株式会社システナの2023年12月期第3四半期の決算報告が発表されました。売上高は前年同期比5.2%増加と好調に推移しており、同社の事業拡大が着実に進んでいることがわかりました。特に車載、DX分野での受注が順調に伸びているほか、金融や公共分野での業務アプリケーション開発、インフラ構築などのニーズも高まっています。また、サブスクリプションモデルを推進するクラウド事業も好調で、DX支援サービスの需要が高まっています。一方で一部の不採算プロジェクトの影響があり、利益面での伸びは限定的でしたが、全体としては堅調な業績となりました。今後も、積極的な人材投資と生産性向上により、さらなる成長が期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社システナ
証券コード: 23170
決算期: 3月期
株式会社システナの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社システナの決算日は3月31日です。第3四半期の決算は12月31日時点での業績となっています。
主な事業
株式会社システナは、ソフトウェア開発やITサービスを中心に事業を展開しています。具体的には、車載、DX、金融、公共など幅広い分野でのシステム開発、データ活用支援、クラウドサービスの提供など、企業のデジタル化をトータルサポートしています。また、自社開発のサブスクリプション型クラウドサービス「Canbus.」の提供など、新しいビジネスモデルの構築にも注力しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の連結売上高は57,140百万円と前年同期比5.2%増加しました。一方で、営業利益は7,025百万円と0.2%増にとどまりました。これは一部の不採算プロジェクトの影響によるものです。利益率としては、営業利益率は12.3%となりました。
売上・利益の推移
過去3年の売上高は2022年3月期が74,526百万円、2023年3月期第3四半期が54,334百万円と推移しています。利益面では、経常利益は2022年3月期が9,955百万円、2023年3月期第3四半期が7,095百万円となっています。全体として、売上高、利益ともに堅調に推移しており、同社の事業基盤が安定的に拡大していることがわかります。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を見ると、財務基盤が非常に健全であることがわかります。
資産の部
総資産は48,752百万円で、前期末比126百万円の減少となっています。流動資産は42,327百万円と前期末比増加し、現金及び預金が25,850百万円と手元流動性が高い水準にあります。固定資産は6,425百万円と減少しましたが、投資有価証券や敷金及び保証金などの投資その他の資産が4,724百万円と、長期的な事業基盤も強固です。
負債の部
負債合計は12,623百万円と前期末比1,605百万円減少しています。主な減少要因は、買掛金や未払法人税等の減少です。流動負債が大部分を占めており、短期的な支払いに問題はない水準にあります。
純資産の部
純資産は36,128百万円と前期末比1,478百万円の増加となっています。利益剰余金の積み上がりや自己資本比率が73.1%と高水準であり、財務体質は非常に健全です。
ROAとROE
同社のROA(総資産利益率)は前期末の14.9%から14.5%に若干低下しましたが、高い水準を維持しています。一方、ROE(自己資本利益率)は前期末の21.1%から20.0%に低下しました。これは自己資本の増加が利益増加を上回ったためです。いずれも同業他社を大きく上回る高水準にあり、資本効率的な経営が行われていることがわかります。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは4,534百万円のプラスで、前年同期比437百万円の減少となりました。これは主に法人税等の支払額の増加によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは133百万円のマイナスで、前年同期比75百万円の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは3,533百万円のマイナスで、前年同期比498百万円の減少となりました。これは配当金の支払額の増加によるものです。全体としては堅実なキャッシュ・フローが維持されています。
配当の支払額
同社は株主還元に積極的で、年間配当金は2022年3月期が18.89円、2023年3月期第3四半期が9円となっています。また、直近の中間配当は1株当たり5円と高水準に推移しており、株主への利益還元に努めています。
今後の展望
同社は車載、DX、金融、公共などの成長分野に注力しており、引き続き受注拡大が期待できます。また、自社サービスの「Canbus.」などクラウドビジネスの強化にも力を入れており、新しいビジネスモデルの確立を目指しています。一方で、人材の確保と生産性向上が課題となっていますが、積極的な投資を続けることで、中長期的な成長が期待できるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社システナの2023年12月期第3四半期決算は、売上高、利益ともに前年同期比で増加しており、同社の事業基盤が着実に強化されていることがわかりました。特に、車載やDX分野での受注が好調なほか、クラウドサービスの強化にも注力しています。財務面でも健全性が高く、株主還元も積極的に行われています。今後も、成長分野での受注拡大と新しいビジネスモデルの確立により、さらなる業績の向上が期待できる企業と言えるでしょう。
株式会社システナの決算日や配当についてまとめました。
株式会社システナの決算日は3月31日で、第3四半期の決算は12月31日時点の業績となっています。同社は株主還元に積極的で、年間配当金は18.89円、直近の中間配当は1株当たり5円と高水準に推移しています。財務基盤も非常に健全で、今後も安定的な成長が期待できる企業といえるでしょう。