NTT株の大幅分割で投資はどう変わる?

コラム
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NTT株式分割とは

NTT(日本電信電話)は2023年7月1日に1株を25株に分割する株式分割を実施しました。この分割により、それまで100株を保有していた株主は2,500株を保有することになります。株式分割は企業の価値そのものを変えるものではなく、保有株式の枚数を増やしながら、1株当たりの価格を調整する仕組みです。

分割前後で株主の資産価値は変わりません。例えば、分割前に100株を保有していた場合、分割後は2,500株を保有することになりますが、全体の価値は同じです。ただし、1株当たりの株価は25分の1になるため、より少ない資金で株式を購入しやすくなります。

株式分割が実施された背景

NTTが株式分割を決定した主な目的は、より多くの個人投資家が投資しやすい環境を整備することでした。特に、2024年1月にスタートした新NISAという新しい投資制度を念頭に置いて、あらゆる年代の投資家にとって投資対象となることを狙っていました。

従来、NTT株は株価が高めであったため、個人投資家にとっては投資のハードルが高い側面がありました。株式分割により1株当たりの価格を低くすることで、より少ない資金で株式を購入できるようになり、特に若い世代を含む個人投資家層の拡大を目指していたのです。

NTTグループは、持続的な成長に共感していただける投資家層を幅広い世代において拡大することを重要な経営課題と位置づけており、株式分割はその戦略の一環として実施されました。

株式分割による具体的な変化

株式分割の実施により、NTTの株主構造に大きな変化が生じました。2018年から2023年までの間、個人株主数は6万人から7万人の範囲で推移していました。しかし、2023年7月の株式分割と2024年1月の新NISA開始の効果により、2024年には一気に10万人以上の増加が見られました。さらにその勢いは加速し、2025年3月の時点では25万人を超える個人株主数に達しています。

この個人株主数の急増は、株式分割と新NISAという二つの施策が、いかに多くの個人投資家にとって投資のきっかけとなったかを示しています。特に、より少ない資金で株式を購入できるようになったことが、投資への参入障壁を大きく低下させたと考えられます。

配当金への影響

株式分割が実施されても、株主が受け取る配当金の総額は変わりません。1株当たりの配当額は25分の1になりますが、保有株式数が25倍になるため、結果として受け取る配当金の総額は同じになります。

NTTは株主還元の充実を重要な経営課題として位置づけており、継続的な増配を基本的な考え方としています。2025年度の年間配当額は、15期連続での増配となる1株当たり年間5.3円(対前年度+0.1円)を予定しており、2003年度比で見れば10倍以上に拡大しています。

過去の株式分割の歴史

NTTの株式分割は2023年の1:25分割が最新ですが、これまでにも複数回の分割が実施されています。1995年9月末には1株につき1.02株の割合で分割が行われました。その後、2009年1月4日には1株につき100株、2015年7月1日には1株につき2株、2020年1月1日には1株につき2株の割合で分割が実施されています。

これらの分割を通じて、NTTは段階的に個人投資家にとってより投資しやすい環境を整備してきました。2023年の1:25分割は、これまでの分割の中でも特に大規模なもので、個人投資家層の拡大に向けた強い意思が表れています。

株式分割時の手続きと取引開始

株式分割に際して、株主が特別な手続きを行う必要はありません。すべての手続きは自動的に処理されます。2023年6月30日時点で保有されていた株式が、2023年7月1日付で自動的に分割されました。

取引価格の変更は2023年6月29日(木)から開始されました。この日以降に当社株式を取引する場合、東京証券取引所における取引価格は株式分割を考慮した価格で表示されます。6月29日以降に購入した株式の受け渡しが7月1日の効力発生日以降となるため、すべての取引が分割後の価格で行われることになります。

NTTの株主還元戦略

NTTは株式分割だけでなく、自己株式取得も積極的に実施しています。2025年5月9日には2,000億円を上限とした自己株式取得を決議し、2026年3月までの取得を進めています。自己株式取得は、企業が自社の株式を市場から買い戻す施策で、これにより1株当たりの利益が相対的に増加する可能性があります。

