この度、日本を代表する総合建設会社清水建設株式会社の最新の決算報告が発表されました。総合建設業界では厳しい経営環境が続く中、同社は手持ちの大型工事の順調な進捗などにより、売上高を前年同期比9.7%増加の1兆4,485億円まで伸ばすことができました。一方で、一部の大型建築工事の採算悪化に伴う工事損失引当金計上が響き、営業利益は519億円の損失となりました。今後は新規受注の確保と採算管理の強化に取り組み、収益力の回復を目指していきます。
企業情報
企業名: 清水建設株式会社
証券コード: 18030
決算期: 2024年3月期
清水建設株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
清水建設株式会社の決算日は3月31日です。同社の決算発表スケジュールは、通常4月上旬に第4四半期(通期)決算を、7月中旬に第1四半期決算を、10月中旬に第2四半期(中間期)決算を、そして1月中旬に第3四半期決算を発表しています。
主な事業
清水建設株式会社は、建築工事、土木工事、開発事業、エンジニアリング事業などを手がける総合建設企業です。国内外の大型建築プロジェクトや、都市開発、再開発など、多様な分野でリーディング企業として活躍しています。また、環境・エネルギー分野でも積極的に事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比9.7%増の1兆4,485億円となりました。一方、営業利益は大型建築工事の採算悪化により519億円の損失となりました。このため、営業利益率はマイナス3.6%となりました。利益確保に向けて、新規受注の確保と工事採算管理の強化に取り組む必要があります。
売上・利益の推移
清水建設の直近3年間の売上高は1兆9,338億円(2023年3月期)、1兆3,200億円(2022年3月期)、1兆4,485億円(2023年12月期累計)と推移しています。経常利益は、2023年3月期が565億円の黒字、2022年3月期が298億円の黒字、2023年12月期累計が469億円の赤字となっています。売上は堅調に推移しているものの、採算性の課題が浮き彫りになっています。
四半期連結貸借対照表について
清水建設の四半期連結貸借対照表をみると、資産合計は前連結会計年度末比220億円増加の2兆4,700億円となりました。負債合計は前連結会計年度末比523億円増加の1兆5,930億円となっています。純資産は同303億円減少の8,769億円、自己資本比率は1.6ポイント低下して33.2%となりました。
資産の部
資産の部では、現金同等物(現金預金・有価証券)が減少したものの、投資有価証券の含み益増加などにより、資産合計は増加しています。手元資金の活用と投資有価証券の適切な管理が重要です。
負債の部
負債の部では、工事損失引当金の増加により負債合計が増加しています。損失の発生を最小限に抑える工事採算管理の強化が課題になっています。
純資産の部
純資産の部では、自己株式取得による利益剰余金の減少などから、純資産と自己資本比率が低下しています。健全な財務体質の維持が重要です。
ROAとROE
ROA(資産利益率)は前年同期の2.1%から1.5%に低下し、ROE(自己資本利益率)も前年同期の3.0%から2.4%に低下しています。これは主に採算悪化による利益の減少が影響しています。収益力の改善と資産効率の向上に取り組むことが課題です。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは123億円の支出超過、投資活動によるキャッシュ・フローは98億円の収入超過となり、財務活動によるキャッシュ・フローは280億円の支出超過でした。手元流動性は減少したものの、事業活動に必要な資金は確保できている状況です。
配当の支払額
同社は年2回の配当を実施しています。第2四半期末の中間配当は1株当たり10円50銭、期末配当は1株当たり13円50銭を予定しています。この結果、年間配当金は1株当たり24円となる見通しです。株主還元の維持に取り組んでいます。
今後の展望
今後の課題は、採算管理の強化による収益性の改善です。新規受注の確保とともに、大型工事の円滑な工事進捗管理と適切な原価管理に取り組み、利益率の向上を目指します。また、成長分野への投資拡大や環境配慮の取り組みを強化し、持続的な成長につなげていきます。
編集部のまとめ
清水建設は建設業界をリードする大手総合建設企業ですが、一部大型案件の採算悪化により当期は厳しい業績となりました。今後は収益力の改善と財務体質の強化に注力し、持続的な成長を目指すことが重要だと考えます。同社の業績推移と戦略に引き続き注目していきましょう。
清水建設株式会社の決算日や配当についてまとめました。
清水建設の決算日は3月31日で、年2回(中間・期末)配当を行っています。当期は1株当たり24円の配当を予定しており、株主還元に努めています。今後は収益性の改善に取り組み、更なる企業価値向上が期待されます。