西日本旅客鉄道株式会社の2023年度の第3四半期決算報告が発表されました。同社は、鉄道事業を中心としたモビリティ事業を展開する大手企業です。この度の決算では、営業収益が前年同期比22.5%増の1兆1,943億円と大幅に増加しただけでなく、経常利益や純利益も大幅に改善しています。
企業情報
企業名: 西日本旅客鉄道株式会社
証券コード: 90210
決算期: 3月31日
西日本旅客鉄道株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
西日本旅客鉄道株式会社の決算は、毎年3月31日が決算日となっています。第3四半期の決算発表は、毎年2月頃に行われる傾向にあります。
主な事業
西日本旅客鉄道株式会社は、鉄道事業を中心とした「モビリティ業」を主軸に事業を展開しています。その他にも、流通業、不動産業、旅行・地域ソリューション業など、多岐にわたる事業を手掛けています。特に鉄道事業においては、新幹線・在来線の都市間輸送や地域の都市圏輸送を担っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の決算では、営業収益が前年同期比22.5%増の1兆1,943億円と大幅に伸長しました。これに伴い、営業利益が同146.4%増の1,724億円、経常利益が同169.1%増の1,610億円と大きく改善しています。また、親会社株主に帰属する四半期純利益も同25.8%増の1,098億円と、好業績を示しました。
売上・利益の推移
同社の売上・利益は、コロナ禍の影響から徐々に回復しつつあります。前年同期と比べ、鉄道需要の回復やインバウンド需要の増加などを背景に、営業収益、営業利益、経常利益、純利益のいずれも大幅に改善しています。特に経常利益は前年同期比で169.1%の大幅な増加となりました。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は3兆6,581億円と前期末から773億円減少しています。一方で、負債は前期末から1,602億円減少の2兆4,309億円となっており、純資産は同期間で828億円増加の1兆2,271億円となっています。
資産の部
資産の部では現金及び預金の減少などにより、総資産は前期末から減少しています。一方で、有形固定資産の増加により、設備投資が着実に進められていることがうかがえます。
負債の部
負債の部では、社債の減少などにより、負債総額は前期末から1,602億円減少しています。これにより、財務の健全性が高まっているといえます。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金の増加などにより、純資産が828億円増加しました。これにより、自己資本比率も30.4%と、前期末の27.7%から改善しています。
ROAとROE
同社のROA(総資産利益率)は、前年同期の2.0%から、当期3.0%と大幅に改善しています。また、ROE(自己資本利益率)も同期間で12.1%から10.6%と、収益性が高まっているのが分かります。これは、営業収益の増加や収益性の向上などに加え、財務の健全化が進んでいるためと考えられます。
キャッシュフロー
同社のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・インフローの増加などにより、前期末に比べ現金及び現金同等物が減少しているものの、総じて健全な状況にあると言えます。今後も、収益力の回復とともに、投資活動や財務活動によるキャッシュの動きも注目されます。
配当の支払額
当期の配当については、前期末に比べ増配となる1株当たり57.5円の中間配当が実施されました。また、期末配当も検討されるものと思われ、株主還元の強化が期待できます。
今後の展望
同社は、「JR西日本グループ長期ビジョン2032・中期経営計画2025」に基づき、鉄道事業の安全性向上を最優先としつつ、モビリティサービスの活性化や不動産事業の拡大など、事業ポートフォリオの再構築に取り組んでいます。足元の業績回復基調を継続させるとともに、中長期的な成長と企業価値の向上に向けた取り組みが期待されます。
編集部のまとめ
西日本旅客鉄道株式会社の第3四半期決算は、鉄道需要の回復やインバウンド需要の増加などを背景に、売上高、各利益指標ともに大幅に改善しました。財務の健全性も高まっており、今後の業績拡大に期待が高まります。同社は、中長期的な成長に向け、事業ポートフォリオの再構築にも力を入れており、その取り組みが注目されます。
西日本旅客鉄道株式会社の決算日や配当についてまとめました。
西日本旅客鉄道株式会社の決算期は3月31日で、第3四半期の決算発表は例年2月頃に行われます。また、同社は通期の配当を検討しており、中間配当も1株当たり57.5円と増配となっています。今後も、株主還元の強化が期待できそうです。