株式会社イチケンの2023年12月期第3四半期の決算内容をご紹介します。市場が回復するなか、同社は建設需要に積極的に取り組み、好業績を収めました。売上高は前年同期比で9.8%増加し、利益率も改善したことで営業利益は41.5%も増加しています。様々な施設の建設工事に強みを発揮し、着実な業績拡大を遂げている同社の決算内容をご確認ください。
企業情報
企業名: 株式会社イチケン
証券コード: E00117
決算期: 3月期
株式会社イチケンの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社イチケンの決算日は3月31日となっています。 第3四半期決算(2023年12月期)の内容が今回公表されたものです。
主な事業
株式会社イチケンは建設事業と不動産事業の2つを主要な事業内容としています。建設事業では、商業施設やマンション、物流施設など幅広い建設需要に対応しており、豊富な実績と提案力を強みとしています。不動産事業では、自社開発の賃貸物件の運営などを行っています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期(2023年4月~12月)の業績は好調で、売上高は724億円と前年同期比9.8%増加しました。利益面では、売上総利益率の改善などにより、営業利益は30億円と41.5%増加しています。建設需要の取り込みが順調に推移し、収益性も向上している様子がうかがえます。
売上・利益の推移
同社の売上高は過去3年で88,059百万円から72,494百万円と推移しています。一方で、経常利益は2,585百万円から3,028百万円と着実に増加しており、経営効率化が進んでいることが分かります。売上は減少傾向にあるものの、利益面では改善が見られる企業といえるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
株式会社イチケンは、四半期連結財務諸表を作成しておりません。個別の四半期貸借対照表を作成しており、その内容をご紹介します。
資産の部
2023年12月末時点の資産合計は564億円となっています。主な内訳は、現金・預金が76億円、受取手形・完成工事未収入金等が334億円となっています。前年度末から持続的な資産増加が続いていることが確認できます。
負債の部
負債合計は273億円となっています。支払手形・工事未払金が87億円、電子記録債務が75億円などが主な内訳です。前年度末から負債も増加傾向にあります。
純資産の部
純資産合計は291億円となっています。利益剰余金が240億円と最も大きな割合を占めています。前年度末から着実に純資産が積み上がってきていることが分かります。
ROAとROE
ROAは5.4%、ROEは7.5%となっています。前年度と比べROAは0.4ポイント、ROEは0.5ポイント上昇しており、財務効率性が向上していることが確認できます。事業収益の改善に加え、自己資本比率も高い水準を維持していることから、株主資本効率も高まっていると評価できるでしょう。
キャッシュフロー
四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていませんが、減価償却費は122百万円となっています。設備投資に必要な資金を内部留保から賄えている様子がうかがえます。今後の事業拡大に向けて、キャッシュ管理も適切に行われていると考えられます。
配当の支払額
2023年12月期第3四半期では、中間配当として1株当たり45円を実施しています。前期実績と比べ5円増配となっており、株主還元にも積極的な姿勢がうかがえます。安定的な配当政策を続けている企業といえるでしょう。
今後の展望
建設需要は引き続き堅調に推移すると見られ、同社は商業施設や住宅、物流施設などの建設分野で強みを発揮できるものと期待されます。コスト管理の強化などにより収益性の改善も進むことから、業績の着実な成長が期待できそうです。今後も建設・不動産の両事業を成長のエンジンとして、更なる企業価値向上が見込まれます。
編集部のまとめ
株式会社イチケンは、建設事業と不動産事業を主軸に順調な業績を収めています。建設需要の取り込みが順調で、収益性の改善も進んでおり、株主還元にも積極的な様子がうかがえます。今後も安定的な成長が期待できる企業といえるでしょう。
株式会社イチケンの決算日や配当についてまとめました。
株式会社イチケンの決算日は3月31日で、第3四半期決算(2023年12月期)の内容が公表されました。同社は中間配当として1株当たり45円を実施しており、前期比増配となっています。引き続き安定配当を続けている企業で、今後の業績拡大にも期待が高まります。