株式会社淺沼組は、関西地方を中心に事業を展開する老舗の建設会社です。この度、同社は第89期第3四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比7.1%増の1,116億円と好調に推移し、企業の業績が順調に回復していることが分かります。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は15億円と前年同期から大きく減少しましたが、これは建設コストの高騰などの影響によるものと考えられます。今後は、生産性向上や価格転嫁などの対策により、収益の改善を図っていく方針です。今後の淺沼組の動向に注目が集まります。
企業情報
企業名: 株式会社淺沼組
証券コード: 18520
決算期: 3月期
株式会社淺沼組の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社淺沼組の決算日は3月31日です。決算時期は年1回で、4月から翌年3月までが会計年度となっています。
主な事業
株式会社淺沼組は、建設業を主な事業としています。建築分野と土木分野の2つの報告セグメントに分かれており、建築では、オフィスビルや商業施設、マンションなどの設計・施工を手がけ、土木では、道路、橋梁、上下水道などの公共インフラの建設工事を行っています。また、メンテナンス事業や不動産事業なども手掛けています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が1,116億円と前年同期比7.1%増加し、営業利益は26億円と前年同期比25.6%減少しました。利益率は、建設コストの高止まりなどの影響で低下している状況です。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、売上高は2023年3月期に144億円と過去最高を記録しています。一方で、利益は2022年3月期の56億円をピークに減少傾向にあります。建設コストの上昇が企業の収益を圧迫している状況がうかがえます。
四半期連結貸借対照表について
株式会社淺沼組の2023年12月末の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計が914億円、負債合計が470億円、純資産合計が444億円となっています。
資産の部
資産の部では、流動資産が749億円で、主な内訳は、現金預金が87億円、受取手形・完成工事未収入金等が617億円などとなっています。また、固定資産は165億円で、投資有価証券などが含まれています。
負債の部
負債の部では、流動負債が346億円で、主な内訳は、工事未払金が149億円、短期借入金が97億円などとなっています。固定負債は124億円で、長期借入金など建設事業に関連する負債項目が中心です。
純資産の部
純資産の部では、株主資本が410億円となっており、利益剰余金の増加により、前期末から約13億円増加しています。また、その他の包括利益累計額も23億円となっています。
ROAとROE
株式会社淺沼組のROA(総資産利益率)は2.9%、ROE(自己資本利益率)は3.6%となっています。前期と比較すると、ROAは0.5ポイント、ROEは1.1ポイント低下しています。これは、利益の減少による影響が大きいと考えられます。今後は、収益性の改善によるROA、ROEの向上が課題となっています。
キャッシュフロー
株式会社淺沼組の経営活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比で11億円減少し、24億円のプラスとなっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは7億円のマイナスとなっており、財務活動によるキャッシュ・フローは60億円のマイナスとなっています。この結果、現金及び現金同等物は前期末比31億円減少しています。
配当の支払額
株式会社淺沼組は、年間配当金を1株当たり191円と設定しており、前期比13円の増配となっています。この結果、配当総額は30億円と前期から5億円ほど増加しました。株主還元に積極的な姿勢がうかがえます。
今後の展望
株式会社淺沼組は、建設分野における生産労働人口の減少への対応を重要施策の一つとして掲げています。協力会社との連携強化や、独自のAI活用など、建設現場の生産性向上に取り組んでいきます。また、原材料価格高騰への対応として、価格転嫁の推進にも力を入れています。これらの取り組みにより、収益力の改善を目指しています。
編集部のまとめ
株式会社淺沼組は、建築や土木といった建設事業を中心とした企業です。新型コロナウイルスの影響を受けつつも、住宅・非住宅の民間投資や公共投資の堅調な推移により、売上高は増加基調にありました。一方で、建設コストの高止まりによる利益率の低下が課題となっています。今後は、生産性向上や価格転嫁などの対策を通じて、収益力の改善を目指していくことが重要になるでしょう。同社の今後の動向に注目が集まります。
株式会社淺沼組の決算日や配当についてまとめました。
株式会社淺沼組の決算日は3月31日で、年に1回の決算となっています。配当金は1株当たり191円と前期より増額し、株主還元を積極的に行っています。今後の企業業績や配当の推移にも注目が集まります。