株式会社コロナの決算報告書からは、同社が消費者の生活に密接した事業を展開し、着実に業績を伸ばしていることがわかりました。暖房機器、空調・家電機器、住宅設備機器などの製造・販売を手掛ける同社は、新商品の投入やコスト管理にも取り組むなど、持続可能な経営を目指しています。売上高は減少しているものの、経常利益と純利益は前年を上回る好業績を示しており、株主還元策としても安定的な配当を実施していることが特徴です。今後の成長に期待が集まる企業といえるでしょう。
企業情報
企業名: 株式会社 コロナ
証券コード: E01444
決算期: 2024年3月期
株式会社 コロナの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社コロナの決算日は3月31日です。第3四半期の決算報告書は2024年2月9日に公表されています。
主な事業
株式会社コロナは、暖房機器、空調・家電機器、住宅設備機器などの製造・販売を主な事業としています。暖房機器は石油ファンヒーターなど、空調・家電機器はルームエアコンや加湿器、住宅設備機器はエコキュートや石油給湯機などを手掛けています。
これらの製品は、消費者の快適な住環境づくりに貢献しています。同社は「2026ビジョン」の下、ヒートポンプ・電化製品の強化や新ブランド商品の開発など、持続可能な事業展開を推進しています。
今期の業績と利益率は?
株式会社コロナの当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が67,352百万円と前年同期比3.1%減少しましたが、営業利益は2,472百万円、経常利益は2,822百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,045百万円と、いずれも前年同期を上回る好調な結果となりました。
利益率でみると、経常利益率は4.2%、純利益率は3.0%となっており、一定の収益性を維持しています。原材料高の影響はあったものの、製品価格の改定や生産性向上などの取り組みが功を奏したようです。
売上・利益の推移
株式会社コロナの直近3年間の業績推移を見ると、売上高は2022年度で85,335百万円、2023年度第3四半期では67,352百万円と減少傾向にあります。一方で、経常利益は2022年度2,289百万円、2023年度第3四半期では2,822百万円と増加しています。
これは、ヒートポンプ機器やエコキュートなどの高付加価値製品の販売拡大や、固定費の削減などによる収益性の向上が寄与しているものと考えられます。足元の業績動向を見る限り、同社は収益力のある企業であるといえるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
株式会社コロナの当第3四半期連結会計期間末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は105,877百万円と、前連結会計年度末比3,719百万円増加しています。
資産の部では、受取手形、売掛金及び契約資産が10,449百万円増加した一方で、有価証券が7,103百万円減少しています。
負債の部では、支払手形及び買掛金が978百万円減少した一方で、未払法人税等が1,139百万円、その他流動負債が2,260百万円それぞれ増加しています。
純資産は74,689百万円と、前連結会計年度末比1,789百万円増加しており、自己資本比率は70.5%を維持しています。財務基盤は安定していると評価できるでしょう。
資産の部
株式会社コロナの資産の部では、受取手形、売掛金及び契約資産が19,748百万円と大きな割合を占めています。また、有価証券や在庫なども経営上重要な資産となっています。
これらの資産は、同社の事業活動を支える重要な基盤となっています。製品の販売や生産活動を支えるための資金を適切に確保していると言えるでしょう。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が20,169百万円、流動負債のその他が7,569百万円となっています。
これらは主に事業活動に伴う仕入債務や未払金などが計上されているものと考えられます。負債の水準は適切に管理されており、財務の健全性が維持されていると評価できます。
純資産の部
純資産の部では、株主資本が73,930百万円を占めており、自己資本比率は70.5%と高水準を維持しています。
利益剰余金の蓄積や、その他有価証券評価差額金の増加などにより、企業の財務体質は良好と言えます。株主還元にも積極的に取り組んでおり、企業価値の向上に努めていることがわかります。
ROAとROE
株式会社コロナのROA(総資産利益率)は、2022年度実績で1.4%となっています。一方、ROE(自己資本利益率)は2.0%と、資本効率の向上が課題と言えるでしょう。
ただし、当第3四半期の業績では経常利益が前年同期を上回るなど、収益力は改善傾向にあります。今後は生産性向上やコスト削減などにより、資産効率と資本効率の両面での改善が期待されます。
キャッシュフロー
株式会社コロナの当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は開示されていないため、直近の年間の情報から分析します。
2022年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが4,053百万円のプラスとなる一方、投資活動によるキャッシュ・フローは△1,322百万円のマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュ・フローは△1,347百万円のマイナスとなりました。
全体としては、順調にキャッシュを生み出しつつ、設備投資やM&A、配当など、事業活動や株主還元に適切に資金を配分していると評価できます。
配当の支払額
株式会社コロナは、株主還元の一環として安定的な配当を実施しています。
2023年6月期の年間配当金は28円(中間配当14円、期末配当14円)、2023年度第3四半期の中間配当は14円となっています。
この配当水準は、業績や配当性向を勘案して適切に設定されているものと考えられ、株主の皆様への利益還元に尽力していることがわかります。
今後の展望
株式会社コロナは、「2026ビジョン」の下、ヒートポンプ・電化製品の拡大や新ブランド商品の開発など、事業領域の拡大と収益性の向上に注力しています。
商品面では、大手家電メーカーへのOEM供給の強化やIoT化など、技術的な競争力を高めていく方針です。また、生産性向上やコスト管理の徹底で、収益力の一層の向上を図っていきます。
さらに、ESG経営の推進やサステナビリティへの取り組みにも力を入れ、ステークホルダーの期待に応えていく考えです。
今後の同社の成長性と収益性の向上に期待が高まっているといえでしょう。
編集部のまとめ
株式会社コロナは、暖房機器、空調・家電機器、住宅設備機器などの製造・販売を手掛ける企業です。当第3四半期決算では、売上高は減少したものの、経常利益や純利益は前年を上回る好業績を達成しました。
財務面でも、健全な財務基盤と株主還元策が評価できます。今後は、ヒートポンプ製品の拡大やIoT化、生産性向上などによるさらなる収益力の向上が期待されています。
同社は、消費者の生活に密着した製品を展開する企業として、今後の成長が注目されるでしょう。
株式会社 コロナの決算日や配当についてまとめました。
株式会社コロナの決算日は3月31日で、第3四半期決算は2024年2月9日に公表されました。また、2023年度の年間配当金は28円、第3四半期の中間配当は14円と、安定的な株主還元を実施しています。
同社は暖房機器や住宅設備機器などの製造・販売を中心に事業を展開しており、収益性の高さが評価されています。今後も、新商品開発やIoT化、生産性向上などに取り組み、企業価値の向上を目指すことが期待されます。