川崎重工業は、2023年度第3四半期決算を公表しました。同社は航空機や鉄道車両、工業機械など幅広い製品を生産する老舗メーカーで、この度の決算では一部部門の業績悪化がありましたものの、全体としては堅調な業績を維持しています。
今回の決算を詳しく見ていきましょう。
企業情報
企業名: 川崎重工業株式会社
証券コード: 7012
決算期: 2023年度第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)
川崎重工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
川崎重工業の決算は通常の会社と同じく3月31日が期末ですが、四半期の決算は6月30日、9月30日、12月31日の各四半期末に行われます。
今回の決算は2023年度第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の決算となります。
主な事業
川崎重工業は、航空宇宙システム事業、車両事業、エネルギーソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業、パワースポーツ&エンジン事業を中心に事業を展開しています。
航空機や鉄道車両、工業機械など幅広い分野にわたり、製品の製造・販売を手掛けている総合重工業メーカーです。
今期の業績と利益率は?
今期の第3四半期連結累計期間の売上収益は1兆2,290億円と前年同期比で327億円の増収となりました。一方、事業利益は7億円と前年同期比で801億円の減益となりました。
主な要因は、航空宇宙システム事業での民間航空エンジンの運航上の問題に係る損失の計上や、精密機械・ロボット事業の減収減益などが影響しています。
売上・利益の推移
川崎重工業の売上高と利益の推移を見ると、2022年度は売上高1兆7,256億円、事業利益808億円と好業績だったものの、今期第3四半期累計では売上高は1兆2,290億円、事業利益は7億円と大幅に減少しています。
これは主に航空宇宙システム事業の減収減益と精密機械・ロボット事業の落ち込みが影響しているようです。
四半期連結貸借対照表について
川崎重工業の2023年12月末の総資産は2兆6,632億円となり、前期末比2,054億円の増加となりました。
資産の部では、棚卸資産や営業債権・その他の債権が増加しています。一方、負債の部では有利子負債が2,411億円増加の8,310億円となりました。純資産は前期末比75億円減少の5,893億円です。
資産の部
資産の部では、流動資産が1兆7,105億円と前期末比1,402億円増加しました。これは棚卸資産や営業債権・その他の債権の増加が主な要因です。
一方、非流動資産は9,526億円と652億円の増加となっています。
負債の部
負債の部では、有利子負債が8,310億円と2,411億円増加しました。これにより、負債合計は2兆738億円と2,130億円の増加となりました。
純資産の部
純資産の部は、5,893億円と前期末比75億円減少しました。親会社の所有者に帰属する四半期損失の計上などが影響しています。
ROAとROE
川崎重工業のROA(総資産経常利益率)は前年同期の3.0%から0.0%に大幅に低下しました。
一方、ROE(自己資本利益率)は前年同期の9.3%から-2.4%と大幅に悪化しています。
これは、第3四半期の業績悪化により、売上高と利益が大きく減少したことが主な要因となっています。
キャッシュフロー
川崎重工業の第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナス979億円、投資活動によるキャッシュ・フローがマイナス811億円となっていますが、財務活動によるキャッシュ・フローはプラス1,467億円となっています。
この結果、現金及び現金同等物の当第3四半期末残高は1,020億円となりました。
配当の支払額
川崎重工業は、第2四半期末と期末の年2回、配当を行っています。
今期の配当金は、第2四半期末が1株当たり20円、期末が1株当たり20円の予定で、年間では1株当たり40円の配当を見込んでいます。
今後の展望
川崎重工業は、「グループビジョン2030」において、「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」の3つの注力分野を掲げており、手術支援ロボットをはじめとする医療・ヘルスケア事業、配送ロボットや無人輸送ヘリコプタの事業化、水素事業や電動化の推進など、社会課題ソリューション創出への取り組みを進めています。
今後の成長に期待が高まっています。
編集部のまとめ
川崎重工業の2023年度第3四半期の決算は、航空宇宙システム事業や精密機械・ロボット事業の業績悪化により減収減益となりました。
ただし、グループビジョン2030に掲げる成長分野への取り組みは順調に進捗しており、中長期的には業績の回復が期待できるでしょう。
引き続き、事業ポートフォリオの強化や収益性の向上に取り組むことが重要と言えます。
川崎重工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
川崎重工業の決算は3月31日が期末ですが、四半期での決算は6月30日、9月30日、12月31日の各四半期末に行われます。
また、同社の配当は年2回、第2四半期末と期末に行われる予定で、今期の年間配当は1株当たり40円を見込んでいます。
今後の成長に向けた取り組みに注目が集まっている同社の動向に期待が集まっています。