OUGホールディングス株式会社の直近の決算報告書が公開されました。食品卸売業界の中核企業が堅実な業績を収めていると言えるでしょう。今期は新型コロナの影響が和らぐなか、外食・宿泊需要の回復や価格転嫁により収益を確保している様子です。
企業情報
企業名: OUGホールディングス株式会社
証券コード: E02530
決算期: 3月期
OUGホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
OUGホールディングス株式会社の決算日は3月31日で、通常4月下旬に第4四半期の決算報告書が発表されます。また、第1~第3四半期の決算報告書は、各四半期の最終月の翌月に発表されています。
主な事業
OUGホールディングス株式会社は、主に水産物の荷受・卸売を行う企業です。中央卸売市場を核とした集荷販売機能と、全国に広がる販売網を活かした市場外卸売事業が両輪となっています。また、養殖事業や食品加工事業など、バリューチェーンの拡大にも注力しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は2,558億円と前年同期比で101.6%と堅調に推移しています。一方で、売上総利益は217億円と前年同期比で97.2%とやや減少しています。しかし、営業利益は28億円、経常利益は34億円とそれぞれ前年同期比で75.2%、86.0%と確保できています。
売上・利益の推移
OUGホールディングスの売上高は近年2,500億円~2,550億円台で推移しています。利益面では、経常利益は34億円前後で推移しており、売上高に占める割合は1.3%~1.4%ほどとなっています。コロナ禍以降、外食需要の変動や食材価格の上昇などにより業績は変動しており、収益力の維持が課題となっていると思われます。
四半期連結貸借対照表について
OUGホールディングスの最新の四半期連結貸借対照表をみてみると、資産総額は1,069億円となっています。前期末比で250億円の増加となっています。
資産の部
流動資産が875億円と全体の約82%を占めており、うち受取手形及び売掛金が486億円、商品及び製品が340億円となっています。固定資産は194億円です。
負債の部
負債合計は783億円となっています。流動負債が688億円で、うち支払手形及び買掛金が360億円、短期借入金が243億円となっています。固定負債は94億円です。
純資産の部
純資産は286億円で、自己資本比率は26.8%となっています。利益剰余金が150億円と最も大きな項目となっています。
ROAとROE
OUGホールディングスのROAは過去3年間で3.0%~3.7%程度で推移しており、ROEは9.5%~11.0%程度となっています。業界平均と比較すると低めの水準にあるものの、営業部門の収益性や資産効率の改善余地がある企業といえるでしょう。
キャッシュフロー
同社の直近のキャッシュフロー計算書を見ると、営業活動によるキャッシュフローが21億円のプラスとなっています。一方で、投資活動によるキャッシュフローは8億円のマイナスとなっており、固定資産投資などに一定の資金を投下している様子がうかがえます。今後の設備投資やM&Aなどが注目されるところでしょう。
配当の支払額
OUGホールディングスは、直近の期末配当金を1株当たり70円としています。この内、10円は特別配当となっています。過去3年間の配当金推移を見ると、増配基調にあるといえるでしょう。
今後の展望
OUGホールディングスは、『OUGグループ中期経営計画2021』の最終年度にあたり、鮮魚事業の拡大、加工事業の拡大、エリア戦略の推進、海外事業の推進といった4つの重点テーマに注力しています。今後も、バリューチェーンの最適化を見据えたグループ全体の収益力向上を目指していくことが期待されます。
編集部のまとめ
OUGホールディングス株式会社は、食品卸売業界の中核企業として安定的な業績を収めています。新型コロナの影響が徐々に和らぐなか、外食需要の回復や価格転嫁などにより収益を確保できている様子がうかがえます。今後も、グループ全体のバリューチェーン強化に注力していくことで、更なる業績拡大が期待できるでしょう。
OUGホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
OUGホールディングスの決算日は3月31日で、通常4月下旬に第4四半期の決算報告書が発表されています。また、直近の期末配当金は1株当たり70円となっており、3年連続の増配となっています。今後の業績推移や中期経営計画の進捗に注目が集まるところです。