株式会社サンリツの第3四半期決算報告を紹介します。医療機器や工作機械など、幅広い製品を手掛ける総合物流企業の同社は、国内外の景気動向にあわせて堅調な業績をあげています。配当も増配になるなど、株主還元にも力を入れている企業です。今後はさらなる成長が期待できそうですね。
企業情報
企業名: 株式会社サンリツ
証券コード: 93660
決算期: 3月期
株式会社サンリツの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社サンリツの決算日は3月31日です。毎年6月下旬に定時株主総会を開催し、その後2週間以内に有価証券報告書を提出しています。また、四半期ごとの決算発表も行っており、第3四半期の決算は例年2月頃に発表されます。
主な事業
株式会社サンリツは、主に梱包事業、運輸事業、倉庫事業、賃貸ビル事業の4つの事業を手掛ける総合物流企業です。医療機器、工作機械、大型精密機器、小型精密機器などの製品の輸送や保管、梱包などのサービスを提供しています。また、自社ビルの賃貸事業も行っており、安定した収益源の1つとなっています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間における売上高は145億50百万円、営業利益は6億91百万円となりました。前年同期比では売上高は4.6%減少、営業利益は27.3%減少しました。主な要因は工作機械の輸出が減少し、それに伴う海上運賃の下落により売上が減少したためです。一方、事業基盤強化のために人材の確保を行い、販管費が増加したことで営業利益も減少しました。
売上・利益の推移
過去3年の業績を見ると、売上高は約153億円から145億円台に減少傾向にあります。一方、営業利益は10億円前後で推移しています。直近では、新型コロナ禍の影響により売上高が減少したものの、利益率は5%前後を維持しています。中期的には、事業基盤の強化により、さらなる収益力の向上が期待できそうです。
四半期連結貸借対照表について
株式会社サンリツの直近の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は216億74百万円となっています。前期末から5億円増加しており、主な変動は有形固定資産の増加によるものです。一方、負債は107億28百万円、純資産は109億46百万円となっており、自己資本比率は49.8%と良好な水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、流動資産が68億76百万円、固定資産が147億98百万円となっています。固定資産の内訳は、有形固定資産が125億42百万円、無形固定資産が2億54百万円、投資その他の資産が20億1百万円となっています。
負債の部
負債の部では、流動負債が57億31百万円、固定負債が49億97百万円となっています。主な内訳は、流動負債が買掛金や短期借入金、固定負債が長期借入金やリース債務などです。
純資産の部
純資産の部では、資本金が25億23百万円、利益剰余金が52億81百万円となっています。また、自己資本比率は49.8%と健全な財務体質を維持しています。
ROAとROE
株式会社サンリツのROA(総資産利益率)は直近3年平均で約5%、ROE(自己資本利益率)は約10%となっています。安定した収益力と財務体質を背景に、株主価値の向上にも注力していることがうかがえます。今後は事業の効率化や成長により、さらなる収益力の向上が期待されます。
キャッシュフロー
キャッシュフローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュフローは安定して黒字を計上しており、投資活動では有形固定資産への投資などで支出が発生しています。一方、財務活動では借入金の返済や配当金の支払いなどがありました。全体としては、一定のキャッシュを生み出せている企業といえるでしょう。
配当の支払額
株式会社サンリツは、前期の年間配当金は50円だったものの、今期は増配となり年間60円を見込んでいます。安定配当に加え、増配も行っていることから、株主還元にも積極的な企業であると言えます。
今後の展望
株式会社サンリツは、中期経営計画において2026年3月期の連結営業利益11億円(連結売上高営業利益率5.0%)を目標に掲げています。事業基盤の強化や生産性の向上、さらには新たなソリューションの提供などに取り組み、収益力のさらなる向上を目指しています。今後の成長に期待が高まるといえるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社サンリツは、総合物流企業として国内外の製造業をサポートしてきました。直近の業績は景気動向の影響を受けていますが、安定した収益力と健全な財務体質を維持しています。また、株主還元にも積極的で、今後の成長にも期待できる企業といえます。医療機器や工作機械などの分野で高い競争力を発揮し、中期的な成長に向けて着実に取り組んでいくことが期待されます。
株式会社サンリツの決算日や配当についてまとめました。
株式会社サンリツの決算は3月31日が決算日で、毎年6月下旬に定時株主総会を開催しています。配当については、前期50円、今期は60円と増配となっており、株主還元にも積極的な姿勢がうかがえます。今後も着実な業績拡大と収益力の向上を期待できる企業だと思います。