岩谷産業株式会社の2023年第3四半期決算の内容をお知らせします。岩谷産業は、水素エネルギー事業や産業ガス・機械事業など、多角的な事業展開を行っている総合エネルギー企業です。今回の決算では、全体的に好調な業績が報告されました。
企業情報
企業名: 岩谷産業株式会社
証券コード: 80880
決算期: 3月期
岩谷産業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
岩谷産業株式会社の決算期は3月期です。年4回の四半期決算を行い、最終的な決算は3月末に実施しています。
主な事業
岩谷産業株式会社は、総合エネルギー事業、産業ガス・機械事業、マテリアル事業の3つの主要セグメントで事業を展開しています。LPガスの輸入・販売やカセットガス、ガス保安機器の販売、産業用ガスやガス供給設備の製造・販売、次世代自動車向け二次電池材料の製造など、幅広い事業を手掛けています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は6,175億13百万円、営業利益は319億6百万円、経常利益は367億70百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は241億69百万円と、前年同期を上回る好業績となりました。各事業セグメントでも収益性が改善し、全体の利益率も高水準を維持しています。
売上・利益の推移
岩谷産業の売上高は前年同期から382億74百万円減少しました。一方で営業利益は83億89百万円増加し、経常利益も74億4百万円増加しました。親会社株主に帰属する四半期純利益も46億29百万円増加するなど、全体としては収益性が改善されています。
四半期連結貸借対照表について
岩谷産業の四半期連結貸借対照表を見ると、assets(資産)の部では前期末から1,444億1百万円増加し、8,004億5百万円となっています。一方、liabilities(負債)の部では1,172億74百万円増加し、4,610億47百万円となりました。純資産は271億27百万円増加の3,393億58百万円となっています。
資産の部
資産の部では、投資有価証券が1,129億15百万円増加したほか、有形固定資産も163億93百万円増加しています。これは水素エネルギー事業や産業ガス事業の積極的な設備投資によるものです。
負債の部
負債の部では、短期借入金が1,199億89百万円増加しています。これは、コスモエネルギーホールディングス株式の追加取得資金の借入によるものです。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が186億99百万円、為替換算調整勘定が43億30百万円、その他有価証券評価差額金が39億87百万円それぞれ増加しています。
ROAとROE
岩谷産業のROA(総資産経常利益率)は4.6%、ROE(自己資本利益率)は7.1%と、ともに高水準を維持しています。これは、各事業における収益性の改善や、M&Aを通じた事業拡大など、同社の経営戦略が奏功した結果だと考えられます。
キャッシュフロー
岩谷産業の四半期連結キャッシュ・フロー計算書によると、営業活動によるキャッシュ・フローは326億円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローは1,279億円のマイナスとなっています。これは主に、コスモエネルギーホールディングス株式の追加取得に伴う投資によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは1,193億円のプラスとなっています。
配当の支払額
当第3四半期連結累計期間の配当金の支払額は54億70百万円となりました。1株当たり配当金は95円で、前期の85円から10円増額されています。安定的な配当政策を継続しつつ、増配も行っている様子がうかがえます。
今後の展望
岩谷産業は、2024年3月期を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「PLAN27」に基づき、水素エネルギー事業の強化や、地域社会を支えるインフラ・サービスの提供などに注力していく方針です。引き続き、収益性の改善と事業拡大を目指していくと考えられます。
編集部のまとめ
岩谷産業株式会社の2023年第3四半期の決算では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益といった主要な業績指標が、いずれも前年同期を上回る好調な結果となりました。各事業セグメントでも収益性が改善し、財務体質も強化されています。水素エネルギー事業などの成長分野に注力し、更なる業績拡大が期待されます。
岩谷産業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
岩谷産業の決算期は3月期で、年4回の四半期決算を実施しています。当第3四半期の配当金は1株当たり95円で、前期比10円の増配となりました。安定配当の実施と水素事業など成長分野への投資を両立するバランスの取れた財務戦略が特徴だと言えるでしょう。