信越ポリマー株式会社の2023年12月期の決算報告が公表されました。同社は、自動車関連や半導体産業関連の部品を製造・販売する企業で、上場企業の中では比較的小さめの規模ながら、成長に期待がかかっている注目株の1つです。
企業情報
企業名: 信越ポリマー株式会社
証券コード: 79700
決算期: 2023年3月期(第64期)
信越ポリマー株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
信越ポリマー株式会社の決算期は3月期で、12月決算の第3四半期決算の報告が先日発表されました。次の通期決算は2024年3月31日が決算日になる予定です。
主な事業
信越ポリマー株式会社は、自動車関連部品や半導体製造装置部品、情報通信機器部品などのプラスチック製品の開発・製造・販売を主な事業としています。主力製品は、車載用タッチパネルやディスプレイ関連部品、半導体製造装置用の容器やテープなどです。また、住宅・建材関連のポリ塩化ビニール製品なども手がけています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期の第3四半期累計期間の業績は、売上高が80,289百万円、営業利益が8,926百万円、経常利益が9,277百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が6,850百万円となりました。売上高は前年同期比で2.3%減となりましたが、利益面では営業利益が17.0%減、経常利益が16.6%減、純利益が10.2%減と、減益ながらも高い利益率を維持しています。
売上・利益の推移
直近3年の業績推移をみると、2022年3月期は売上高が108,278百万円、経常利益が12,986百万円と過去最高を記録しました。2023年3月期第3四半期では、新型コロナ禍の影響もありましたが、売上高82,175百万円、経常利益11,120百万円と、引き続き高水準の業績を残しています。この先の成長にも期待がかかっています。
四半期連結貸借対照表について
直近の2023年12月31日時点の資産総額は144,403百万円と、前期末比9,038百万円の増加となっています。これは主に、現金及び預金の減少3,109百万円に対し、建設仮勘定の増加7,341百万円、建物及び構築物の増加3,169百万円などが要因です。
資産の部
流動資産は96,658百万円で、前期末比1,413百万円の減少となっています。一方、固定資産は47,744百万円と大幅に増加しています。これは主に、生産設備の設備投資を積極的に進めた結果です。
負債の部
負債の部は31,812百万円と前期末比1,576百万円の増加。流動負債では未払金の増加5,292百万円などがあり、一方で支払手形及び買掛金の減少1,105百万円などがありました。
純資産の部
純資産は112,590百万円と、前期末比7,461百万円の増加となっています。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益6,850百万円の計上と、為替換算調整勘定の増加4,570百万円によるものです。
ROAとROE
同社のROA(総資産経常利益率)は前期の9.6%から当期第3四半期で8.6%に低下しています。一方、ROE(自己資本利益率)は前期の8.3%から当期第3四半期で6.6%に低下しました。これは、主に設備投資による資産の増加と、為替変動の影響を受けたことが要因と考えられます。今後は収益力の向上と資産効率の改善に期待が高まっています。
キャッシュフロー
同社のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが堅調に推移しているものの、設備投資に伴う投資活動によるキャッシュ・フローの支出が大きく、全体として前期末比で現金及び現金同等物が3,109百万円減少しています。今後の資金状況にも注目が集まっています。
配当の支払額
同社の配当金は、2023年6月の期末配当で1株当たり20円、2023年11月の中間配当で22円が支払われ、合計年間42円の配当となる見込みです。配当性向は50%超と高水準を維持しており、株主還元にも力を入れている企業といえます。
今後の展望
同社は自動車業界や半導体業界への依存度が高いことから、これらの業界動向に大きく左右される傾向にあります。直近の業績は減益となっていますが、中長期的には自動車の電動化やデジタル化の進展、半導体需要の拡大などによる追い風が期待できます。また、新規事業分野の開拓にも積極的に取り組んでおり、今後の成長に期待がかかっています。
編集部のまとめ
信越ポリマー株式会社は、自動車関連部品や半導体製造装置部品などの製造・販売を主力事業としており、高い利益率を維持しつつ着実な成長を遂げてきた企業です。直近の四半期業績は減益となっているものの、設備投資を積極的に進め、生産体制の強化に取り組んでいます。自動車の電動化やデジタル化、半導体需要の拡大など、追い風になる市場環境にも注目が集まっています。株主還元にも力を入れており、今後の業績動向に期待がかかる企業といえるでしょう。
信越ポリマー株式会社の決算日や配当についてまとめました。
信越ポリマー株式会社の決算期は3月期で、直近の2023年12月期第3四半期決算が公表されました。同社の配当金は1株当たり年間42円(予想)で、配当性向50%超と高水準を維持しており、株主還元も重視されている企業です。今後の業績動向と、自動車やデジタル関連産業の市場環境にも注目が高まっています。