西日本鉄道株式会社の決算報告をご紹介します。ここ数期、新型コロナウイルス感染症の影響で業績が低迷していましたが、感染症が収束に向かい、社会・経済活動の正常化が進んできたことで、全体として好調な業績となりました。
企業情報
企業名: 西日本鉄道株式会社
証券コード: 90310
決算期: 2024年3月期
西日本鉄道株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
西日本鉄道の決算日は3月31日で、毎年6月に定時株主総会を開催し、同時に決算報告を発表しています。その後、11月には中間配当の支払いが行われます。
主な事業
西日本鉄道は、鉄道・バス事業を中心に、不動産、物流、レジャー・サービス等、多岐にわたる事業を展開しています。特に鉄道事業では、福岡市を中心とした九州地方を主要な事業エリアとしており、安定した収益基盤を築いています。また、物流事業では国際物流を手がけるなど、事業の多角化にも力を入れています。
今期の業績と利益率は?
今期の決算では、営業収益は3,037億円、営業利益は183億円と、前年同期と比べ減収減益となりました。しかし、新型コロナの影響が和らぐにつれ、旅客需要の回復や不動産・レジャー事業の好調などが寄与し、経常利益は186億円と高水準を維持しました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は166億円と大幅増益となりました。
売上・利益の推移
過去数期の売上高は、新型コロナの影響で大きく落ち込んでいましたが、今期は回復基調に転じています。一方で、営業利益と経常利益は、為替変動の影響等から減益となっていますが、親会社株主に帰属する四半期純利益は、固定資産売却益等により大幅増益を記録しました。今後は、さらなる事業の回復が期待されています。
四半期連結貸借対照表について
西日本鉄道の総資産は7,105億円と、前期末から250億円増加しました。有形固定資産が増加したことが主な要因です。一方、負債は4,870億円と31億円増加し、純資産は2,235億円と216億円の増加となりました。これにより、自己資本比率は30.5%と、前期末より2.0ポイント上昇しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金の減少がある一方で、有形固定資産の増加が全体の増加を牽引しました。固定資産の増加は、主に不動産開発事業の進捗によるものです。
負債の部
負債の部では、有利子負債の減少はあるものの、仕入債務の増加などにより、全体としては増加しました。負債の圧縮に向けた取り組みが進んでいます。
純資産の部
純資産の部では、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や、為替換算調整勘定の増加などにより、前期末から大幅に増加しました。自己資本比率も改善傾向にあります。
ROAとROE
西日本鉄道のROA(総資産経常利益率)は2.6%、ROE(自己資本当期純利益率)は9.3%となっています。前期と比べ、ROAは若干低下したものの、ROEは大幅に改善しました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益が大幅に増加したことが主な要因です。今後は、さらなる収益力の向上により、両指標の改善が期待されます。
キャッシュフロー
西日本鉄道のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが増加したものの、投資活動によるキャッシュ・フローの減少により、全体としては減少しています。今後も積極的な設備投資が予想されますが、安定的な営業CF創出により、適切な資金調達と財務体質の強化が期待されます。
配当の支払額
西日本鉄道の配当方針は、安定的な配当の継続を目指しています。今期は、中間配当として1株当たり17.50円を支払っており、この水準を維持する方針です。今後、収益力の回復に合わせて、更なる増配も期待できるでしょう。
今後の展望
西日本鉄道は、新型コロナ禍からの回復基調を確認できた上で、安定収益の確保と、更なる事業の拡大に注力していく方針です。鉄道事業を中心に、不動産や物流、レジャー事業など、グループ全体の収益力を高め、企業価値の向上につなげていくことが期待されます。
編集部のまとめ
西日本鉄道の決算は、新型コロナ禍からの回復基調が鮮明になってきたと言えるでしょう。営業利益や経常利益は減少したものの、純利益は大幅増加するなど、収益性は改善傾向にあります。今後も、グループ全体の収益力向上に向けた取り組みに期待が高まります。
西日本鉄道株式会社の決算日や配当についてまとめました。
西日本鉄道の決算日は毎年3月31日で、6月に定時株主総会を開催し、年間配当を発表します。また、11月には中間配当も支払われるなど、株主還元にも力を入れています。今後も、安定配当の維持はもちろん、更なる増配にも期待がかかっています。