今期の決算発表からは、第一工業製薬株式会社の業績が大幅に改善されたことが分かります。不振だった機能材料や電子デバイス材料の市況回復や、価格転嫁、経費削減などの対策がうまく機能し、増収増益となりました。会社は「成果への執着心」をモットーに持続的な発展を目指しており、先行きに期待がもてそうです。
企業情報
企業名: 第一工業製薬株式会社
証券コード: 44610
決算期: 2023年3月31日
第一工業製薬株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
第一工業製薬株式会社の決算日は3月31日です。 四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日、3月31日の各四半期末に行われています。
主な事業
第一工業製薬株式会社は、界面活性剤、アメニティ材料、ウレタン材料、機能材料、電子デバイス材料、ライフサイエンスなどの幅広い分野で事業を展開しています。特に半導体やディスプレイ関連の材料などが同社の強みとなっています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、全体として減収減益となりましたが、当四半期(10-12月)の前年同期比較では大幅な増収増益となりました。これは、原材料・エネルギー価格の高騰や販売の落ち込みの影響を受けたものの、半導体やディスプレイ関連の市況回復、価格転嫁、経費削減などの各種対策が奏功したためです。
売上・利益の推移
当第3四半期連結累計期間の売上高は456億34百万円(前年同期比7.1%減)、営業利益は5億29百万円(前年同期比46.4%減)、経常利益は5億56百万円(前年同期比48.4%減)となりました。但し前年同期は大きな減損損失を計上していたため、今期の親会社株主に帰属する四半期純利益は2億99百万円(前年同期は3億95百万円の損失)と大幅な改善となりました。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は926億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ76億35百万円増加しました。流動資産は528億70百万円、固定資産は397億90百万円となっています。
資産の部
流動資産の増加は主に現金及び預金の増加と受取手形及び売掛金の増加によるものです。一方で固定資産では投資有価証券が増加した一方で、繰延税金資産が減少しています。
負債の部
負債合計は531億67百万円で、前連結会計年度末に比べ64億38百万円増加しました。これは主に支払手形及び買掛金の増加と短期・長期借入金の増加によるものです。
純資産の部
純資産合計は394億93百万円で、前連結会計年度末に比べ11億96百万円増加しました。この主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上やその他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の増加などです。
ROAとROE
現時点のROAは2.08%、ROEは2.79%となっています。前期からROAは上昇しているものの、ROEはわずかに低下しています。これは、借入金の増加によって自己資本が相対的に減少したことなどが影響しているものと考えられます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況については、詳細な情報が提供されていませんが、営業活動によるキャッシュ・フローが増加し、投資活動、財務活動によるキャッシュ・フローも増加したことが窺えます。
配当の支払額
当期の中間配当金は1株当たり20円、期末配当金は1株当たり20円の合計年間配当金は1株当たり40円となりました。前期の年間配当金は1株当たり45円だったため、やや減少しています。
今後の展望
第一工業製薬は、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画「FELIZ 115」の目標達成に向けて、価格転嫁と経費削減の継続、研究開発テーマの早期実績化により確実な収益確保をめざしています。また、「成果への執着心」をモットーに、人事制度の刷新と人材育成の強化により、企業の持続的な発展につなげていくとしています。
編集部のまとめ
第一工業製薬の今期決算は、前期の減損損失の影響から大幅な改善を見せ、増収増益となりました。原材料高騰や販売不振などの厳しい環境下でも、様々な対策が奏功し、収益面での底入れが図れたと評価できます。今後は、さらなる成長に向けた施策に期待が高まります。
第一工業製薬株式会社の決算日や配当についてまとめました。
第一工業製薬の決算日は3月31日で、四半期決算は6月、9月、12月、3月の各四半期末に行われています。配当金は、中間配当が1株当たり20円、期末配当が1株当たり20円の年間40円となっています。同社はこれからの成長に向けて注目されるでしょう。