では、自動車内外装部品製造や精密部品製造、FA装置製造など、さまざまな分野のモノづくり企業を傘下に持つ企業グループに成長しています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の連結業績は、売上高が14,813,126千円と前年同期比40.8%の大幅増収となりました。また、経常利益は734,383千円と前年同期比499.4%の大幅な増益となっています。自動車関連の部品供給が回復し、モノづくり事業の業績が好調に推移したことが大きな要因です。利益率も経常利益率4.9%と、前年同期の1.2%から大きく改善しています。
売上・利益の推移
直近の3年間の売上高と経常利益を見ると、売上高は2022年3月期10,517,402千円、2023年3月期15,195,426千円、そして2023年12月期第3四半期14,813,126千円と、着実に増加してきています。経常利益も2022年3月期▲115,248千円、2023年3月期548,062千円、2023年12月期第3四半期734,383千円と、大幅な改善傾向にあります。従来の収益構造から脱却し、収益力が向上してきていると評価できそうです。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月期第3四半期末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は16,991,971千円と、前期末比823,507千円の増加となっています。これは主に現金及び預金の増加や投資有価証券の時価評価に伴う増加などによるものです。一方、負債合計は11,510,587千円と、前期末比178,523千円の減少となっています。長期借入金の返済等により固定負債が減少したことが要因です。純資産は5,481,384千円と、前期末比1,002,030千円の増加となっており、利益剰余金の積み上がりやその他有価証券評価差額金の増加などが背景にあります。
資産の部
資産の部では、流動資産が8,165,679千円、固定資産が8,826,291千円となっています。流動資産では現金及び預金の増加、固定資産では投資有価証券の時価評価による増加が特徴的です。全体として、財務体質の強化が進んでいると言えるでしょう。
負債の部
負債の部では、流動負債が5,889,187千円、固定負債が5,621,399千円となっています。流動負債では電子記録債務の増加があった一方で、長期借入金の返済により固定負債が減少しています。有利子負債の圧縮が進んでいる様子が見受けられます。
純資産の部
純資産の部では、5,481,384千円と前期末から1,002,030千円増加しています。利益剰余金の蓄積や有価証券評価差額金の増加などによるものです。自己資本比率も32.2%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
ROA(総資産経常利益率)は前期の3.4%から4.3%に改善し、ROE(自己資本当期純利益率)も前期の12.3%から10.0%となりました。利益率の改善とともに、資産効率の向上と財務体質の強化が進んでいるとみられます。収益力の高い企業に変貌しつつあるといえるでしょう。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは1,113,985千円のプラスとなり、投資活動によるキャッシュ・フローが▲593,372千円、財務活動によるキャッシュ・フローが△228,421千円となりました。全体として現金及び現金同等物が757,946千円増加し、手元流動性が強化されています。借入金の返済などにより財務面での健全性も高まってきています。
配当の支払額
過去3期連続で配当は行われておらず、今期も無配となっています。成長投資に経営資源を充当する方針のようですが、今後の業績の継続的な改善と、株主還元策の検討に期待したいところです。
今後の展望
セレンディップ・ホールディングスは、コンサルティングやM&A、ものづくり企業のDX支援など、中堅・中小企業の経営課題解決に注力しています。今期の好業績を背景に、更なる収益力の向上と財務体質の強化に取り組む方針のようです。自動車関連の回復基調が続くことや、事業承継ニーズの高まりなど、同社の事業領域において好機が見込まれています。中長期的な成長に期待が高まっている企業といえるでしょう。
編集部のまとめ
セレンディップ・ホールディングスは、ものづくり企業の経営改善支援やM&Aを通じた事業承継支援などに注力する企業グループです。直近の決算では、自動車関連の部品供給回復や事業承継需要の高まりを背景に、大幅な増収増益を果たしました。財務体質の強化も進み、ROAやROEなどの収益性指標も改善傾向にあります。今後も中堅・中小企業の経営課題解決に貢献し、持続的な成長が期待できる企業といえるでしょう。
セレンディップ・ホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
セレンディップ・ホールディングス株式会社は3月決算の企業で、第3四半期決算の発表は2024年2月8日に行われました。直近3年間では着実に業績を伸ばしており、経常利益率も大幅に改善しています。一方で、過去3期連続で配当は無配となっています。今後は、さらなる収益力の向上と株主還元策の検討に期待したいところです。