NTTは長期保有の株主にとって、魅力のある株式として引き続き選んでいただけるよう、企業価値を高めるとともに株主還元の充実を図ることを基本方針としています。継続的な増配と機動的な自己株式取得の実施により、株主に対する価値還元を進めているのです。

個人投資家にとってのメリット

株式分割により、個人投資家にとっていくつかのメリットが生じています。第一に、より少ない資金で株式を購入できるようになったことです。分割前は1株の価格が高かったため、まとまった資金が必要でしたが、分割後は少額から投資を始めることが可能になりました。

第二に、新NISAとの組み合わせにより、税制上の優遇措置を受けながら投資できるようになりました。新NISAは年間360万円までの投資に対して、その利益が非課税となる制度です。株式分割により投資のハードルが低くなったことで、より多くの個人投資家がこの制度を活用できるようになりました。

第三に、保有株式数が増えることで、心理的な満足感が得られる可能性があります。同じ価値の資産でも、保有株式数が多いと感じられることで、投資への関心がより高まる傾向があります。

NTTグループの事業内容と投資対象としての特徴

NTTグループは、地域通信事業、長距離・国際通信事業、移動通信事業、データ通信事業を主な事業内容としています。移動通信事業では携帯電話事業及びそれに関連する事業を展開し、地域通信事業では国内電気通信事業における県内通信サービスを提供しています。

長距離・国際通信事業は国内電気通信事業における県間通信サービスと国際通信事業を行い、データ通信事業ではネットワークシステムサービスやシステムインテグレーション等を主な事業内容としています。その他にも、不動産事業、金融事業、電力事業、システム開発事業、先端技術開発事業など、多様な事業を展開しています。

このように多角的な事業展開を行うNTTグループは、日本の通信インフラの中核を担う企業として、安定した事業基盤を有しています。

dポイント進呈への影響

NTTは株主に対してdポイントを進呈する施策も行っています。株式分割後のdポイント進呈については、分割に応じた調整が行われています。これにより、株主は分割前後で同等の価値のdポイントを受け取ることができます。

投資環境の変化と株式分割の意義

2024年1月にスタートした新NISAは、日本の個人投資家にとって大きな転機となりました。年間360万円までの投資に対して利益が非課税となるこの制度により、より多くの人々が投資に関心を持つようになりました。NTTの株式分割は、このタイミングに合わせて実施されることで、新NISAを活用したい個人投資家にとって、より投資しやすい対象となったのです。

特に若い世代の個人投資家にとって、株式分割により投資のハードルが低くなったことは、資産形成の第一歩を踏み出すきっかけとなる可能性があります。NTTグループは、このような個人投資家層の拡大を通じて、より幅広い世代からの支持を得ることを目指しています。

まとめ

NTTの株式分割は、2023年7月1日に1株を25株に分割する形で実施されました。この施策により、個人投資家にとってより投資しやすい環境が整備され、特に新NISAの開始と相まって、個人株主数が大幅に増加しました。株式分割は企業の価値そのものを変えるものではありませんが、投資のハードルを低くすることで、より多くの人々が投資に参加できるようにするための重要な施策です。NTTグループは、継続的な増配と自己株式取得を通じて、株主還元の充実を図り、長期保有の株主にとって魅力のある企業であり続けることを目指しています。

NTT株の大幅分割で投資はどう変わる?をまとめました

NTTの株式分割は、個人投資家にとってより投資しやすい環境を整備するための重要な施策です。2023年7月の1:25分割により、少ない資金で株式を購入できるようになり、新NISAとの組み合わせにより、多くの個人投資家が投資を始めるきっかけとなりました。株式分割後も配当金の総額は変わらず、NTTグループは継続的な増配と自己株式取得を通じて、株主還元の充実を進めています。投資を検討する際には、企業の事業内容や経営方針を理解した上で、自身の投資目標に合わせた判断を行うことが重要です。

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